エンジンのパワーを上げようとして俗に言うフルコンとかサブコンを使用するとなると車イジリとしては大層なモノになってしまう。
そこまでやらなくても少しだけパワーアップしたいという要求は誰しも少しは持ったことがあるのではないだろうか。
別に所有している訳ではないがS660にもう少しパワーがあれば非常に面白い車になるんだろうなぁと考えていた。
通常ならECUを丸ごと無限とかショップのオリジナルに交換してパワーアップという事になるのだろうが面白いモノを発見したので報告したい。
ECUの発達は様々な規制が主な原因
ご存じのように現代の車はエレクトロニクスの塊だ。
エンジンのマネージメントはECUというコンピューターが司っていて、各種センサーからの情報を処理して瞬時に最適な動作をするようにプログラミングされている。
このECUの中に含まれるプログラムとかデータは市販車という事でマージンを十分取ったモノになっている。ユーザーが多少無茶をしても壊れないのはこのためだ。
さらに現代の車の排ガス対策や燃費対策は非常に進んでいて10年前とは全く様相が異なる。最近のエンジンは昔ほど同じ排気量でもパワーが出ていないのはこのせいもあるのだ。
現代の車はECUで性格を変えれる
新車が発売されてからしばらくするとチューニングしたECUが各ショップから発売になる場合が多い。
そんなチューニングECUは丸ごと交換となるので結構な価格になる。価格は下取り込みで概ね10万円以上する。元に戻せるようにECUを手元に置いておくことにするとその分だけ価格が加算される。
最近ではその場でプログラムというかデータを書き換えてしまう形式も多い。これってソフト代に約10万円を支払っているという事だ。
Officeソフトなんて買う時はむっちゃ高いと感じるのに、ECUの書換の場合はそう感じないなんて車好きの特性だと思う。
チューニングECUはその性格付けがイロイロできる。例えば実用域でのトルクアップ重視だとか、高回転域の伸び重視だとかである。このあたりのノウハウはノーマルのECUを各ショップが解析して時間を掛けて習得したものだ。
お手軽で安いサブコンの1種のRaceChip
そこでソコソコの性能が期待できて、価格が安くて、取り付けが比較的簡単なサブコンがあるのを見つけた。
名前はRaceChipといいドイツの製品でターボ車専用のようだ。
このRaceChipはノーマルのECUには手を付けずにブースト圧のセンシングを入力として動作する。詳しい事は分からないがブースト圧を減算してECUに伝えるようになっているのだろうと思う。
RaceChipS660用(Amazon)はS660に取り付けると78PS/128Nmになる。ノーマルは64PS/104Nmなので約22%増しと言ったところだ。
これでS660のパワーウェイトレシオは軽い6MTで830kgだから10.64kg/PS(ノーマルは12.97kg/PS)と少し改善される。
これで価格は3万円台なのだ。日本でもかなり実績があるようなので安心できるかもしれない。
↑ RaceChipの外見、3種あるうちの一番低価格なモデル、ターボ車専用のサブコンという扱い、インテークマニーホールドとセンサーの間に割り込ませるようになっている、ECUにブースト圧を低く報告して錯覚させる仕組みなのだろう、画像はメーカーサイトより拝借
↑ ケータハムSEVEN160のエンジン、スズキのジムニーのエンジンを積んでいるがパワーは80PS出ている、この車は軽自動車だが自主規制枠には縛られなかったようだ、逆に言えば軽自動車のエンジンは80PS位まではパワーを上げてもマージンが十分あるという事が言えるのではないか、画像はメーカーサイトより拝借
ECUを交換したりサブコンでパワーアップを図れるのは昔から考えると非常に安上がりになった。
キャブレターの頃はメカ的にパワーを上げるしかなかったので工賃が非常に高く付いたモノだ。
チューニングもスマートになった。
こうしてRaceChip等でパワーアップしたS660の走りはどうなんだろう、非常に興味があるのだ。
今回はこのへんで
では