前回は電装周りの一環としてハロゲンバルブの規格を書いた。
その第2弾としてスモールランプの規格の事を書いてみた。
車のランプ類のLED化には必須の規格なのだ。
本来は工具の紹介シリーズだが工具ではなく素材や部品となってしまっているがご容赦いただきたい。
現代の車の電球はそうそう切れない
車のスモールランプ等の小さな電球は普段あまりお目に掛からない。
しかし非常に重要な役割を果たしている事はお分かりだろう。
例えばスモールランプやウィンカーランプ、これらが点灯しないと夜間の運転にたちまち支障をきたしてしまう。
現代の車のこうした電球類はそれほど切れる(点灯しなくなる)モノではない。
管理人TomTomも長い期間車に乗っているがこうした小さな電球が切れる事は数える程度なのだ。
だからこそしょっちゅう使うモノでは無いのでいざという時に知っておくと非常に役に立つのだ。
スモールランプ等の電球の規格は白熱球ベース
現在は車の電球もLED化が進み輸入車では全く白熱球を使わなくなった車種も出てきている(高級車のメルセデスのSクラス等)。
普及価格帯の国産車や輸入車ではスモールランプ等はまだまだ白熱球が主流だ。
ではその代表的な規格を見てみよう。
T10とかT20とか言う呼び方はおおむね電球の大きさを指しているようだ、それに伴いソケット部の大きさも決まっている。
シングル球とダブル球
電球には1つで2つの機能を果たすモノがある。
例えば車のテールライトにある電球でスモールランプとブレーキランプを兼ねている。
スモールランプをONにすると薄く点灯する、さらにブレーキを踏むとさらに明るく点灯するようになっている。
この電球はダブル球と言って1つの電球の中に2つのフィラメントが入っている。
電気的な接点についてもシングルフィラメントは単純にプラスとマイナスの2極だが、ダブル球は3極となる(スモール/ブレーキ/共通のマイナス)。
↑ 左がシングル球、右がダブル球、画像は小糸製作所サイトより拝借
T10ウェッジ(12V5W)
車には一番よく使われるタイプ。
全体がガラスでできた電球でポジション球やサイドのウィンカーで使われることが多い。
↑ T10ウェッジ球の形状と口金、ウェッジ球は全体がガラスでできていてソケット部もガラス製、消灯直後は熱いのでやけどしないように注意する必要がある、LEDに換装する場合は全体の長さに注意する、画像は小糸製作所サイトより拝借
T16ウェッジ(12V16W)
バック球に使われる。
明るさは概ね16Wとか18Wだが、常時点灯させるものでもないのでより明るいW数のモノを入れる事も多い。
↑ T16ウェッジ球の形状と口金、T10との違いは全体の大きさが大きくなっている事だ、LEDに換装する場合は全体の長さに注意する、画像は小糸製作所サイトより拝借
T20ウェッジ(12V21W、ダブル球12V21W/5W)
車にはこれも良く使われるタイプ。
こちらも全体がガラスでできた電球で、前後のウィンカーやウィンカーで使用される。
スモールランプとブレーキランプが兼用になっている場合はダブル球になっている事が多いので注意。
↑ T20ウェッジ球の形状と口金、これはシングル球の例、ダブル球はフィラメントが2つ入っている、車両前後のスモールランプやブレーキランプで使用される、LEDに換装する場合は全体の長さに注意する、画像は小糸製作所サイトより拝借
ピンチ部違い
T20で良く出てくるのだがソケットへ差し込む部分に突起が付いている、この位置が異なる場合にT20「ピンチ部違い」と呼ぶ。
この場合は通常のT20を差し込んでもキチンと固定されないので振動で抜けたり接触不良を起こす恐れがある、必ず「ピンチ部違い」を使用するようにしよう。
ポジション球のLED化の例
アイシスをLED化した際のポジション球の作業を例に解説する。
電球の交換自体は非常に簡単な作業だ。
ヘッドライト上のソケットを反時計回りに回してポジション球を取り出す。
交換するLED球は長さに注意する必要がある。
↑ アイシスのポジション球ノーマル状態の図、ノーマルの電球だとオレンジに近い電球色だがLEDに換装するとシャープな色合いになり見た目が引き締まる
↑ ポジション球のソケットにLEDをセットしてテストの図、LEDは電球と異なり極性がある、必ず装着の前にソケットに差して点灯テストを行う、もし点灯しない場合は逆向きに差し込むと点灯する場合が多い、その他は接点が汚れていたり曲がっていたりする事が無いか確認を行う
↑ ポジション球をLED換装後のアップの図、アイシスの場合はポジション球の頭にカバーのようなモノがあり長さが規制されるので要注意、ながいLEDだとキチンと装着できない、LED球は様々なモノが販売されているのでソケットの規格意外に長さ等合うモノをチョイスする必要がある
↑ ポジション球をLEDに換装の完成の図、ノーマルの電球色から白い光になり(おおむね6000Kくらいのが多い)シャープな印象になる
ウィンカーのLED化には注意が必要
車のウィンカーをLED化する際には知っておくべき事がいくつかある。
LEDを使用した電球は電気的な抵抗値が低い、このためウィンカーを点灯させると点滅を制御しているリレーが誤動作をしてしまう。
その結果ハイフラッシャーと呼ばれる非常に速いサイクルで点滅を繰り返すようになる。
この解決には車種別に対応したLED専用のリレーに換装するか、LEDウィンカー球に対して抵抗を設置する事で解決する。
アイシスのウィンカーLED化の作業を解説する。
アイシスの場合はLED用のリレーで対応した。
↑ ウィンカー球のLED化ノーマル状態、T20ウェッジ球だがウィンカー用の色が付いたモノだ、最近の車はウィンカーレンズ側に色が付いていない事が多く電球自体に色が付いていないと車検に通らない、ウィンカーのLED化にはLEDの色も注意する
↑ ウィン化ーのLED化、ソケットに差し込んでテストをする、LEDは電球と異なり極性がある、必ず装着の前にソケットに差して点灯テストを行う、もし点灯しない場合は逆向きに差し込むと点灯する場合が多い、その他は接点が汚れていたり曲がっていたりする事が無いか確認を行う、この時点ではリレーも抵抗も入れていないのでハイフラ現象が発生する
↑ ウィンカーLED化完成の図、電球とは少し異なる点灯の仕方をする、簡単に言うとパッと点く感じか、色目も多少異なるが自己満足の世界だ
↑ ウィンカーLED化リレーの設置その1、メーカーや車種にもよるがペダルの上のダッシュ裏にウィンカー用のリレーがある場合が多い、ノーマルのリレーへ行っているコネクターをLED用のリレーに付け替える、ノーマルのリレーはこの場合はそのまま残してある
↑ ウィンカーLED化リレーの設置その2、リレーの設置状況、LED用のリレーには点滅速度を調整するつまみが付いている場合がある、いったん調整すると触ることは無い、管理人は画像のように調整つまみを触れるように設置したが設置後一度も調整した事が無いので見えない所に設置して大丈夫だ
次回はちょっと古いスモールランプ等の事を紹介しようと思う
スモールランプ等の電球の規格には今回紹介したウェッジタイプの他にソケット形状になったモノもある。
少し古い車に多用されるので次回はこの辺りを書いてみようと思う。
今回はこのへんで
では