モータースポーツは数々あれどアメリカのモータースポーツは知らない事が多い。
アメリカのモータースポーツと言えばインディーカー(フォーミュラカー)やNASCAR(箱車)は時々見たり聞いたりする。
その他にもアメリカ独特のモータースポーツが沢山存在する。世界のモータースポーツはヨーロッパ型とアメリカ型の2種に分類できると言っても大げさでは無いように思える。
WRCは非常に一般的だし知っている車も多い
管理人TomTomはラリー好きな事もありWRCは昔から大好きだ。
最近はVWが強すぎてあまり面白くないが良く見ている。最近ではトヨタのFCVがコースを走ったので非常に興味深かった。日本の自動車メーカーももっと参戦してほしいものだと思う。
そのWRCは日本ではファンが多くモータースポーツとしては非常にポピュラーな存在だろう。利用される車両も良く聞く名前のモデルだ。しかし中身は全く別モノだ。
細部も公開されている事が多く概ね300馬力で4WDだという事は知っている。ドライバーの名前もモータースポーツの中では良く知っているのではなかろうか。
我々がテレビで目にするのはインディーカーとNASCAR
改めて考えてみるとNASCARはWRCに比較してあまりよく知らない。
管理人TomTomもCSテレビでNASCARの放映があるので時々見ているが中身は分かっていないのだ。
調べてみるとNASCARは1947年に団体設立が行われ翌年からレースがスタートしている大変古い自動車競技だ。当初は市販車を改造した車でダートトラックを走っていたのだが徐々に形を変え現在の形になっている。
この発祥の形が現在も引き継がれていてロードコースよりもオーバルコースで行われるのがほとんどだ。このオーバルコースと言うのが日本人にとっつきにい部分ではないかと思う。あまり変化が無くテクニックなんてあまりなさそうに見える。管理人TomTomもそう思っていたのだ。
↑ 2015年のKevin HarvickのNASCARマシン、調べてみるとなかなか凄いマシンだという事が分かる、それにしても凄いロールゲージが入っている、ボディーはスペースフレームに張りぼてのスペシャルだが非常にローコストでイコールコンディションな競技車なのだ、画像はwww.nascar.comより拝借
↑ 1948年の最初のNASCARレース、ストックカーとよく言うが市販車の事だ、最初は市販車をベースに改造してオーバルコースで開催された、NASCARは非常に歴史がある、画像はwww.nascar.comより拝借
NASCARの車両とレギュレーション
NASCAR参加車両の詳細はあまり情報が多くないが以下のようなスペックを持っている。
素材:カーボンやケブラーのようなハイテク素材は禁止
エンジン:358キュービックインチ(5,866cc)V8、OHV、10,000rpm以上まで回るようだ
最高出力:800PS以上、コースによりリストリクター装着で最高出力が抑えられる
燃料供給装置:電子式(スプリントカップのみ)
ミッション:4MT
クラッチ:3プレート式
シャーシ:スチールフレーム+ロールゲージ
車両重量:3,300lb(1,496㎏)
タイヤ:グッドイヤーのワンメーク
ホイール:軽量スチール、5穴
ブレーキ:鋳鉄製ディスク+マルチピストンキャリパー
最高速度:350km以上
マニファクチャラー:シボレー、トヨタ、フォード
いやいやOHVって形式は過去のモノと思っていたがNASCARのレーシングエンジンはパワーも凄いが常用回転数も凄い。加えて4MTでこのエンジンを使うという事はエンジンに柔軟性が無いといけないという事だ。ワイドなギアレシオの対応できる広いパワーバンドを持っている。
NASCAR車両の特徴として最先端の素材は使用しない、電子デバイスは最小限、エンジンもOHV、タイヤもワンメークという事でイコールコンディションと参加車両のコストを抑えるという特徴を持っている。
管理人TomTomも個人的にはこうした競技において走るための電子デバイスは極力少ない方が良いと思っている。やはりドライバーの腕が試されるようになっているべきなのだ。レースとこうした技術開発は切っても切れないところだし、市販車への新技術のフィードバックという側面もあるがレースを面白くするためにはこうした動きに賛成だ。
↑ NASCAR用のシボレーのエンジン、これだけ並ぶと非常に壮観だ、エンジン自体はV8でOHVの5,866cc、最高出力は800PS以上出るようでコースによりリストリクターで出力を規制する、スプリントカップのみ燃料供給が電子式でその他は機械式となっている、画像はwww.enginelabs.comより拝借
↑ NASCARのタイヤホイール、このボリューム感がたまらんのですよ、タイヤはグッドイヤーのワンメーク、ホイールは鉄ホイールで通常の5穴で固定するタイプ、鉄ホイールだが軽量にできているらしい、鉄ホイールってアルミホイールのように割れる危険性が少ない、画像はwww.nascar.comより拝借
オーバルコースでの超高速バトルとスポッター
放っておくと350km/hオーバー出てしまうNASCARだが、コースによっては安全確保のためリストリクターを装着し馬力を制限し最高速度を落としている。350kmというともうF1と変わり無い凄い速度だ。
この速度域でコース上で2ワイドや3ワイドで並走する場面も見られる。この時に他のレースでは見られない仕組みがある。
スポッターと呼ばれるチームの担当者が高い位置から自車を見ている。このスポッターは2ワイド等の状況の時にドライバーに「右後ろに○○チームの△号車が位置している」と伝えるのだ。ドライバーは映像を見れば分かるが安全性確保のために顔の横までサポートするフルバケットシートに座っている。横を見る事が出来ないのだ、それ以前に300km/h以上で走っている時に横向いて安全確認などできないのだ。
ラリーで言えばナビゲーターのような存在かもしれない。ペースノートならぬコース状況を逐一ドライバーに伝えるのだ。
こうした超高速でのレースバトルがこのNASCARの醍醐味だろうと思う。
どちらかと言うとこうしたNASCARの特徴はアメリカ独自であり他の地域では興味を持ってもらえないところかもしれない。やはり右に左にコーナリングするのがドライバーのテクニックの見せ所だし見てても面白いところだと思う。
↑ NASCAR Kevin Harvickのドライビングシーン、NASCARの特徴はこの詰まったドライビングポジションだろう、口の悪い人はおばちゃんポジションって呼んだりする、これはこれで理由があるのだろう、ご覧のようにドライバーは顔の横までバケットシートで保護されているので自分の車の横を見る事は実質出来ない、それでなくても300km/hで走ってて横を見ることはできないだろう、だからスポッターと言う外部から無線で状況をリポートする人がいる、画像はwww.nascar.comより拝借
↑ NASCARのピットワーク、これもNASCARの特徴的なところだと思う、他のレースでもそうだがピットインにかかる時間は最小限にしたい、NASCARではこのピットワークが見事だ、加えてハイテクは禁止なので給油も自然落下式だしジャッキも油圧ジャッキを持ってピットマンが走り回る、タイヤホイールの脱着もインパクトで5本のナットを外したり付けたりする、画像はwww.nascar.comより拝借
NASCARの商業面も面白い
管理人TomTomが一番NASCARに興味を持っているのがこの分野だ。
F1でも日本のSuperGTでもスポンサーが付かないチームは車体が寂しいレーシングカーで走る事も時にある。しかしNASCARではこれが無いところが凄いと思う。いつみても車体はスポンサーロゴで一杯なのだ。それにコースにもよるが観客の動員数が桁外れだ。何万人では無く何十万人なのだ。
スポンサーが凄い
さらにNASCARはシリーズがいくつかあり、最高峰のシリーズはNASCARスプリントシリーズという名前が付いている。これはスポンサーの名前だ。最近は日本でも野球などでこうしたスポンサー名が付く試合もできてきた。
スポンサー自体はNASCARシリーズタイトルスポンサー、オフィシャルスポンサー、そして各チームのスポンサーがある。
チームのスポンサーを見ていると一般的な企業はもちろんだが、今は無いが陸軍があったり沿岸警備隊があったり面白い。走っている車に描いてあるグラフィックを見ると日本でも良く見るお菓子だったり楽しい。ヨーロッパ型のモータースポーツとは異なる様子なのだ。
観客が熱い
NASCARで感心するのは親子孫と3代に渡って出場しているレーサー一家がいるという事だ。反対に見れば親子3代で筋金入りのNASCARファンだという人も多いのだろう。それだけ生活に根を張っているという事だと思う。日本ではなかなかお目に掛かれない素晴らしい事だ。これだけファンが長く定着するという事は大変な努力をしているに違いないのだ。
日本ではなかなかモータースポーツが定着しないが、エコカーの時代だしモータースポーツも今までとは考え方を変える必要があるように思う。車を使ったスポーツをもっと身近にしないと続いて行かないだろうと思う。NASCARを参考にする部分もありそうだ。
今回はこのへんで
では