前回10/14の時点でVW側の対応は遅々として進んでいないように見えると書いた。
この危惧が現実になったようだ。
ドイツ政府はVWに対してドイツ国内の対象車240万台のリコール対策を要請したようだ。
出足の遅いVWの具体的対策
やはりVWの対策が遅いという印象は誰もが感じている事のようだ。
ドイツ政府がVWに対してドイツ国内の240万台のリコールを要請したという事だ。
日本語では要請となっているが現場では結構きつい表現なのだろう。
そもそもリコール自体は自主改修という性格のモノであるから政府から要請されるという事自体が異常事態だ。
EU全体では850万台となる見込みだが順次こうした行政や政府主導でのリコールが無理やり進むことになっていくだろう。
日本語でのVWのお詫び公式サイトは世界規模
日本語でのVWのお詫び専用サイトがオープンしている。署名はVWジャパンの代表取締役名義になっている。
このサイトはVWジャパンのドメインと異なり「info.volkswagen.com」ドメインの下に置かれているのでVWがグローバルに対応したサイトなのだろう。
つまり世界中のユーザーに向けたVWグループ全体のお詫び戦略のサイトなのだ。
それぞれの国の事情に応じたステートメントが掲示されているようだ。
info.volkswagen.comの上位に行こうとしてもリダイレクトされ日本語のサイトのみが表示されているので他国へのメッセージは見る事が出来ない。
これはちょっと残念だ。
取締役会の今後の戦略が掲示されている
このサイトにはVW内部での決定事項が掲示されていて今後のVWの方針が示されている。
2015年10月15日付けの掲示では「フォルクスワーゲン ブランド取締役会が戦略を決定」という表題にて次の内容を示している。
- 効率化プログラムの実行を加速させることで戦略見直しの機会を創出
- 合理化されたプロセスにより、固定費を含めてコスト削減の可能性を拡大
- 将来に向けたプロジェクトを優先し、従来の計画に対して年間10億ユーロの投資を削減
- 系統だった製品ラインアップに
- 次世代の「フェートン」は電気自動車に
- 新たに「モジュラー エレクトリック ツールキット」を開発
これだけを見ると何がなんだか良く分からない。このあとに補足事項が掲載されているので確認してほしい。
内容としては今回のVW排ガス不正についての直接的な内容では無い。VWグループの経営方針というところだ。
特に開発関係ではEVに力を入れていく、ディーゼルに関しては尿素SCRの採用を行う事が出ている。
ユーザーの期待しているのは組織的な改革だ
今回のVW排ガス不正事件はVWの組織的な欠陥が引き起こした事という認識はユーザーがみな持っている感想だろうと思う。恐怖政治のようなものだ。
これに対してのVWの見解が無いのが大いに不満であり今後のVWの方向性として心配な部分だ。
いくら技術的な事をクリアしても人間の判断で組織が動く限り避けては通れない部分だ。
まだまだVWは正常に動いていないように見える。
VWのEA189エンジン排ガス不正問題シリーズ記事
「VW排ガス不正」というカテゴリーを作ったので見て下さい。
今回はこのへんで
では