トヨタの車にはDCMという通信装置が装備されているかオプションで設定できる車がある。
このDCMと言うのはData Communication Moduleの略でAUの回線を使用する通信装置なのだ。
ちなみにこのDCM自体はすでに登場してからすでに10年以上経過しているのだ。
トヨタのDCMの利用方法
トヨタの車載ナビに通信を追加する事によりサービスの幅を広げたのがT-Connectなのだ。
その通信方式はユーザーの端末を利用したりWiFiスポットを利用したりできる。
さらに専用の通信機と組み合わせる事も可能となっており、これがDCMと呼ばれるユニットとなっている。
トヨタではDCMの通信にAUの回線を利用する。
DCMと組み合わされたT-Connectで何ができるかというとトヨタは次のような項目を挙げている。
- 通信機内蔵なので接続の手間が無い
- セキュリティーサービスが利用可能
- マップオンデマンドが利用可能
- オペレーター接続が可能
ちなみに現行クラウンアスリートの場合はオプションで次の価格となっている。
T-Connect専用DCM+ルーフアンテナ 115,560円
結構高価なオプションだ。
DCMで繋がったT-Connectで出来る事
そしてDCMで繋がったT-Connectで出来る事は次のような内容となっている。
コネクティッドカーを実現するためにDCM搭載を加速
最近は自動運転の事もありコネクティッドカーという言葉が頻繁に出てくる。
このコネクティッドカーと言うのは文字通りネットワークに接続された車と言う意味だ。
もちろん車に取り付けるのだから通信は無線でないといけない。
そこでトヨタは2016年になってから以前からあるDCMを車に搭載する数を増やす方向に動いた。
その内容は次のようになっている。
車載通信機の搭載拡大を通じ、クルマの「つながる」化を推進
膨大なデータ処理を伴う「つながる」サービスの提供に向け、トヨタ・ビッグデータ・センターを構築
個人情報を保護しながら、通信品質・セキュリティを向上
より安全・安心な「つながる」サービス提供に向け、UIEvolution, Inc.と業務提携
そこで問題となるのがDCMの仕様なのだ。
ご存じの通り携帯電話の通信方式は各国が規制して決めている。
だから国によって通信方式が異なる場合も多い。
各国で異なるDCMを世界レベルで標準化しようという動きだ。
すると同じ仕様で大量に製造できるのでトータルのコストを下げることができる。
DCMのコストを下げる事で高価格車でなくても通信を装備する事が出来る。
前述のようにクラウンアスリートのオプションのDCMでは115,560円もする。
この価格ではDCMを付けようというユーザーはかなり少ないだろう。
一方レクサスのような高価格車であれば現在でもそうだが最初から車体価格に折り込み済みという作戦が取れる。
さらに衛星通信を利用するミライも出てきた
さらにNAIAS2016デトロイトモーターショーではKymeta社のアンテナを用いて衛星通信を利用するミライを出展している。
衛星通信は普段あまり見かけない通信なので知らない方も多いと思う。
衛星通信に使用するアンテナは従来パラボラアンテナを利用するのが通常だ。
パラボラアンテナと言うのは利得が高いが指向性が高いので目標に向けて動かす必要がある。
これは自動車に積むにあたって現実的では無い訳だ。
そこでKymeta社のアンテナは平面で構成できるために車載化にめどが立ったという訳なのだ。
キャンピングカーに装備するBSアンテナでも追尾式がほとんどで衛星めがけて動かす必要がある。
これは画期的な技術だと思う。
管理人TomTom的には車に衛星通信を積んで何をするのだろう?というところが気になる。
衛星通信は文字通り衛星を介して通信を行うので地球上で衛星が補足できる場所ならどこでも通信が可能だ。
通常の3Gや4Gの回線のように使用するキャリアの基地局があるとか無いとかということに影響されない。
そういった使い方をするのは何を想定しているのだろうか?
↑ Kymeta社の平面衛星アンテナを仕込んだトヨタミライのルーフ画像、衛星用のアンテナを平面にしてしまったところが凄いところ、トヨタはこのKymeta社に500万ドルを出資している、画像はメーカーサイトより拝借
コネクティッドカーのために新しい通信が欲しい
コネクティッドカーではどこでも電波が届く確実な通信、遅延の少ない通信方式が求められる。
衛星通信もそうだが国境を越えた世界中をシームレスに結ぶ通信サービスは実現しないものだろうか。
こうした通信を既存の各国の通信キャリアに頼るのではなく自動車用に用意する事が出来ないだろうか。
そうするとコネクティッドカーはもっと面白いものになるかもしれないと思うのだった。
これからはこうした通信が重要性を増してくるはずだ。
今回はこのへんで
では