玉置神社と熊野三山へ山岳ツーリングに行ってきた 普通の車で林道を走らない方が良い

前回に続き弾丸ツアーを行った。
前回は伊勢神宮から熊野三山を1日で回ろうとしたが日没のため那智大社を断念したのだった
今回の玉置神社は奈良県十津川村の南東に位置する玉置山に鎮座する古い神社で険しい山の頂上付近にある。
前回ここを訪れたのは2012年3月の事だから今から4年前の事になる
今回玉置神社へ行こうと計画したのは熊野の奥の院と言われる玉置神社にどうしても再び行きたくなったからだ。
今回はルートを中心に記録してみた。

玉置山の登り口にて、ここから延々10kmほどの登りが続く。

玉置山のアプローチにて アイシス

今回のツーリング計画

管理人TomTomの場合ツーリングはいつも思いつきなのだが今回もそうだ。
突然ココへ行きたいと思い始めるといてもたってもいられなくなるのだった。
悪い癖だが車があるからこうしたツーリングに出れるのも事実だ。

まずは玉置神社へ行く

玉置神社に行くのと玉置山へ登ってみたかったのだ。
今回も事前に準備が出来ず出発1時間前から準備を行った。
持って行くものやルートは全く準備できずいつもの無計画なツーリングとなった。

その後はゆっくりと

玉置神社に参拝し玉置山に登った後は十津川村でおいしいご飯を食べてゆっくりと温泉に浸かり最後に谷瀬のつり橋を渡ってこようと思っていたのだった。
おおむねこうしたおぼろげな計画だったので持って行くもと言えば着替えにトレッキングできるような靴にジャケットくらい。

と今回はのんびりしたツーリングになるはずだった。
ただ心配なのはお天気と玉置神社の正確な位置だった。

最初から計画に乱れ出発が遅れる

この日に行こうという事は1週間ほど前から決めていた。
前日にたまたま飲み会が入り遅くに帰ってきた事もあり朝5時出発の予定は1時間ずれて6時出発になってしまった。
最初から計画に狂いが生じ前途多難な予感が脳裏を横切ったのだった。

奈良県南部へのいつものルート

管理人TomTomが奈良県の南へ行こうとすればいつものコースと言うのがある。
それは長く高速道路を走りたくないために考え出したコースなのだ。
管理人TomTomが住んでいる兵庫県の東の端っこからは阪神高速を走り大阪市内を横切ることが必要だ。
この大阪市内を横切るのには時間的ロスを避けるために早朝に通過しなければならない。
そして阪神高速から西名阪の柏原ICで降りて国道165号で奈良県に入っていくのだ。
これがいつものルートなのだ。

国道168号線は奈良県南部へのメインルート

紀伊半島でも行く先によりルートが異なるが今回は直接十津川村を目指す。
そのため奈良県に入ってすぐに南下し五條市から国道168号線に入った。

この国道168号は前回の弾丸ツアーでも紹介しているが山岳道路の典型的な道だ。
新しくなった部分はアベレージの高い気持ちの良い区間となっているが元々はまさに酷道でありタイトで見通しのきかない山岳道路なのだ。
十津川村周辺では2011年の台風12号による洪水被害の後遺症がまだまだ残っていて工事が盛んにおこなわれている。
国道168号も例外では無く道が新しくされ走りやすくなった部分が多い。
逆に元もまま残る区間もたくさんあってその差はかなりのものだ。

十津川村はご存じのように日本一広い村となっているためやっと十津川村に入ったと喜ぶのはまだ早い。
思っていたよりも玉置山は十津川村の南の方にある。
十津川村に入ってから玉置神社の登り口までの行程に1時間を要した。

国道168号線から玉置神社までは整備された林道

さて6時に出発して9時頃やっとたどり着いた十津川村だが谷瀬のつり橋を素通りして玉置神社への登山道へひたすら走る。
国道168号から分岐して玉置神社へと向かうのだがこれが結構長い距離を登らなければならない(冒頭の写真)。
その距離は10kmほどありひたすらと登るのだ。

途中いくつか分岐があるが迷う事は無く小1時間ほど登ると山の尾根筋に出るともうすぐ到着だ。
神社の鳥居前にはまずまずの大きさの駐車場があり10時頃には到着した。

玉置神社のパーキングのようす

玉置神社には杉の巨木が数多くある。
一説によれば3000年を超す樹齢の杉の木もあるようで他にはない迫力があり人間の存在の小ささを感じる。
下の画像には参道上に人が立っているがそれと比較すればいかに杉の木が大きいかがお分かりいただけるだろうか。

玉置神社の杉の巨木

玉置神社は神社ではあるが修験道の影響なのか単に剥げているだけなのか朱塗りの建物が全く無いのも特徴だ。
訪れた当日も修験道の修行者を見かけたがかつては修験道の一大基地のような存在であっただろう。

さて玉置神社を有名にしたのは玉石社という神秘的な摂社の存在が大きい。
玉置神社はこの玉石社から始まったのではないかと言われている。
行ってみると杉の木の間に石が置いてあるだけのシャーマニズムを感じる場所だ。
大昔の人もここで何かを感じたのだろう。

玉置神社の摂社である玉石社

玉石社から玉置山の頂上を初めて目指す。
登っている時間は実質10分ほどだが傾斜がきつくてそれ以上に感じる。
途中には左右どちらでも頂上という珍しくあいまいな看板があり思わず笑顔になる。
玉置山の頂上からは宝冠の森と呼ばれる修験道では重要な場所だったところに繋がるルートがあるが今回は体力的に断念したのだった。
再度行ってみたいと思う。

途中の道案内と玉置山の頂上

玉置山頂上からは神社へ戻らず尾根伝いに駐車場へ戻ってきた。
このルートを通るとブナの原生林の中を歩くことになる。
ブナの原生林なんて近頃では全くお目に掛かれる事が無いほど貴重なものだ。
ジックリと森歩きを楽しんで車まで戻ってきたのだった。

玉置山のブナの自然林

玉置神社に参拝させていただいて一汗かいたが非常に気分がスッキリした。
さてこれから十津川村に降りておいしい昼ごはんにありつこうかと考えていたのだが地図を見ていると思いのほか新宮市に近い事が分かる。
この玉置山は熊野の奥の院と呼ばれるだけあり熊野には近いのだ。
ここで気まぐれが出て熊野三山を回る事にしたのだった。

十津川村から新宮までは快適な国道168号線

玉置神社から降りてきて再び国道168号線に戻る。
ここから熊野本宮まではすぐなのだ。

熊野本宮はいつ来ても心安らぐ

管理人TomTomは自分が苦しい時も楽しい時もいつ来ても熊野本宮は心安らぐのを感じるのだった。
これは何故か分からないが波長が合っているのかもしれない。
だから何度でも来たくなる不思議なものだ。
本宮はそれほど混んでなかったが海外の人が来られているのが印象的だった。

熊野本宮はいつも通りのお姿

速玉大社へ来ると目が覚める

続いて本宮から速玉大社へと向かう。
この間の国道168号は非常に良く整備されていて快適な走行ができる。
本宮からは小一時間程度だがあまりに快適すぎて飛ばしすぎに注意なほどだ。
今回は若い巫女さんが大変印象的だった。

目にも鮮やかな速玉大社の社殿

以前から行ってみたかった神倉神社

以前から速玉大社近くの神倉神社の存在は知っていた。
この神倉神社のお燈まつりは大変有名で一度は見物したいと思っている。
しかしこの神倉神社の一番の見どころはご神体であるゴトビキ岩であろう。
山の頂になんとも巨大な岩が鎮座しているのは何か神がかっている。
そのゴトビキ岩まではかなり足場の悪い自然石で作られた急階段を上る必要がありちゃんとした靴を履いていく方が良い。

神倉神社のゴトビキ岩の入り口にある鳥居 ここからが申請は場所なのだ

神倉神社の社殿の後方には巨大なゴトビキ岩 山そのものも岩でできているのだった

新宮から那智勝浦へは国道42号線

玉置山と神倉神社の登りでかなり足を消耗し大汗をかいたのだった。
少しおなかも空いたので新宮の行きつけの料理屋(定食屋だが)へ行ってみたがあいにく昼の営業は14時まででかなわず。
しょうがないので新鮮なネタを期待して国道筋にある回転寿司屋へ入ったら自分の他に誰もいない状態で貸切状態だった。
しかも回転寿司なのに回ってなくて注文して握ってもらうという普通の寿司屋のようだった。
味は残念ながら普通だった。

那智大社はいつも日没になってしまう

熊野へ行くと那智大社で日没になってしまい満足にゆっくりと参拝させていただいた事が少ないのだった。
だが今回は16時頃に到着してゆっくりと参拝させていただいた。

那智大社の最後のの鳥居 ここまで結構な階段を上ってくる

飛龍権現と呼ばれる那智の滝

さて帰りはどの道で帰ろうか

おおむね一日で回ると熊野三山は那智大社で夕方になり帰りはどのルートを通るかという事が問題となる。
今回は玉置山、神倉神社、那智大社と自分の足を酷使したので帰りは楽しようと思っていた。
つまり国道42号をゆっくり走って帰途に付こうと思い走り出したのだった。

結局林道攻めを敢行することになる

一旦は大人しく帰ろうと国道42号を走り出したのだった。
しばらく走ると単調さにウズウズしだしてどうしようもない状態になった。
そこでまたまた思いつきで太地町あたりで山の方へ入って山間の道を目指したのだった。
ここらあたりでガソリン残量は1/2ほど。

見知らぬ林道に突入するが狭小のためあえなく退却

那智勝浦からいくらも走らないうちに山側へステアリングを切ってみたものの道のあては正直なかった。
地図を見ると通れそうな林道が伸びていたので突っ込んでみた。
進むにつれ使用感の無い林道は狭くなり車幅一杯一杯になってしまった。
車は林道アタック用のジムニーでもなく普通のミニバンであるアイシスなのだ。
これで無理は出来ないので敢え無く撤退したのだった。

県道45号を北上する

県道45号に出たのでそのまま北上して本宮方面へ抜ける事にした。
この道はかなり前(10年くらい前か?)にスイフトスポーツZC31やC2で何度か通った事があるので行ってみようと思った。
県道45号と44号をつないでかなりの距離を走る事になる。

この県道45号は那智の滝からも行けるのだがこんなことなら最初からこちらを通れば遠回りをせずに良かった。

県道45号自体はなかなか快適な道でそれほど険しくない。

県道44号線はかなりのもの

だが県道45号から 続く44号がそれこそ酷道(県道だが)なのだった。

県道44号に入ってからは様相が一変する。
道幅はギリギリになり山側は岩肌が剥き出しで谷川は路肩の崩れた危険な個所が多い。
道幅が狭いのがちょっとした誤算でアイシスでもかなり苦労する(幸い全く対向車は無かった)。
やはりこうした道には小さな車が必要なのだ。
そもそもスイフトスポーツZC31で走った10年前よりも道が荒れているのだった。
路面は一応舗装されているが補修がされずに穴だらけで下手をするとタイヤホイールやサスペンションを壊しそうだ。
また今にも崩れそうな箇所が多くて馴れているつもりの管理人TomTomも何度も怖い思いをした。
ひょっとしたら今まではラリーのように夜間走っていたので暗くて見えなかっただけなのかもしれない。

厳しい林道を走るなら小さな車とそれなりの装備を!

こうした林道へ突入するにはそれなりの車と装備が必要なのを痛感した。
きっと車を壊したり沢に落ちたりすると大げさだけど助かりそうにない。

また途中で2度ほど鹿に遭遇したが今回はキチンとホーンを連打して難を避けたのだった。
しかし紀伊半島で鹿に遭遇したのは今回が初めてだ。
よほど鹿の数が増えているのだろうか。
山岳路での安全な走行方法は以前書いたのでぜひ参考にして欲しい

県道44号の途中に高倉神社という小さなお社があるのだがいつもここで休憩と無事に走破出来たお礼に参拝させていただくのだった。

今回はなんとか気合で乗り切る事が出来て往路に走ってきた国道168号に出る事が出来たのだった。
みなさんにはこのルートはお勧めできない少々危険だからだ。

こうした厳しい林道を走るなら小さな車で足回りを強化した車が必要だと思う。
ラリー車なんかはうってつけだが普段乗るには少々だいそうなのだ。

別の問題が・・・

実は他の問題をかかえていたのだった。
それは海辺で給油をしようと思っていたのだが思いつきで山に入ったためにガソリン残量が気になっていた。
案の定山に入ってからは燃費も悪く見る見るうちにガソリン残量が減っていった(トヨタ車は後半よく減る)。
山の中でガス欠したとなると走行とは別の死活問題となる。
なんとか国道168号線までは持ったが少し走ると残量ランプが付きだした。

結局いつも通り国道168号をぶっ飛んで帰るがガソリン残量が・・・

いつもの事だが結局国道168号線を五條までぶっ飛んで帰る事になった。
この道は夜間走ると交通量が極端に少なくペースが異常に速い。
おかげで交通量の少ない時間帯は十津川村あたりから五條までは思ったよりも時間がかからない。
この箇所では高速でのコーナリングと斜度がある場所での速度の維持のためにある程度のパワーが必要だ。

加えて今回はガソリン残量の問題もある。
国道168号には夜間に給油できるガソリンスタンドは知る限り無い。
こうした事は何度も体験しているのに加えて山岳路の安全な走り方でも自ら書いているのにである。
十分なガソリンという山を走る基本中の基本を忘れてはならないのを痛感した。

ペースの速いのを幸いに燃費運転に徹した。
一旦傾斜のためか残量ランプが点灯したがそのうちに消えたのだった。
だが五條に入ってから再び残量ランプが本格的に点灯したが結局自宅の近所まで持ちこたえたのだった。

今回のツーリングで特に感じた事

今回のツアーは最初はゆったりとしたツーリングとするつもりだった。
それがいつの間にか林道アタック弾丸ツアーになってしまったのだった。
さらに林道が思った以上に険しく危険ですらあった。

今回のツーリングのまとめ

走行距離:451.3km(前回満タン時からすでに135km走っている)
時間:6時出発~22時30分帰宅
燃費:前回給油から586.3km走行、給油48.41L、燃費は12.1km/L

林道アタックにはそれなりの準備を

今回は思いつきで久しぶりに林道に入ってしまったが普通の車では入らない事が肝心だと思う。
まず誰も通った事の無いような道は素直に諦めた方が良い。
紀伊半島の道は思った以上に険しく危険なのだ。
今回はアイシスでも幅(1,710mm)を持て余したほどなのでその過酷さが分かるだろうか。
画像があればみなさんには良く分かるだろうがあいにくドライビングに必死で撮る余裕は無かったのだ。

小型のクロスカントリー車や同じく小型のラリー車でグループで行動すればリスクはかなり軽減できるだろう。
ラリー現役時代から長い間に林道は走りまくっているが今回はちょっと危険だった。
単独行では決してトライしない方が良い。
今回はおおいに反省である。

ナビはあるけど地図もあればより便利

ナビでルートを引くのは良いのだけど7インチくらいの画面では見える範囲が限られる。
そんな時に地図と併用すれば全体が把握できてルートを決めやすくなるので走りやすい。
管理人TomTomのおすすめはツーリングマップルだ。
この地図は2輪ライダー用に出ているのだがそれだけに今回のような細い道もしっかりと載っている。
それに加えておいしい食堂や危険個所等々の説明書きがあって役に立つ。
管理人もこのツーリングマップル関西を持って出かけるようにしている。

ガソリン残量は?

自宅の近所のいつも給油しているガソリンスタンドまで残量ランプが点灯している状態で帰ってきた。
給油をしてみると前述のように給油量は48.41Lとなり残量は計算上10L以上あるという事になる(アイシスはタンク容量60L)。
ガソリン残量ランプの点灯するのは取説によると残りが8Lくらいということらしいがそれにしては残量が多い。
ちょっと不思議な感じなのだ。

いずれにしても山に入る前には必ず給油をすることを忘れないようにして欲しい。

今回はこのへんで
では