車の電装を弄るのに欠かせないのが配線の保護材だ。
電源を引っ張るにしても信号線を引っ張るにしても配線の保護は必須となる。
なぜか?
車は常に動くから配線がこすれて心線があらわになりシャーシ等とショートするのを防ぐためだ。
車で配線がショートするという事は非常に危険だ。
だから配線の保護の役割を持つ配線保護材は非常に重要なのだ。
車では致命的な配線のショート
車の電装を弄るのに一番気を付けなければならないのが配線のショートだと思う。
だからこそ電装を弄る時にはバッテリーのマイナス端子を外してから作業を行うのが常識だ。
ショートってなんだ?
車の電装を弄る際のショートって具体的にはどういう事を差すのだろうか。
多くの車はシャーシがマイナスとなっていてプラスは配線で引き回すことを行っている。
つまり何か機器を接続する際にプラスは配線を引き回してつなぐ、そしてマイナスはシャーシにねじ止めするのだ。
これで機器から見るとプラスとマイナスが確保できたことになる。
このプラスの配線がシャーシと触れてしまい通電してしまう事をショート(短絡)と言う。
ショートするとその回路に一時的に過大な電流が流れてしまう事になる。
なぜショートがいけないのか?
ショートが起きると様々な影響が出ることが考えられる。
接続されている機器を保護する
まず作業しようとしている機器の保護がある。
せっかく取り付けようとしている機器をショートさせてしまう事により機器自体を破壊してしまう場合がある。
ヒューズが飛ぶくらいなら良いが高価な機器を破壊してしまうと辛い状況だ。
車両の電装品全体に影響が出る場合がある
ショートしてしまった事により車全体の電装品に影響が出る場合がある。
最悪の場合は車がストップしてしまう場合もあり得る。
火災になることもある
一時に過大な電流が流れる事により配線材が発火する可能性がある。
これは言うまでも無く非常に危険だ。
ショートに対する防衛策
では配線のショートに備えるにはどうしたら良いのだろうか?
追加する機器への電源には必ずヒューズを入れる
車のアクセサリー電源から電源を取るような場合は元々ヒューズが入っている。
加えて機器を追加する場合についても追加しようとする機器側にもヒューズを入れたい。
そうすればショートした際や過電流時の被害を最小限に抑えられる。
オーディオ等では良くやるバッ直(バッテリーから直接電源供給を行う事)の際には必ずヒューズを入れなければならない。
配線を保護する
これまで紹介したように誤って配線してしまったとか過電流を流してしまったという事ではヒューズが活躍する。
さらにショートを防ぐにはプラス配線の保護を行う。
配線作業をした後で実際に車が動くことによりどこかに擦れて配線材の表面が削れるという事も考えられる。
車は常に動いて振動を伴うものだという事を再認識しなければならない。
それでは配線の保護材の代表的なモノをいくつか挙げてみよう。
コルゲートチューブ
車のエンジンルームを見渡すと必ず目につくのがコルゲートチューブと呼ばれる黒い保護材だ。
簡単に言うとジャバラ状のチューブに割りが入っていて簡単に配線にかぶせる事ができる。
カチっとした配線ができるので配線保護材の中では一般的で一番使いやすいだろう。
中に入れる配線の太さや本数により太さがあるので適当なサイズを選択する。
また車では難燃素材のコルゲートチューブを使いたい。
スパイラルチューブ
管理人TomTomがラリー現役にもっともお世話になった配線保護材がスパイラルチューブだ。
名前の通りスパイラル(らせん)になっていて配線に巻きつけて使用する。
下の画像はホーンの配線を透明なスパイラルチューブで保護している例。
隙間があるので完全に保護するのは無理だが気軽に使用できるのがミソ。
スパイラルチューブにもサイズがあるので配線材によって選択する。
スパイラルチューブの特徴
らせん状になっているので途中から配線材を分岐させたりする事が自由自在にできる。
こういった状況ではコルゲートチューブよりも柔軟性のある使い方ができる。
様々な種類のスパイラルチューブ
スパイラルチューブには以下のような様々な種類のモノがある。
耐熱スパイラルチューブ
屋外用スパイラルチューブ:耐摩耗、対紫外線、耐候性
シールド付きスパイラルチューブ
車で使うなら最低でも耐熱のモノが良いだろう。
スパイラルチューブの難点
難点は長い配線だとスパイラルチューブを巻きつかせるのに手間がかかる事だ。
それにコルゲートチューブのように隙間なくということはできないのでそれを考慮する必要がある。
スパイラルチューブの意外な使い方
ラリー現役の時に管理人TomTomはスパイラルチューブをブレーキホースのゴムの部分に巻きつけてガード代わりとして使っていた。
本当に効果があったかどうかはちょっと疑わしいのだが飛び石でブレーキホースが破損する事への対策だった。
スパイラルチューブは半透明なので内部の様子が分かるので確認しやすい。
今考えると砂等がブレーキホースとスパイラルチューブの間に入り込み擦れて良くないと思う。
見栄えを気にするなら編組チューブ
例えば車のダッシュボード上とかに配線を這わす必要のある時にスパイラルチューブとかコルゲートチューブでは少々無骨だ。
そこで見栄えを気にするのであれば編組チューブというモノがある。
この編組チューブも様々な用途用に種類が豊富だ。
例えば難燃性のあるもの、シールド効果のあるもの、カーボンで編まれたもの等々があり用途により使い分ける事が可能だ。
また最小サイズと最大限に伸ばした際のサイズがあり中に入れる配線材により選択する。
編組チューブというだけあって端っこはバラバラとほつれてしまうので末端処理が必要となる。
この場合は熱収縮チューブ(ヒートシュリンクチューブ)で処理すると良いだろう。
この編組チューブは比較的見栄えが良くて配線材の保護もできるので見える部分には最適だろうと思う。
管理人TomTomもこの編組チューブをもっと活用しようと思っているところだ。
今回はこのへんで
では