新型シビックType-Rが早くも登場だが完全に路線が変わってしまったのが非常に残念

2016パリショーで新しいシビックType-Rが公開された。
現行のFK2シビックType-Rが正式に公開されたのが2014年3月のジュネーブショーだから2年7か月で早くも新型になった訳だ
発表されている画像を見て基本的にはFK2シビックType-Rのキープコンセプトという印象が強い。
FK2シビックType-Rが出るまでは時間がかかったがキープコンセプトとなったためにベース車の代替わりに連動して素早く出てきたという事なのだろう。
しかしベース車がどうにもこうにもオッサン車でいくらType-Rとはいえ全くカッコ良くないしType-Rの軽快な感じが感じれないのは非常に残念だ。
さっそく発表された新型シビックType-Rの画像を中心に見てみよう。

新型シビックType-Rのリア画像

FK2シビックType-Rから高級路線にスイッチしたシビックType-R

これは端的にターゲットとしているマーケットが日本では無くヨーロッパという事だろう。
それも中心となるCセグメントのスポーツカーに対してターゲットを絞っているからこうなると思う。

自動車メーカーのホンダとしても価格の安いセグメントで勝負するよりも、より利益率の高いセグメントで勝負したいところだ。
元々のType-Rの成り立ちである普通の大衆車をベースとした本格派のスポーツカーから脱却しプレミアムスポーツカーを目指しているように見える。
ホンダの事だから内容はそれなりに凄いがスポーツカーとしては大きく高級になりすぎた感がある。
しかしこれも時代の流れなのか・・・。

ベースは新型シビック5ドアハッチバック

ホンダにはCセグメントでスポーティーな車が元々存在しないのだった。
ヨーロッパでのラインアップを見ると一番小さいのはJAZZ(フィット)でその次がシビックになってしまう。
JAZZではさすがにコンセプトが違い過ぎてベースとしてはいまいちだ。

そこで先代のFK2シビックType-Rからはシビック5ドアハッチバックをベースとしている。
しかし悪いことにベースとなっているシビック5ドアハッチバックがイマイチな出来なのだ。
ノーマルのボディーでも各部に加飾が多くボディー自体のデザインで勝負できていない。
デザイン自体も目新しい試みは見当たらず凡庸な印象を受ける。
そうデザイン的な攻めが感じられないのだった。

新型シビックの5ドアハッチバックのフロント画像

新型シビックの5ドアハッチバックのサイド画像

新型シビックの5ドアハッチバックのリア画像

新型シビックType-Rはそれなりに凄味のあるデザインだが

新型シビックType-Rはベース車がこんな具合だから全体的にパッとしない印象なのだ。
各部はそれなりにスポーティーで高性能な印象を受けるのだが全体的なデザインだけはどうしようもない。

下は新型シビックType-Rのフロント画像だがパッと見スバルのインプレッサのようでもある。
前面は開口部だらけという印象。
ボンネットの形状が角が張り違和感のあるデザインとなっている。

新型シビックType-Rのフロント画像

この角度から見るとフェンダーは左右に張り出しているのが分かる。

新型シビックType-Rのフロント上方画像

この角度からだとボンネットの分厚さが良く分かるが低く見せようという努力の跡がうかがえる。
ボディーサイドの抑揚はほとんど無く最近流行の彫りの深い造形では無い。
なんだか何世代か前のホンダ車へ先祖がえりしたような印象がある。

新型シビックType-Rのフロント画像その2

サイドから見ると大きなウィングが少々取ってつけた感がある。
タイヤホイールは20インチの245サイズらしい。
フロントフェンダーの後ろにはエアアウトレットが見える。

新型シビックType-Rのサイド画像

フロントブレーキキャリパーはブレンボのようだ。
タイヤの扁平率の低さが非常に際立っている。
ヘッドライト下のフォグライト部分はメッシュ模様のパネルとなっていてエアインテークにはなっていない。

新型シビックType-Rのフロントホイール部の画像

後から見るとルーフの後端の左右に突起が見える。これはなんだろうか?
リアウィングは現行よりは少し大人し目か?
マフラーはセンター3本出しだが真ん中は細くなっているので通常の排気とは別の用途かもしれない。
それにしてもわざわざ赤で塗り分けているところがなんともである。
リアフェンダーはオーバーフェンダーのようになっていてあまりカッコ良くない。
ノーマルモデルと同じくリアタイヤの後ろには樹脂の部分があるが開口していない。
デザイン以外に何か意味があるのだろうか。

新型シビックType-Rのリア画像

カッコ良いスポーツカーを作ろうと思ったらベースもカッコ良くないとあかん

今回の新型シビックType-Rについては現行のType-Rよりもデザイン的には後退したと思う。
あまりに大味すぎて精緻なスポーツカーという印象が全く無い。
これはアメリカではまだ良いかもしれないがヨーロッパのライバルと比較するとデザイン面では歯が立たない。

2016パリショーでの新型シビックType-R

新型シビックType-Rの性能については発表はないが現行よりもスペックは上回ってくるだろう。
ホンダの事だからスペック的にも実力的にも素晴らしい内容を持っていると予想できる。

内容は良いのにデザインが非常に残念だ。
いっそのことベース車の呪縛から逃れるためにType-R専用ボディーを作ってしまうというのは無理なお話しだろうか。
そうしたほうが息が長くカッコの良い高性能車が作れると思うのだ。
現に国内ではS660のような尖がった車もあるではないか。

今回はこのへんで
では