トヨタが「TGR Vitz CVT」で全日本ラリー選手権JN3クラスに参戦すると発表した。
管理人は2ペダル車もモータースポーツできるだろうし、これからのスポーツカーは2ペダルが主流となっていくと思っている。
そういう意味では管理人は2ペダル車を今までは積極的に乗ってきたのだった。
しかし現実はどうだろう?
モータースポーツの世界では2ペダル車の比率は極端に少ない。
これはハッキリ言って勝てないし面白くないからだ。
そのへんの事情を考えてみた。
toyotagazooracing.com
管理人の乗ってきた2ペダル車
管理人TomTomは20代の頃ラリーに参戦していたことは以前に書いた。
その時乗っていた車はTE71、KP61、EP71と当時の定番の車でもちろんMT車だ。
当時はラリーに参加するのに2ペダルは選択肢になかったのだ。
これは今でもそうだろう。
誰でもそうだと思うが競技の場合は勝てる車を選ぶだろう。
競技ではなくサーキットへ走りに行くような場合は事情が異なる。
これはもう個人の趣味の領域だろう。
MTでも2ペルでも本人が良いと思って楽しく走れるのなら全く問題ない。
管理人TomTomの乗ってきた車の中で走って楽しいコンパクトカーで2ペダルだったのが次の2車だ。
- シトロエン C2
- NCロードスター
シトロエンC2は今で言うシングルクラッチのセンソドライブという2ペダルだった。
中身はMTだからトルコンスリップもなくパドルを操作するとシフトダウンの時には生意気にもブリッピングをして気持ちのよいドライビングができた。
NCロードスターは皆さんご存知の車だが管理人TomTomはトルコン6ATを選択した。
さらにこのNCロードスターにはマツダスピードのLSDを奢ったのだった。
というのは管理人TomTomはNCロードスターでサーキットを走ってみたかったのだ。
しかしイロイロと事情があって2ペダルしか選択できなかった。
そこで2ペダルでも走れるようにLSDを導入したのだった。
この選択が当たってNCロードスターは走って楽しい車に仕上げることができた。
NCロードスターの2ペダルはよくできていてシフトアップはMTのようにカチっと決まる。
惜しいのはシフトダウンがちっとも面白くないことだった。
他にゴルフ5GTIピレリもDSG(ダブルクラッチ)の2ペダルだったがあまり管理人TomTomの感性には合わなかった。
走って楽しい2ペダルの可能性
現在、走って楽しい2ペダルの車というとかなり限定される。
これはその車自体もそうだがミッション形式に左右される部分が大きい。
現在のところの理想はダブルクラッチのミッションを積んだ車だ。
これならスリップのないダイレクト感を味わえるし、シフトダウン時のブリッピングも得意科目だ。
それにシフトアップにしてもシフトダウンにしても人間が操作するよりも早く正確にギアを変えることができる。
こうした状況だったのだがトルコンATもかなり性能を上げてきている。
日本では2007年に登場したレクサス「IS F」からだろうか?トルコンATでも制御技術が進化しシフトダウン時にブリッピングしてスポーティーになった。
最近のトルコンATはかなり早い段階からロックアップされるので十分にダイレクト感がある。
一方CVTはどうだろう?
残念ながら管理人TomTomはCVTの車で楽しいと思ったことは無い。
どうにもこうにもあのニュルとした感覚が合わない。
先日試乗してみたスバルのインプレッサ スポーツもリニアトロニックと呼ばれるCVTだった。
かなりCVT色を薄めてはいるが完全に消えているわけではない。
個人的には気に入らないのだった。
CVTの場合はその機構的な特徴からニュルっと変速していく(無段階)のが最大の特徴だ。
加えてスリップが無いので効率が良いので素晴らしいミッションではある。
いっそのこと変速を固定化して通常のトルコンATのような変速にしてはどうだろう?と思う。
CVTでモータースポーツ!?
やっとここから本題に入れる。
トヨタが発表した「TGR Vitz CVT」で全日本ラリー選手権JN3クラスに参戦ということだ。
簡単に言えばCVTのヴィッツで全日本ラリーにエントリーするが、CVT自体は競技に合わせてチューニングを施すということだ。
実はこのトヨタの試みは2016年の全日本ラリー選手権第9戦新城のJN3クラスに勝田貴元選手がドライバーとしてエントリーしてすでに始まっていた。
この時の結果は1日目が2位、残念ながら2日目でコースアウトしリタイアという結果だった。
リタイアとなったがかなりの速さを見せているのは凄いことだ。
CVTをどのようにチューニングしたのかは不明だがやればできるという事だ。
今まで自動車メーカーが本気にならなかっただけなのだ。
rallyplus.net
ベース車がコンパクトで安価なヴィッツだから新たにミッションを開発するわけにも行かずCVTを使うより方法はないだろう。
CVTをチューニングすると言っても機械的な機構は基本的に触ることが難しいだけに制御の変更が主なチューニングだと思う。
2016年の全日本ラリーの実績を見ればかなりのポテンシャルがあることが分かる。
だがドライビングはかなり難しいのではないか?
果たしてプロではなく一般人にも操作できるCVTになるのだろうか。
一番心配なのは気持ちのよいミッションになるのか?ということだ。
今回の「TGR Vitz CVT」はCVTの制御だけではなく他にも手が入っているようなのだ。
というのは一般市販車ではアクセルとブレーキを同時に踏むとブレーキを優先する仕組みが入っている。
これをブレーキオーバーライドシステムと呼んでいるが、ペダルの踏み間違いに対するフールプルーフ機構となっている。
しかしこれが2ペダル車のスポーツ走行には大いに邪魔でエンジンを高回転に保ったまま車速調整ができない。
どうも「TGR Vitz CVT」はこの仕組を切ってあるようだ。
競技で勝利を得るという目的だけであれば乗りにくいCVTでもかまわないだろう。
だが市販を前提とした試みであるなら乗りにくいのはダメだ。
それにドライビングが気持ちよくなければならない。
トヨタとしてはこのあたりにある程度めどが付いているのではないかと思うのだ。
でもやっぱりMTが楽しい!
管理人TomTomは最近S660を手に入れ、ふたたびMT車に乗り始めたのだがこれが楽しい。
MTの操作は至福の楽しみ
コキっとしたミッションをゲートに沿ってそっと次のギアに入れる作業は至福のひとときだ(大げさだが)。
調子が悪い時は次のギアに入る瞬間にギアとギアが噛む感触があって生き物のようだ。
調子の良い時はゲートに沿って次のギアに入る時にスパっと入り何とも言えない感覚なのだ。
調子が良いとか悪いとかは車とドライバーの両方のことだ。
それにMTに再び乗りはじめてわかったのだがMTは慣れてしまえばそれほどしんどくない。
ひどい渋滞ではやはり疲れてしまうが、それ以外なら特に問題はない。
S660に乗り始めた当初はMTでやっていけるのか?と思ったものだがそれは杞憂に終わった。
やっぱりMTは楽しい。
2ペダルの次の段階はなんだ?
CVTを競技で使用して速さを兼ね備えるようになると競技での目的はある程度達したことになる。
だが市販を目指すのならそれでは不足だ。
次はCVTでは実現ができないのかもしれないが2ペダルのミッションでMTのようなシフトの楽しみを得ることだ。
MTなら次のギアに入れる時に上手く入ったとか、スムーズに入ったとかということが分かる。
MTの楽しみはこのあたりにあると思う。
それを2ペダルで表現できればよりドライバーの満足度も上がると思う。
果たしてこんなことができるのだろうか。
人間の欲望なんて果てがないのだ
趣味の車に対するこうした要望と言うか求める事は多い。
競技で速いに越したことはないのだが所詮スペシャルマシンだし市販車とは全く異なる。
市販車が走って楽しいというのはこうした競技でのノウハウを市販用に焼き直していかにうまい味付けをするかにかかっている。
面白いミッションの2ペダル車が出てくることを期待してみよう。
今回はこのへんで
では