「A.i.R.」をやっとのことでS660に取り付け、暫定だがポジションを出してみた。
そうなると走りたくなるのが人情というものである。
さっそく早朝から点検のためにノーマルに戻していたタイヤホイールからツーリング用のタイヤホイールセットに大汗かきながら履き替えた。
今回は京都府の北部から日本海沿いを兵庫県北部まで一回り「A.i.R.」のシェイクダウンに走ってみた(舞鶴、宮津、豊岡)。
「A.i.R.」で走ってみての第一印象としてはダイレクト感が増し身体をシートにすっかり預けることができる。
難点は振動をモロに伝えてくるので何らかの対策が必要かもしれないということだ。
そんな「A.i.R.」のファーストインプレッションを書いてみた。
意外と手こずった「A.i.R.」の装着
「A.i.R.」の取り付けは昨日書いた記事のとおりだが意外と手こずってしまった。
今回で手こずったのはやはりポジション出しとS660の狭さというところだろう。
S660の室内空間は本当にミニマムで左右も前後もキチキチの寸法となっている。
管理人TomTomはこれほど室内サイズにシビアな車は初めてだ。
それほどS660の室内はキツキツのカツカツの状態となっていると改めて感じた。
このため何度も試しに装着と調整を繰り返してちょうど良い位置(左右位置)を探った。
それから自分の体に合わせるためにシート自体の高さや傾きを調整したのだった。
まずまず満足できるポジションが出たので、これで走ってみようと思ったわけだ。
シートを変えると視線もペダルとの位置関係も変わる
当たり前だがシートを変更すると自分が座っている位置等が変わるのでペダルとの位置関係も変わってしまう。
平たく言えばペダルを踏みつける足の角度が異なる。
「A.i.R.」を導入したのでシート自体の座り心地はもちろんだが、こうしたペダルやその他のコントロール類、さらには視界の問題までも関係してくるので極端に言えばまったく違う車に乗っているようになる。
今回特に白かったのは視線が下がったことによる影響だった。
「A.i.R.」に収まって外を眺めるとかなりいつもと様相が異なる。
やはり低いのだ。
ステアリングの上端に隠れて今まで見えなかったタコメーターの上が見えるのだ。
体感上ではノーマルシートから合計40mmダウンと言ったところだろう。
管理人TomTomの場合はノーマルシートをすでに20mmダウンしていたので、そこからは20mmダウンということになる。
町中を走る機会が多いのならあまり下げすぎない方が良いと思った。
車の近くがまったく見えなくなるからだ。
例えばコンビニの段差が見えないので要注意だろう。
シートの傾きと足の関係について個人的に思うこと
ラリー競技に参加していた若い頃は非常に寝たポジションを好んでいた。
極端な表現だが、シートが寝ているためにステアリングホイールに手が届かずステアリングホイールの下半分で操作していたような感じだった。
よくそれでダートを走れるものだと言われそうだが本当にそうだったのでしょうがない。
それが年を食ってから最近では立ったポジションを好むように変化してきた。
これは体力的なものなのか、腰が楽になるというものなのか、視線位置から来る視覚的なものなのか、ハッキリした事は分からない。
今回も「A.i.R.」を導入してみて感じたのは、シート自体が結構寝そべっている形状となっていて個人的には限界に近い寝そべり方だということだ。
管理人TomTomとしてはこれ以上寝そべったフルバケットシートなら「A.i.R.」はやめてたかもしれない。
できればもう少し起きていたほうが良いのだが、まぁ慣れればなんとかなるだろうと思っている。
シートの前端部の様子はあまり角がなく膝裏を圧迫しない。
シートの中には膝裏を圧迫するような形状のモノもあるが「A.i.R.」はそういう形状ではない。
ただこれはペダル位置との相対的なものだ、さらに言えばフロア高さとペダル位置それにシートの位置関係だ。
それにはフロアマットが大いに関係してくる。
というのはフロアマットが分厚いとその分踵位置が高くなり膝の曲がりが浅くなる。
管理人TomTomは大のゴムのフロアマット好きだが、現在装着しているEZクリーンマットは見てくれは良いのだが分厚くてあかん。
これでもう少し薄く仕上がっておればバッチリだ。
ということで現在はフロアマットが分厚いのでペダルと踵、膝の関係がシックリと来ない印象なのだ。
こうした外品のゴムのフロアマットはカッコは良いのだが固定方法がプアで不安が残る。
カッコよいS660用の純正ゴムのフロアマットをホンダが作ってくれないだろうか、切に希望する。
S660に「A.i.R.」を装着して走ってみたらダイレクト感がいっぱい
管理人TomTomは今回「A.i.R.」を装着して400kmほど一気に走ってみた。
その感想の内容は次のようなことだ。
- ポジションダウンによる頭上のクリアランスの確保ができた
- 視線が下がったことによるスポーティー感が高まった
- 左右のホールドはこれくらいで良い
- 身体を全面的にシートに預けることができる
- フルバケットシートならではのダイレクト感がいっぱい
- 乗り降りは苦しくないが慣れが必要
ポジションダウンによる頭上のクリアランスの確保ができた
今まで気になっていたのは頭上のクリアランスだった。
少し速い速度でギャップに突入すると身体が浮いて頭を天井(正確に言うとタルガのバーの部分)にぶつける。
これが大いに気になっていたのだった。
20mmくらい落ちているのでこれは具合が良い(旧人類的体型のつらさ)。
視線が下がったことによるスポーティー感が高まった
やはりドライビングする際の視線は低いほうがスポーティーだ。
だが一般公道を走る以上限界があるし安全にも気を配る必要がある。
そういったところの妥協点としては良いのではないだろうか。
コレ以上下げるときっと実用性に難が生じるだろう。
左右のホールドはこれくらいで良い
S660のノーマルシートで気になっていたのはこの部分もあった。
実はS660のノーマルシートのサイドサポートは左右対称ではない。
左側が小さくなっている、だからシートセンターに座るとちょっと違うのだ。
S660はドライビングシートの左側に座らないと設計者が意図した座り方ではないのだろうと思う。
これは最近発見したことだ。
S660のノーマルシートはこうしたことが不満だったが、「A.i.R.」はもちろんセンターに座ることができる。
左右の収まりは大変良い、適度なクリアランスがあって圧迫する感覚は全く無い。
だからといって左右に大きすぎず収まりが大変良い。
身体を全面的にシートに預けることができる
当たり前だがフルバケットシートは過酷な状況の時も含めて身体を預けられる事が必要だ。
「A.i.R.」は競技用というヘビーデューティーな仕様ではないが身体を預けることができるフルバケットシートだ。
預けてしまうと縦横のGはフルバケットシートに任せてドライビングに集中することが可能となる。
この点が大きい、格段にドライビングが楽になる。
フルバケットシートならではのダイレクト感がいっぱい
フルバケットシートのシェル(骨格)は樹脂でできた剛性の高いものだ。
今回S660で走っていてかなりのギャップに突っ込んでしまい意図せず車が暴れたことがあったがその際でも「A.i.R.」はまったく問題なかった。
「A.i.R.」のシェルの剛性面は非常に高く信頼性が高いと感じた。
それだけに身体に伝える路面からの振動はノーマルシートよりはかなり多い、体感的には1.3倍くらいか。
特に腰あたりに伝わる振動が多くて慣れるまでは疲れる。
もう少し乗ってみて慣れなければ何か振動吸収するようなジェルのようなモノをいれても良いかもしれない。
乗り降りは苦しくないが慣れが必要
管理人TomTomのS660はほぼ弾丸ツアー用の車と化している。
平たく言えば競技に出るわけでもなく、サーキットを走るわけでもなく現在はツーリング用の車だ。
だから快適性や乗降性は大いに重要だと考えている。
「A.i.R.」の場合の乗降性はフルバケットシートとしては非常に楽な部類だろう。
身体が重くて固い管理人TomTomでもサイドシルに手をつくくらいで降りれる。
反対に乗り込む際には先にお尻を落とし込んでから足を収めるとなんとかなる。
「A.i.R.」の場合はもっと楽か?と考えていたが、そこはやはりフルバケットシートある程度の不便さは受け入れなければならない。
S660にの導入は成功だったか?
管理人TomTomの場合は現在のところS660に「A.i.R.」の導入は成功だろうと考えている。
いかんせんS660のノーマルシートが少し特殊過ぎると思うのだ。
左右が非対称で座ることが難しいノーマルシートはなかなか難しいし中途半端な印象だ。
「A.i.R.」の場合は安心してドライビング中の身体を預けることができる。
フルバケットシートが故の疲れ具合はそれほどでもない。
前日に夜遅くまで取付作業を行っていたせいでシェイクダウン時には結構ヘロヘロ状態だった。
もう少しポジションを出して乗り込んだらかなり満足できるものになるだろうと思う。
このあたりはまた報告してみたいと思う。
総走行距離:394.6km
燃費:23.5km/L
時間:06:30~20:00
今回はこのへんで
では