コテコテなのか?サラりなのか? クルマとの付き合い方を考えてみる

管理人の元に1通のメールが飛んできた。
メールの主は21歳の若者からで、新しい車をサラりといじるか?、それとも少し古い車をコテコテにいじるか?、どちらが良いだろうか?、という内容だ。
非常に面白いテーマだと思うので、さっそく題材として自分の考えを書いてみようと思った。

クルマに求めること

まず、クルマに何を求めるのか?という永遠のテーマがあると思う。

見ているだけで楽しい、という人もいるだろう。
クルマは走ってなんぼという人もいることだろう。

管理人TomTomの場合は、これまた欲張りだ。
ガレージでは、クルマをながめて、そのラインに涎をたらしてみたりもする。
ある程度メカも自分でいじりたい。
そして、なんといっても走って楽しいということが一番重要だと思っている。

管理人TomTomの場合は、これまでイロイロなクルマに乗ってみたのだが、やはり走らせてなんぼというところに落ち着いている。
もちろん身の丈に合ったということも重要で、大いに背伸びをして購入したが、もったいなくて走らせることができないということもあるだろう。
経験上、そうなると本末転倒と思う。

さらに、最近では日産スカイラインの歴代GT-Rの価格が非常に高騰しているように、投機目的や希少価値を求める向きもあるだろう。
事業用途で利益調整のために、かなり面白い車をリースを組んで社有車として使用するということも、よく使われる方法だと思う。
管理人TomTomのまわりでも、こうした使い方の人が何人かいる。

GLION MUSEUMの屋外にあるスカイラインその1

またクルマを維持するには資金力も必要だ。
管理人TomTomの場合は、途中に資金難の時代があり、自分用のクルマを持つ余裕が無かったということもあった。
そのクルマに何年乗るつもりなのか?ということも頭に描かねばならない。

きっと、人それぞれクルマに求めるものが異なると思う。
だから自分がクルマに何を求めるのか?、そしてどんな使い方をしたいのか?ということをじっくりと考えてみるのも良いだろう。
そして、いちばん重要なことは、そのクルマを大好きだ、ということだろうと思う。

メインの使用なのか、サブなのか?

単純に使えるクルマが複数ある、という状態だと気難しいクルマを所有していても気が楽だ。
サブであれば、多少故障しようが、メンテしようとリジットジャッキに1周間や2週間乗せたままでも気にならない。

だが、メインでの使用となれば、クルマが動かないと買い物や通勤通学に行けなくなってしまい生活に支障が出る。
特に古い車は、不動になる可能性も高いので、こうした事は大いに気にかける必要がある。

管理人TomTomの場合は、S660がサブでの使用だが、不動になっても全く支障がない。
しかし、クルマをいじることは大好きなのだが、不動になるのはできるだけ避けたい。
別に人生を生き急いでいるとは思わないが、ココへ行こうと考えた時に時間を無駄にしてしまう事を避けたい。
また、身体の動くうちに、やれることをやっておきたいという事もある。
これは年寄りの考え方だから若い人には関係がないかも知れないが…。

S660とBRZのツーショット、2代とも白になってしまった

雨でも乗りたいのか?

実はこの問題も大いに重要だと思っている。
管理人TomTomは、何度か書いているがウェットのドライビングが大好きなのだ。
だから、雨の日に乗れないクルマは嫌だ。

今まで乗ったクルマは、基本的に雨の日でもガンガン乗れるクルマばかり。
オープンカーでもハードトップ等を装着し、雨でも問題なく乗れるという状態にしてきた。

古いクルマだと、雨の日に乗るのが気が引けることもあるだろう。
錆びてしまうとか、雨漏りしてしてしまうとか、電装系に影響が出るとかということも考えないといけない。

もっと贅沢言うと、メインとサブ、晴れと雨、という基準でクルマを所有している人も多い。
クラシックカーの範疇に入るクルマを所有していると、こうしたことは避けては通れない。

管理人TomTomは、雨でもガンガン走れるクルマが好きだ。

お金と手間はかかってもよいのか?

前述のようにクルマを維持しようとすると、様々なコストが必要だ。
特にクルマが古くなると、任意保険料や税金の問題がついてまわる。
保険料が高いから、任意保険に入らないということではクルマに乗る資格は無い。

またパーツを集めるのにも金がかかる。
EK9やS2000(AP1)、DC2/DB8などでは、そろそろ入手が困難になってきたパーツが出てきている。
それに備えて、ある程度のスペアパーツや消耗品をストックしておかなければならない。

古い車だと、調子が悪くなったり、消耗パーツを交換するのにすぐに主治医に入庫させるということで金がかかる。
それを少しでも節約するために、自分でパーツ交換をできるようになる事も重要だと思う。
出先で調子が悪くなったら、まずは自分で修理を試み、どうしてもダメならクルマ屋さんに駆け込むということになるだろう。
そういう意味では古い車に乗るのであれば、ある程度自分でいじれるということが必須だろうと思う。

管理人TomTomの場合、S660は軽自動車ということもあり、できるだけ自分でやるということにしている。
S660で軽自動車は初めて乗ったわけだが、各パーツが小さくて軽くて、自分でいじるには非常に楽チンだ。
もちろん、クルマいじりは基本的に非常に楽しいということが根底にある。
そして、クルマ弄りにはできる限りお金をかけないで、走る方に回したいと思っている。
それだからナビ等々の電装品も自分で装着するし、軽い整備くらいは自分でやることにしている。
だが、廃油処理が面倒くさいオイル交換はディーラーさんにお願いしている…。

パーツは入手可能なのか?

クルマの維持をしていく上で、パーツの入手は大きな問題だ。
そもそも、パーツがなければ走ることができないし、クルマを維持していくことができない。

生産終了になったパーツのストックを探しまくる、という手間も必要だろう。
どうしても見つからない時はワンオフで作ってもらう、ということも考えないといけない。

やはり古い車はここでもお金と手間がかかる。
それでも、そのクルマに惚れ込んで、どうしても維持していくという決心が必要になる。
管理人TomTomは、ある程度パーツが入手できるギリギリのラインの古いクルマは欲しいと思っている。
例えば、1990年後半のカローラGTセダンだとか、インテグラType-Rの4枚ドア版DB8とかだ。
だが、まだ決心が付かないし、維持していく自信がないというのが本音だ。

だから、こうした古い車を所有して、普段乗りできる状態に維持できる人を尊敬してしまう。
当ブログに出てくる管理人TomTomの友人のEK9乗りも、EK9の維持にかなりの金額をつぎ込んでいる。
さらに驚くべきことに、EK9のほかにS2000も所有しているのだ。
この2台を所有して、キチンと動く状態(サーキットを走れるくらい)に維持することは並大抵ではない。

現在のEK9を横から見たところ
友人のS2000をマイガレージに収めたところ

自分の意思を貫き通せるのか?

最近ディーラーの営業マンとお話をしていて、新車購入し納車時に足回りを変えてしまう顧客がいると嘆いていた。
管理人TomTomとしては、これには大いに共感できるものがある。

というのは、最近のクルマは新車であっても昔の車のようにヘボいところが少ないと感じている。
走るキャラクターのクルマなら、ノーマルでもある程度は走れるようなセッティングになっていることが多い。
昔のクルマは、そうではなかった。
ノーマルでは、まったく走れなかったのだ。

自動車メーカーの考え方も変わってきている。
最初からある程度、エンスーなユーザの好みや趣向を反映した内容となっている。
管理人TomTomが乗っているS660でも、足回りやドライブトレーンはまったくノーマルだ。
すでに導入から1年半が経過し、14,000kmを走ったが、ノーマルの限界はいまだに見れないでいる。
そのクルマの設計思想やら、味付けやらをじっくり味わいたいと思う。
でもブレーキだけは限界が来てしまったが…

だが、そんなことは人それぞれだと思うので、管理人TomTomのたわごとと思っていただければ良い。
納車日に車高調を入れようが、ECUを書き換えようが、それは好みの問題だ。

しかし、クルマを味わうということは一朝一夕ではできない。
クルマとの「濃密」な時間を過ごす中で、もう少し行ける?、とクルマと対話しながら感じるものだと思う。
そして少しづつセッティングを施したり、パーツ交換したりして、好みの感触に育て上げるという事が必要になる。
だから、そのクルマを味わおうと思うと、ある程度の時間がかかる。

その間に自分の車に対するポリシーを貫くことができるようにしなければならないと思っている。
自分の意思がブレてしまうと、クルマを味わうどころか、所有すらできなくなるかもしれない。
お金や手間も必要だが、自分の意思を貫き通せるか?、ということが必要だろう。

2017年1月にS660で行った紀伊半島弾丸ツアー

クルマは自分のポリシーだと思う

クルマは実用品ではあるが、クルマ自体は非常に趣味性の高いものだ。
トヨタの社長さんが、愛車という「愛」が付く身の回りのモノは他にないとおっしゃったが、そのとおりだと思う。

だから「その人となり」がクルマに出ることが多い。
一見してヤバそうと感じるクルマがあったり、非常にきれいで手入れが行き届いていて渋いという車もある。
そうしたところに自分のキャラクターが反映されているということでもある。
これは面白くって、今まで遭遇した趣味の世界のクルマ好きには、大いに当てはまるものがある。
簡単に言うと、服の趣味のようなものだろうか。

管理人TomTomの場合は外観ノーマル派だ、できるだけ目立たないようにしたい。
狙うのは、羊の皮を被った狼というところだろうか、といってもクルマがS660なので狼ではなく猫、いやネズミくらいだ(苦笑)。
それに、軽自動車で非力ということもあり、できるだけ余分なパーツは付けない、重量を増やしたくないのだ。
だから必要最小限でシンプルな成り立ちをポリシーとしている。
そして自分の乗るクルマとしては、大人としての対応をしたい。

当たり前だが、クルマをドライビングするのは人間だ。
クルマだけ高性能であっても、ドライビングスキルが無いと楽しくないしカッコ悪い、周りにも迷惑だ。
だから、自分のドライビングスキルも向上させないといけない。
そうした努力なしに、クルマを楽しむというのは無いと思っている。
もちろんこれは自動運転なんかのことではなく、自分でドライビングするクルマのことだ。

「Alpine A110 Première Edition」の外観フロント
renault.com

クルマ弄りで不幸せにならないために…

最後に、管理人TomTomがラリーにのめり込んでいた時期に二回りほど年上の先輩から言われたことがある。
それは、ラリーに決してのめり込むな、というものだった。

なんせクルマ趣味、特にモータースポーツはお金がかかる、ラリーだって例外ではなかった。
管理人TomTomの場合は、完全なプライベーターだったので、車両代とは別に年間にかなりの額の資金が必要だった。
今考えれば、稼ぎのほとんどをつぎ込んでいたように思う(時には借金もしていた)。

のめり込むな、という言葉は非常に意味深長だ。
のめり込む前なら良いのか?、というとそのとおりだと思うのだが、余裕を持って事に当たれという事だと解釈している。
だが若い頃というのは、稼ぎもそれほど多くないし、他にもしたいことがあるだろう。
そうした事とバランスを取れるような状態が良い、という解釈で良いと思うのだ。

当時、その先輩はラリーにのめり込みすぎて家庭を壊し、ええ年なのにバツイチの独身だった。
自分の経験からのアドバイスだから重みがある。
管理人TomTomは、その当時独身だったが、どう感じていたかと言うと、余計なおせっかいと思っていた。
だが、今考えてみると、そのとおりだと思う。

こんな事も時には考えてみてはどうだろう。
自分で結論を出すしか無いのだろうと思う。

今回はこのへんで
では