雨の日のS660でのドライビングは楽しい かなり悪コンディション下でのアジャイルハンドリングアシストの動き

管理人は雨の日のドライビングが大好きだ、この週末の日曜日、関西地方はかなりの大雨だった。
そんな中、六甲山をS660で縦走してきて改めてアジャイルハンドリングアシストの動きを感じてみたので記録したい。
低ミューの時にそのクルマの基本的な動きがわかる。
そしてこうしたクルマの動きを積極的に楽しみたいと思っている。
さらに悪天候時にこうしたドライビング補助機能があることは非常にこころ強いことだと思う。
そんな事を書いてみた。

雨が降るとワインディングを走りたくなる

管理人TomTomの場合は一般の人とかなり変わっていると思う。
なんせ雨が降るとワイディングを走るのが楽しくてしょうがないのだ。
こんな事を考えているのは、管理人TomTomをはじめごくごく一握りの変わり者に限られるのだろう。

滑り出すかどうかのギリギリの領域が特に面白い。
それにこうした低ミュー路ではS660のプアなブレーキもそれほど問題とはならない。

なんと言っても、こうした低ミュー路ではクルマの絶対的な重量がモノを言う。
重い車だと慣性が大きく、そのコントロールに骨を折るが、軽い車だと慣性に悩まされる事は格段に少ない。

フロントタイヤのギリギリのグリップを探りつつ、リアタイヤの滑り具合をアクセルでコントロールしながらのドライビングはスリリングで秘密の楽しみでもある。

今回は、かなりの悪天候でひどい雨だった。
ワインディングではところどころ川のような水の流れが路面を横切り、ともすればハイドロプレーニングを起こすようなコンディションだった。
当然、こんな路面なのでグリップレベルも相当低くて、ラフな操作ではフロントやリア問わず、すぐに滑り出してしまう。

そんなコンディションだったので、ホンダ自慢のアジャイルハンドリングアシストの働き具合を、ハッキリと感じることもできた。

低ミュー路にはそのクルマの素性が現れる

低ミューの時にそのクルマの素性が現れるのは承知のとおりだと思う。
タイヤのグリップに支配されたドライの走りに対して、低ミュー時の走りはクルマの総合的なバランスが大いに影響する。
S660では小さいながらもミッドシップということもあり、ドライとはかなり異なる性格を垣間見せる。

具体的に言うと、きちんとフロント荷重を意識しないと容易にアンダーステアを出してしまう。
管理人TomTomのS660の場合はリアを15インチ化し、1サイズ細い185/55R15のサイズとしているので総じてリアハッピーなクルマになっている。
さらに、現在履いているタイヤはツーリング用セットのダンロップのルマンⅤで普通のタイヤだ(ウェットグリップ性能はフロントc、リアbであまり良くない)。

つまりコーナーアプローチでは確実に荷重をフロントに乗せてステアリングを切り込まないといけない。
コーナー途中でのアクセルワークは慎重に、かつ丁寧にアクセルを開けてやる必要がある。
S660は非力なミッドシップマシンだが、こうした低ミュー路ではラフなアクセルワークで容易にリアが滑り出すことになる。

思うに、こうした低ミュー路の場合、ドライグリップを追求したS660のノーマルタイヤでは非常にピーキーとなりコントロールが難しい。
特にリアは195/45R16というサイズでウェットのことを全く考慮していないように思える。
滑り出したら修正がかなり難しい。

今回は、たぶん今までS660に乗ってきて、一番グリップレベルが低いコンディションだったかも知れない(雪を除いて)。
こうしたコンディションの時のS660の挙動は、いっちょ前にミッドシップのそれだった。

アジャイルハンドリングアシストが効いているのが手に取るように分かる

今回は、かなりグリップレベルが低くて、フロントもリアもズルズル状態だった。
少しオーバースピードでコーナーに入ってしまい、フロントがアンダー気味になるとアジャイルハンドリングアシストが動作しているのがよく分かった。

ドライや多少の雨ではこうしたアジャイルハンドリングアシストの動きがハッキリ分かることはまず無い。
それほどアジャイルハンドリングアシストの動きはよくしつけられており、ドライバーが意識することはほとんど無い。
だが今回は少々事情が違った。

特にアンダーステアが出そうな時、アジャイルハンドリングアシストが作用して軌跡が膨らまないようにコントロールしている様子が分かる。
断続的にコーナー内側のタイヤにブレーキ制御が入り、フロントを巻き込むような動きを見せる。
キュキュっと引き戻される感じといえば分かるだろうか。
特にコーナー途中のハーフスロットル部分でこの動きをよく感じることが出来た。
これほど顕著にアジャイルハンドリングアシストの動きを感じ取ることができたのは初めてだ。
ドライ路面では感じ取ることができないが、こうした低ミュー路ではドライバーの少しのミスをかなりアシストしているのがよく分かる。

S660のエンジンは中速域がトルクフルでかなり使える。
今回のような低ミュー路では、リアのグリップ確保のために早めのシフトアップを行い高回転まで回さないが、それでもグリップを失う場面が多かった。
そんな状況ではVSAが頻繁に介入しランプが忙しく点灯と消灯を繰り返す。
VSAが動作していたとしても、リアが唐突にブレークしてしまい修正しなければならない場面もあった。
VSAは決して万能ではない。

忠実に基本を守った上で最新装備を使いこなす

今回、かなり悪いコンディションのワインディングをS660で走ってみて感じたのは次のようなことだ。

  • いつでもドライビングは基本に忠実でなければならない
  • 丁寧な操作を心がける
  • 最新装備を使いこなす

というものだ。

いつでもドライビングは基本に忠実でなければならない

今回のような非常に悪いコンディションでも、ドライコンディションでも、ドライビングは基本に忠実であるということが必要だ。
十分なフロント荷重でステアリングを切り込み、フロントタイヤの能力を引き出すことが重要だ。

丁寧な操作を心がける

現代のクルマのドライグリップは非常に高いレベルにある(クルマもタイヤも)。
素人である我々が多少の無理をしても、なんとかなるレベルなだけに操作がラフになっていないだろうか。
低ミュー路では、ラフな操作をしてしまうととたんにシッペ返しを食らうことになる。
今回、管理人TomTomもラフな操作をしてしまいアンダーを何度も出してしまった。
こうしたコンディションの際に自分の操作がラフなのがよく分かる。

最新装備を使いこなす

VSAやアジャイルハンドリングアシストは基本的には非常時の装備であると考える。
ドライバーがミスをした時に、それをカバーする働きをする。
かつてのABSがそうだったように、これらの特性をうまく利用しながら走るのも現代のクルマのドライビングには必要だ。
ABSが出始めの時には制動距離を伸ばすだけで、スポーツドライビングには不必要という考え方があった。
だが今ではABSを働かせながら走るほうが速い時もある。
技術が進歩しているように、ドライビングも進歩させる必要がある。
VSAやアジャイルハンドリングアシストの活用は今後の課題だろうと思う。

悪コンディション時には余裕を持って楽しみたい

こうした悪コンディションの時には、ちょっとしたミスが大きく影響する。
それだけに余裕を持ってワインディングに望みたい。
路面やワインディングの状況は刻々と変わるので対応することが必要だ。

決して100%の力で走ってはいけない。
できれば60%くらいで、コーナ途中に倒木があっても避けれるくらいの余裕が必要だと思う。

今回の状況を思い返してみるとコーナー途中にある水の流れでハイドロプレーニングを起こしてしまうのが怖かった。
またコーナー内側に溜まった水で進路が変わってしまうこともあった。
こうした場面では単純に速度を落とすしか無い。

ドライでも今回のような悪コンディションでヘビーウェットでも余裕を持ったドライビングで望みたい。

今回はこのへんで
では