最近はクルマいじりが大変楽になった。
特にエンジン周りは、少し前なら敷居が高くて、ノーマルに戻せないとか、壊れてしまうのではないか、費用も高価だったりと心配事が多かった。
それが今はどうだろう?、ECUのチューニングは当たり前になり、より気軽にトライできるし、元にも戻せる。
さらにサブコンと呼ばれる、ECUに加えて使用するコンピューターもかなり安く手に入るようになった。
昔を知る人から見れば隔世の感がある。
管理人は基本的にノーマル派だが、S660については「もっさり」した高回転側が気に入らない。
パワーは無くてもよいが、フィーリングだけでもスムーズで、しっかりレッドまで回って欲しい。
そこで遅まきながらECU周りのチューニングに手を付けることにしたのだった。
そんな事を書いてみた。
基本に立ち返りS660に求めるものはなんだ?と考えてみた
今回ECU関係に手をつけるにあたって、S660に求めるモノはなんだろうと改めて考えてみた。
管理人TomTomがS660を購入する際に考えたことは次のような点だ。
- 1人乗りとして自分しか乗らないと決めて選択したこと
- 非日常な外観
- ストロークが長く良く動く足
- ボディー剛性がそこそこあること
- 6MTがあること
- ホンダのSシリーズに乗ってみたいこと
- 軽自動車ような感じがしないところ
この内容を思い返してみると、かなり一大決心をしてS660を購入したのがよく分かる。
面白いのはエンジンに全く期待していないことだ。
S660のエンジンについては、試乗した時もそうだったし、今でもそうだがチューニングエンジンの雰囲気を持ち合わせていない。
まったく普通の軽自動車のエンジンのような雰囲気なのだ。
実際にはNシリーズのエンジンから、かなり手が入っているようだが、そうしたことを感じさせないのが残念だ。
外観が特別であるのと同時に、エンジンにもう少し特別感のある演出が欲しかったところ。
例えば、軽く高回転まで回るフィーリングや、アイドリングが少しバラついたり、エンジン音がチューニングエンジンのような雰囲気がほしかったと思う。
古いお話だが、カルタスGTのエンジンはアイドリング(1,000回転くらい!)でバラついていてチューニングエンジン(ハイカム入りのような)のような雰囲気があったことを思い出した。
スムーズなことと速さは比例しないのか
ラリー現役のころ、先輩と同時にEP71スターレット2台をラリー仕様に仕立てたことがある。
その時の先輩は全日本戦にエントリーすることを前提にクルマ作りをしていた。
一方、管理人TomTomのEP71は地方戦にエントリーするためのクルマ作りをしていたものだ。
具体的にどう違うのかと言うと、ボディーの作りが全く異なっていた。
スポット増しを行ったのだが、先輩のボディーは純正スポット溶接の間に2個スポット増しを行う。
片や管理人TomTomのボディーは1個という違いがあった。
この違いはかなり大きくて、ドライビングしていると剛性感が全く異なる。
ボディーはこんな調子だったが、エンジンにも違いがあった。
と言ってもこの時代のラリー車は、エンジンはもとより、給排気系ノーマルでなくてはならなかった。
そこで先輩のEP71のエンジンは、一度バラして各部をバランス取りして組み直す、という手間のかかることを行った。
管理人TomTomのエンジンはもちろんノーマルだ。
この2台を乗り比べてみると大変面白かった。
先輩のEP71は振動が凄くて、エンジン回転につれて振動が大きくダイレクトに感じられるものだった。
この原因はボディー剛性が高く、エンジンマウントをより硬いものを使用していたからだろう。
片や管理人TomTomのEP71では、ノーマルよりはハードな感覚だが、先輩のクルマと比較するとノーマルのようだった(おかしな表現だ)。
もちろん、バランス取りしたエンジンはノーマルよりも軽く回るが、クルマ全体としては音や振動のせいでハードだった。。
こうしたことで、スムーズさで言うと管理人TomTomのEP71のほうが感覚的にはスムーズだったのだ。
しかし走らせてみると、まったく異なる性格となっていて非常に興味深かった。
特に先輩のナビシートに座ってドライビングを観察していると、目からウロコなことばかりだった。
エンジンの使い方を見ていると、レブまで回すことはあまりない、かなり手前でシフトアップし高いギアで走る。
乗り心地や音や振動は非常にハードなのだが、ドライビングは非常にスムーズだった。
それでいて管理人TomTomの2割増しのスピードとタイムを刻んでいたのには驚愕したものだ。
同じ車なのにこれほど異なるのだ…。
余裕のある現代のクルマのエンジン
現代のエンジンに余裕があるというのは語弊があるかも知れない。
余裕というわけではなく安全マージンだったり、規制をクリアするためのモノだったりするのかもしれない。
こうした余裕のようなものがあるために、その領域を狙ったECUチューニングが数多くある。
ECUチューニングは詳しくないが、ECUのマップをちょっといじることで高回転が嘘のように回るようになる。
市販のECUチューニングやサブコンは、こうした余裕がある部分のマージンを削る形となっている。
それにしても、これほどまでにECUチューニングが簡単にできるようになったのは凄いことだ。
理想を言えば、エンジンをいじるならエンジンの回転部分のバランス取りをしてECUをいじりたい。
回して楽しいエンジンにするためだ。
それには機械的なバランスがモノを言う、高回転まで回した時のスムーズさは回転部分のバランスが重要だ。
エンジンを弄るなら一緒にしたいこと
今回ECUチューニングをするにあたって、高回転側のスムーズさが欲しいのが第一だが、他にも実現したいことがある。
それは速度リミッターの解除だ。
S660は軽自動車なのにノーマルでも空力が良いのか速度リミッターに軽々と当たる。
高速道路上でも追い越し時に一時的にだが速度リミッターに当たる、これが実に邪魔だ。
サブコンではこの速度リミッターの解除はできない。
高回転時のスムーズさと共に速度リミッターの解除を狙うならフラッシュツールだ。
それにフラッシュツールなら、将来的にショップのECUマップを入れることもできる。
高度なチューニングは必要ないが、高回転域がスムーズに回り、速度リミッターが解除できればそれで良い。
こんな事を考えていると、やはりHKSのフラッシュエディターしか選択肢は無いのだった。
走るフィールドによって求められるエンジンのフィールは変わる
管理人TomTomが走る林道のような山岳路では絶対的なパワーは必要ない。
それよりも、ペダル操作に対してのレスポンスとリニアさが必要だと思っている。
先日、大雨の六甲山を走った際にもパーシャルスロットル時の微妙なコントロールが必要だった。
こうした微妙なアクセルワークに追従するエンジンが欲しい。
回転がスムーズだと言っても、高回転になると段付きでクルマがびゅーんと前へ出すぎるのも困りものだ。
そういう意味ではS660のノーマルエンジンは良く出来ていて、中速域のレスポンスに不満はない。
この良いところを伸ばすような感じのECUチューニングができればよいだろう。
これはドライバーの好みの問題でもあるし、走るフィールドによって異なることだから十人十色だろうと思う。
それをどうやって実現したら良いのか、どういったツールで実現できるのか、現代は選択肢がたくさんあって、価格も安くて便利な時代になったと思う。
これだからクルマいじりは楽しいのだ。
今回はこのへんで
では