先日サブコンか?フラッシュツールか?ということで悩んでいたと書いた。
その結果フラッシュツールを導入してみたので約400kmほど走り込んだ。
その印象は確かに変わっているのは変わっているのだが基本的には変わっていないというヘンな結論だ。
それは多分にS660のエンジンであるS07Aの特性であり、それを変えるのは容易ではないということだと思う。
そんな事を書いてみた
自分で簡単にできるフラッシュ作業
今回、管理人TomTomはHKSのフラッシュエディターを導入してS660のECUをPHASE2に書き換えてみた。
管理人TomTomの乗っているS660は給排気系は完全ノーマルで、もちろんレギューラガソリンを使用している。
手順としては、まずフラッシュエディターで自車のECU情報やノーマルプログラムを読み込む。
この後PCソフトを使用して初期化と呼ばれる作業を行い、ECU番号等々をフラッシュエディターに取り込む。
この後、内蔵している吊るしのデータ2種類が書き込み可能となる。
作業自体は非常に簡単で誰でもできるだろう。
読み込みや書き込み途中でトラブったらどうしようとか考えたが、すでに広く流通している商品なだけに問題はなかった。
書き込んだのはPHASE2
今回はHKSのフラッシュエディターに付属している2種のデータのうちPHASE2と呼ばれるものを入れてみた。
ちなみにPHASE1はノーマルと同じで速度リミッターのみ解除。
PHASE2は多少のブーストアップがなされたデータとなっているようだ。
元々S660のノーマルエンジンは中速域のトルクが厚くてレスポンスが良い。
ノーマルでも中速域を主体に使用するのであればかなり使いやすいエンジンだと思う。
ご存知の通りS660のエンジンであるS07Aのネックは高回転側で、一応7,000rpm以上回るには回るが楽しいフィーリングではない。
その原因は高回転時のエンジンの苦しげなふるまいにつきるだろう。
ノイズと振動が大きく、さらに回してもパワーがモリモリ出ているわけでもなく、ただ回っているだけだ。
管理人TomTomは、こうしたS07Aの特性から、今まで高回転域(6,000rpm以上)はギア比が合わない時のシフトアップ予備回転域と考えてきた。
今回のPHASE2の導入でこれが変わるのか?というのが一番の興味だった。
さらに、パワーやトルクは上がっても管理人TomTomが走るフィールドである山岳路でのレスポンスが失われていないのかという事も心配だった。
中速域のトルクアップはおおいに体感できる
S07Aの出力特性やトルク特性についてはショップや他の方が詳しく解説されているサイトが多いので触れず、あくまで管理人TomTomが感じたことを書いてみようと思う。
走りはじめてまず感じたのは3,000rpm手前から以前は聞こえなかったタービン音が聞こえることだ。
以前でもターボは効き始めているのだろうが、ブースト圧が上がりタービン音を出すようになったのだろう。
それに3,000rpmくらいでビューンと回転に加速がつく。
どうしてもブーストアップを多少でも行うと、効き始める領域でこうした段付きのような感触が出てしまうのはしょうがないことだろう。
今回走ったのは、京北エリアの山岳路を中心とした400kmほどだ。
いつものように林道のような酷道もあり、流れている地方国道もあり、街中もあり、という構成だった。
PHASE2のデータは、こうした山岳路でもレスポンス遅れはなく、ノーマルの良いところを残したギリギリのところだろうと思う。
試していないのに勝手に想像すると、これ以上ブーストを上げるとレスポンスや回転の伸び感に違和感が出るのではないかと思う。
きっとサーキットのようなフィールドであればPHASE2データはパワー不足だろう。
そういう意味では一般的に使用する領域のギリギリのところを突いたうまいセッティングだと思う。
山岳路のパーシャルスロットルではレスポンス遅れも気にならず(多少はある)問題ない。
中回転域(3,000~5,000rpm)のパワー感はわずかだが向上している。
逆に高回転域(6,000rpm~)については、ほぼノーマルと変わりない。
もう少し改善されるかと思っていたが期待はずれだった。
S07Aの素性によるものだろうと思う
今回走っていて思ったのは、S07Aエンジンは回してもダメということだ。
せいぜい6,000rpmまでで走るように心がければうまくトルクバンドに乗れる(回すとトルクバンドから外れる)。
6,000rpm以上はギア比が合わない場合のエマージェンシー用とすれば良い。
そういった意味ではS07Aは今どきのトルク型のエンジンだ。
これで思い出しのは昔乗っていたVWのゴルフ5 GTI ピレリのことだ。
このクルマに積んでいたBYDと呼ばれる直噴2Lガソリンターボエンジンはディーゼルのようなエンジンだった。
2.0Lから230PSと30.6Nmを絞り出していたのだが、高回転域がまったく使えない。
というか無い…。
一応6,500rpmからレッドゾーンだったが、5,500rpmから上はまったく使えないというか回らなかった。
だからほとんどの場合は5,000rpmで片付けてしまっていた。
それでも高トルクを利用して非常に速く走ることができた。
ここまでは我慢できたのだが、レスポンスが悪くてワインディングではうまくドライビングできなかった。
お話が脱線したが、ノーマルのS07AはNAから乗り換えても違和感がないレスポンスのレベルに仕上げてあり、さすがホンダだなと思う。
レスポンスがNAのように自然で、繊細にアクセルワークを楽しむことができる。
一応、高回転側は7,700rpmまでは許容するが、これはホンダのエンジンのイメージを壊さないためのものだろう。
パワーとトルクを上げるとレスポンスが…
管理人TomTomは長年NAに慣れてしまっているのでターボエンジンは敬遠していた。
だから今回S660に乗り始めた際にも、レスポンスがどうなのだろうと心配していた。
だが、ノーマルS660のS07Aエンジンのレスポンスはかなりよく出来ていて違和感がない。
これをECUのデータを書き換えることによりパワーとトルクをある程度上げることができるのは最近のECUチューニングのお手軽なところだと思う。
非常に便利な時代になったものだ。
だが、パワーとトルクを追うとレスポンスを犠牲にしかねない。
ここがちょっと心配なところである。
今回S660にPHASE2を導入してみて思ったのは、パワーとトルクを上げるのは良いが使うフィールドによってはレスポンスが犠牲になるということだ。
パワーとトルクを上げるとターボエンジン!というところが強調されてしまいNA好きには好みから外れるのだ。
そういう意味では管理人TomTom的に、PHASE2がギリギリのところだと思う(他を試していないので分からないが…)。
もう少し乗り込んでみて、ひょっとしたらPHASE1に戻すこともあるかも知れない。
そうなるとリミッターカットだけにフラッシュエディターを導入したことになる。
これはちょっと悲しいがしょうがない。
ちなみに今回走ったのは、往路は京北町から国道477号線を中心に高島市を経由して小浜、復路は162号線経由で再び477号線で帰ってくるというルートの約400kmだった。
低回転のトルクが太くなったので高いギアを使えるので燃費はメーター読みで24.8km/Lと良好だった。
ほぼエアコン入れっぱなし、燃料はもちろんレギューラーで給排気系は完全にノーマル状態である。
出たのが朝の4時30分、帰ってきたのが15時ころ。
今回はこのへんで
では