クルマからは様々な音がするものだ。
その音の中でもドライブトレインの音というのは中でも気になる音じゃなかろうか?
一言でドライブトレインの音と言ってもイロイロある。
ミッションのギアからだったり、デフからだったり、ドライブシャフトやプロペラシャフトからの音もある。
そんなドライブトレインの音について考えてみた。
ドライブトレインは文字とおり力の伝達経路
クルマのドライブトレインはエンジンがあり、クラッチがあり、ミッションがあり、FRならプロペラシャフトがあり、デフがあり、そしてドライブシャフトがあるのはご存知の通り。
そのどれもが機械的に大きな力を伝達する機構となっているので実にたくさんのギアやスプライン、ジョイント等が介在している。
今回はこのドライブトレインから出る音のことを書いてみようと思ったのだが、音が出る部分というのはある程度限定されるのかも知れない。
音が出るということは、なんらかの噛合機構があるということになると思う。
その中でもミッションとデフ回りは特に音が出やすい部分だと思う。
音がするのは当たり前
管理人TomTomがラリー現役時代に乗っていたクルマたちは、3速クロス+ファイナルギア変更を行ったクルマが何台かあった。
競技用にクロスミッションやファイナルギアを変更すると、ギアを組むときにバックラッシュをノーマルよりも多少多めに取る。
バックラッシュを多めに取るということは、お気づきの人もいるだろうが音が出やすいということだ。
トルクが掛かっている時はギアが噛み合っているが、トルクが抜けると反対側のギア山にガチャンと当たる。
そうしたときにガチャガチャというバックラッシュに伴う音がするものだ。
簡単に言うと、信号で停止する直前までクラッチを切らずになんらかのギアに入れっぱなしのときに出るあの音だ。
このバックラッシュに伴う音というのは、最近の車では小さくなっていると思う。
たぶんバックラッシュの設定が小さくなっているので音が出にくいのだろう。
だが管理人TomTomの乗っているS660はこのバックラッシュが非常に大きく取られているようだ。
停止寸前までギアが入ってクラッチを繋げているとガチャガチャと盛大に音がする。
ある意味、この音は出て当たり前、これを気にするのは無用だろう。
でもS660に初めて乗ったときにはびっくりしたものだ。
そういえばバックラッシュで思い出したことがある。
TE71カローラGTセダン(ラリー仕様車、FR)に乗っていたときに、一般道での渋滞中にラフにクラッチミート(メタルクラッチだった)をしてしまったことがある。
その時はなんともなかったのだが、走っていると交差点の角が大いに曲がりにくい。
なぜか?と考えた末に結論に達した。
その原因はFR車のデフケースの中にあるリングギアとピニオンギアのギア欠けだった。
ラリー車だけにバックラッシュを大きめにとっていたのだが、それがクラッチを急に繋いだために仇となったのだった。
ショップに預けてデフを開けてもらうと、想像通りリングギアとピニオンギアが欠けて、破片がLSDに回りロック状態となり曲がりにくかったのだ。
この時の教訓は管理人TomTomとしては今も生きていて、クラッチミートは丁寧にする、ということとメタルクラッチは使わないということだ。
ミッションからの音は大いに気になる
ミッションというのはクルマの部品の中でもいじりにくい箇所であるのは間違いない。
なかなか素人が弄るのは敷居が高いパーツだ。
管理人TomTomもミッションの中については自分ではいじれない。
やればできるかもしれないが根性が無いというのが本音だ。
まずミッションの脱着に骨が折れる。
これはFRでもFFでもミッドシップでも同じだろう。
脱着に慣れてしまえば、中を弄ることも楽しくなるかも知れない。
ミッションというのはギアの塊のようなパーツで、あちこちにベアリングが入りギアが噛み合っている。
回転部分が多いだけにミッションからの異音は非常に気になるところ。
よくあるのはレリーズベアリングが劣化して音を出しているという現象だろう。
もちろんミッション内部でなんらかのトラブルが起きていて音が出る場合もある。
例えばシンクロギアのすり減りなんてのが多いのかも知れない。
さらにクラッチカバーやクラッチディスクがすり減ってくると音を出す場合もある。
いずれにしても素人にはブラックボックスであるミッションのトラブルは高額な修理代になりがちだ。
下の画像はZC31の5速ミッションの中身、手前の一番大きなギアに取り付けられているのがデフ。
下の画像は同じくZC31スイフトスポーツのデフ。
まだまだあるドライブトレインの異音
FRでもFFでもハードな使い方をすると、ドライブシャフトがダメになってしまう。
このドライブシャフトというのは、デフから左右の車輪をつなぐシャフトのことだ。
このドライブシャフトとデフ側の嵌合がスプラインと呼ばれるものになっている。
このスプラインのオス側(ドライブシャフト側)がダメになる(山がなめてしまう)。
そうなるとドライブシャフトを交換するしか無い。
この現象の前兆としては、やはり音が出る。
特にジムカーナのような一時的に大トルクをかける走り方ではこうしたことが起こりやすい。
だからジムカーナにはドライブシャフト持参が必須なのだ。
管理人TomTomがラリー現役の時にもドライブシャフトは必須パーツだった。
下の画像はZC31スイフトスポーツのドライブシャフト。
同じくZC31のドライブシャフトの先にはジョイントとスプラインが見える。
同じくZC31のドライブシャフトの先っちょ、スプライン部分のアップ、これがオスでデフ側のメスに刺さっている。
同じくZC31のミッション側のドライブシャフトがつながる部分。
トラブルではないが…
これも昔のお話になるが、ラリー現役の頃にファイナルギアを変更していた時期がある。
その時使ったリングギアやピニオンギアは純正流用ではなく外品を使用した。
この使用するギアの精度が大いに問題なのだ。
純正品ではギアの精度が良くて音が出ることはあまりない。
外品で精度の低いギアを使用すると、トラックのようなギア音がする(ウワーンというやつ)。
一番わかりやすいのはバックギアに入れて加速するとウワーンと音がする、この音だ。
このウワーンという音がクルマを前に走らす間絶えず鳴っているわけだ。
この時はトラックを運転している気分だった(今どきのトラックはこんな音しない)。
面白いのは管理人TomTomが現在乗っているS660はこうした音が盛大にしていることだ。
ギア鳴りもするし、バックラッシュの音も盛大に鳴る。
ひょっとしたら他の車も鳴っているのだが防音材の加減で聞こえないだけかも知れない。
それにS660の6速ミッションは軽自動車では初めての6速ミッションでS660と組み合わされたことで盛大に音が聞こえるという条件なのだろうと思う。
いずれにしても自分のクルマのドライブトレインの構成やその特性を頭に入れて乗りたいものだ。
そうすることで余計な心配をしなくても済むし、トラブルの際の早期発見にもつながると思う。
今回はこのへんで
では