カローラ スポーツがカッコ良い コンパクトではなくなってしまったが売れるかも

つい先日2018年6月26日にカローラ スポーツが発売になった。
その外観を見て、今までのカローラの印象はなく別の車になったようだ。
それもそのはずで、海外ではオーリスとして販売されていたCセグメント車を刷新し日本へも持ち込んだという形になっている。
日本のカローラとしては、サイズが大きくなってしまったが、カッコの良い外観と充実した中身で売れそうな予感がしている。
そんなことを書いてみた。

リアサスペンションに注目

カローラ スポーツのWebサイトを見ていて気づいたことがある。
それはリアサスペンションがダブルウィッシュボーン形式となっていることだ。
これは現行プリウスと同じプラットフォームのTNGAを採用したことが背景にある。

カローラ スポーツが採用しているTNGAは、CセグメントのサイズでC-HRも採用済のプラットフォームだ。
こういうことからカローラ スポーツのサイズは全長4,375mm×全幅1,790mm×全高1,460mmとなっており、まさしくCセグメントなのだ。
日本で言うコンパクトカーは5ナンバーのクルマのことを指していると思う。
だが世界で言うコンパクトカーは、Cセグメント以下のクルマとなっているようだ。
そのCセグメントの全幅は、おおむね1,800mmまでのクルマとなっている。
日本と世界とのクルマの全幅は100mmもある。

カローラ スポーツはサイズは大きくなったが、リアのサスペンションがダブルウィッシュボーン形式になったことで、その恩恵は非常に大きいだろう。
運動性能が良くなるのは容易に想像できるし、さらに乗り心地の改善は大きなものがあるだろう(現行プリウスは乗り心地が大変良い)。
これで安っぽい乗り心地からはおさらばということだ。

下の画像はカローラ スポーツのサスペンション、フロントはストラット、リアはダブルウィッシュボーンとなっている。

カローラ スポーツのサスペンション
toyota.jp

ライバルの多いCセグメント

カローラ スポーツが属するCセグメントというのは非常に強力なライバルが多い。
その筆頭が最近新型になったVWのゴルフだろうと思う。

ゴルフは世界中のコンパクトハッチバック車のベンチマークとなるクルマだ。
そのゴルフのサイズも似たようなもので、全長4,265mm×全幅1,800mm×全高1,480mmとなっていて同じようなサイズだ。
またゴルフのサスペンション形式はリアがトレーリングアーム形式となっていて、形式こそ異なるが独立懸架となっている。

このCセグメントというクラスは実用性が大いに問われるクラスだと思う。
具体的に言うと乗車定員がフルに乗車して、その荷物をキチンと積載できて、ロングドライブに出かけるという使われ方を想定される。

またCセグメントにはホットハッチも多く存在する。
皆さんご存知のシビックType-Rもそうだし、メガーヌR.S.なんかも同じCセグメントとなっている。

つまりCセグメントのクルマというのは、実用性はもとより、スポーツ性能、安全性、燃費、質感、さらにはデザイン性とありとあらゆる要素が比較されるシビアなクラスだと思う。

そんなシビアなCセグメントに打って出たのがカローラ スポーツで、トヨタが世界で展開していこうという気合の入ったクルマであることは間違いない。

コネクティッドカーとしてユーザの恩恵は少ないが…

トヨタは今回発売されたクラウンとカローラ スポーツを「初代コネクティッドカー」として大々的にマーケティングを展開している。
DCM(車載通信機)を積むクルマは日本でも珍しくない、レクサスはかなり前から積んでいるし、トヨタでも車種によってはオプションで装備できた。
でも今回の「初代コネクティッドカー」というキャッチフレーズは、これからこれがスタンダードになるという意味合いが込められているのだろう。

世界を見渡せば、コネクティッドカーというのは珍しいことではない。
すでにかなりの数のクルマが通信機を積んで走り回っている。
各自動車メーカーは、そこからアップロードされてくるデータをビックデータとして蓄積し解析している。
ビックデータを扱うには、そのノウハウを持ったIT企業がパートナーとなる場合がほとんどだ。
やっとその動きが日本でも始まったということでは「初代コネクティッドカー」というべきものだろう。

自動車メーカーとしてはコストを掛けてでも車輌情報を集めて、将来的な自動運転やV2X通信への布石としたいところだろう。
一方、ユーザにとってはコンテンツが少なく、子供だましのようなモノとなっている。
コールセンターのオペレーターと話しながら、ユーザの希望を叶えてくれるサービスは役に立ちそうだが、その他はあまり役に立ちそうにはない。
もっとユーザにとって役に立つサービスを拡充しないと、無料期間の3年が経過した後に継続するユーザがいなくなってしまう。
今後の大きな課題だろう。

下の画像はコネクティッドカーを実現するDCMの構成図。DCM自体は目新しいものではない。

「初代コネクティッドカー」を構成するDCMのシステム図
toyota.jp

デザインはトヨタらしくアグレッシブ

カローラ スポーツのリア周りは立体的な造形でC-HRと通じるものがある。
最近のトヨタデザインはバンパー回りの主張がうるさい感じだ。

カローラ スポーツのリア画像
toyota.jp

 

下の画像はカローラ スポーツのフロント画像。こちらも最近のトヨタらしい開口部の大きなフロントバンパーデザイン。
ヘッドライトやフロントの下端に変化がついていて、ちょっとだけ目新しい感じがする。

カローラ スポーツのフロント画像
toyota.jp

 

横から見るとよくまとまってバランスの良いデザイン。やはりリアバンパー回りのボリュームが余計な感じ。
フロント周りはDJデミオを大きくした感じで新鮮味がない。

カローラ スポーツのサイド画像
toyota.jp

 

下の画像はカローラ スポーツのインパネ画像。取って付けたようなナビが興ざめだ。
メーターフードもイマイチ、シフト周りもちょっとうるさい感じ、その他は無難にまとめている。

カローラ スポーツのインパネ画像
toyota.jp

 

カローラ スポーツの外観デザインはリアが少々うるさい感じではあるが、全体的によくまとまったスポーティーなものだ。
一方内装のデザインは先進感が感じられずコネクティッドカーらしさがないのが惜しい。

これはわざとトヨタが狙った筋書きなのかも知れない。
外観は若い人にも受けるデザイン、内装は比較的年齢層の高い人にも受け入れられるようなデザインなのかも知れない。
トヨタらしい戦略だと思う。

スポーツモデルにちょっと期待

カローラ スポーツの価格は、1.2Lガソリンターボの6MTモデルが2,106,000〜からスタートとなっている。
なかなか戦略的な価格設定ではないだろうか。
特筆すべきはこの6MTはiMT(インテリジェントマニュアルトランスミッション)と呼ばれて、シフトアップもシフトダウンも回転合わせをしてくれるミッションだ。
個人的には意外とシフトアップの回転合わせができると良いかも知れないと思う(最近の車は気楽に乗っているとシフトアップの回転合わせが難しい)。

さらにもっと強力なスポーツモデルも準備していると聞く。
世界中で強力なライバルがひしめく中で渡り合っていくには、生半可なスポーツモデルではアカンだろうと思う。
かなり期待できる内容になっているのではないかと、今から楽しみだ。

今回はこのへんで
では