いつかはやってくる「ヤレ」という厄介なやつについて思う S660編

クルマに長期間に渡って乗り続けていると避けて通れないのがいわゆる「ヤレ」というやつだ。
管理人の乗っているS660は2年半を経過し、走行距離は23,000kmを超えたところ。
通勤では使っておらず、それほど距離を走っているわけではない。
ツーリングがメインで使用しているので1度に走る距離が長くクルマとの濃厚な時間を過ごしていると思う。
最近はS660に少しだけ「ヤレ」を感じるようになった。
そんなことを書いてみた。

「ヤレ」は様々なところにやってくる

どんなモノや道具でも長期間使用していると素材自体がへたってきたり、すり減ったりして経年変化を起こす。
クルマも機械ものであるからこの経年変化を避けることはできない。
よくこうした状況を「ヤレ」と表すが明確な定義は無いようだ。

S660リアサブフレームはアルミ製

「ヤレ」は非常に感覚的なもの、乗っている本人だけが感じることができる経年変化だと思う。
この感覚的なものが非常に厄介で、どうにもこうにもこの「ヤレ」が我慢出来ないときもある。
パーツを交換してリフレッシュすることができるのであれば手を入れてやれば「ヤレ」の無い状態にある程度戻すこともできる。
いずれにしても「ヤレ」を感じると感覚的には少し寂しいものがある。

ではこの「ヤレ」はどのようなところに感じるのだろうか?
一番顕著なのは体に直接触れる部分だろう。
例えばステアリング、ブレーキ、シート等々が分かりやすい。
新車の時のシャキっとした感触が無くなり、あいまいな部分が増えてくる。
もっと厄介なのはボディ自体に「ヤレ」を感じる時かもしれない。

「ヤレ」はいろんな原因でやってくる

「ヤレ」が発生するのには様々な原因がある。

素材の違い

非常に硬質な材質で作られている箇所については「ヤレ」が発生するのが遅い。
一方柔らかい材質で作られている箇所については「ヤレ」が発生するのが早くなる傾向だ。
ゴムでできている部分、例えばサスペンションブッシュは負荷の掛け方もあるがある程度の期間が経過するとゴム本来の柔軟性を失うことで「ヤレ」につながる。
もっと詳細に考えるとゴムの柔軟性が失われることで振動吸収が悪くなるということもある。
ゴム自体が痩せてコンプライアンスが大きくなりガタが出ることで「ヤレ」を感じることもある。

設計に無理がある場合

機械的な可動部分で設計が悪く、部品が動くと摺動抵抗が大きいような場合は硬質な素材でもすり減ってしまうことがある。
こうした場合はやはりコンプライアンスが大きくなりガタが出て来る。
また管理人はよく経験したのだがドアなんかも「ヤレ」を感じる箇所だと思う。
例えばドアを開けたまま力を掛けたり、おしりを乗せて体重を掛けたような場合はヒンジ部分に力が掛かりガタが出る。
そうなるとドアの開閉時に感触が悪くなり一発で閉まらないとかの状況になる。
この原因はヒンジ部分の強度不足と使用方法が悪いことが原因だろう。
こうした経験があるのでドアの開閉時やドアを開けたまま力を掛けないということには気を使っている。

乗り方の違い

新車時から大人しく乗っているクルマだと「ヤレ」が発生するのが遅い。
逆に過酷な使用方法を行うと「ヤレ」が出てくるのが早くなることが多い。
管理人の手元にはツーリングに使用するS660と、嫁さんが通勤とお買い物にしか利用しないBRZがある。
この2車を比較すると格段にBRZがシャキっとしていて「ヤレ」が少ない。
購入時期やクルマ自体が異なるので単純比較とは行かないが使い方によっては大いに影響が出る。
管理人は若い頃にラリーに参加していたが、さすがに競技と練習に酷使すると「ヤレ」が凄かったことを思い出す。
現在ツーリングに使用しているS660は走行距離は大したことは無いが少し「ヤレ」を感じるようになってきた。
そんなS660の使い方としては走り出すと300kmから500kmほどはツーリングで一気に走ってしまう。
さらに走っている最中は常に過激な運転をしているわけではないが峠ではそれなりに走る。

形状の違い

管理人はオープンカーは好きではない。
その理由は「ヤレ」が早くやってくるということもひとつなのだ。
S660はタルガトップ形状だが、管理人の場合は全くオープンにしないのでクローズボディーにしてほしかった。
S660は軽自動車、オープンボディ、小型軽量、スポーツカーという条件を考慮してもそれなりにボディ自体に剛性感を感じる。
だが最近はボディに少々「ヤレ」を感じるようになった。
これがクローズドボディならまだまだ「ヤレ」は感じなかったのではないか?と気になる。

「ヤレ」とうまく付き合う

以前の管理人であれば「ヤレ」を感じるとクルマ自体にかける情熱が無くなってしまうことが多かった。
部品を交換したり、補強パーツを装着して新車のように復活できるのであればベストだ。
だがそんな事はあまりない。

ボディ関係は難しい

下手に補強パーツを装着するとクルマ自体の性格が変わってしまい、ドライビングしにくいという事になったりもする。
それに補強パーツ装着で重くなるというネガティブなところもある。
現在のところ個人的にはこうした「ヤレ」を感じるボディにはスポット増しが一番効果的なのではないかと思っている。

パーツ交換で復活する箇所もある

こうしたボディ自体のことは横に置いておいて他のことも考えてみよう。
サスペンションがリニアに動かないとか音が出るような場合はブッシュ類を交換してみるのが効果的だ。
できればこの時に強化品のブッシュがあればシャキッとして非常に効果的。

見てくれを良くする

実は「ヤレ」というのは視覚からも感じていると思う。
例えばシフトレバーの先っちょがすり減ってテラテラと光っているとか、ステアリングの指がかかる部分がテカっているとかがある。
こうした箇所は思い切って新品の部品を装着することで心理的に復活できる。
よくやってきたのはすり減ったペダルのゴムの部分を新品に交換することだ、新品にすると非常に気持が良い。
ドアシル部分をガードしているプラスティックの部品(ドアシルガード)なんかも乗降時の擦れで傷だらけ。
これを回避するためにマットを貼り付けている例を見るが好みではない。
それならドアシルガード自体を新品に交換すれば良いと思う。

交換が難しいパーツもある

よくあるのがヘッドライトだろう。
古くなるとヘッドライトの透明プラスティック部分が白濁し透明度が低下する。
こうなるとドヨーンとしてシャープさが無くなりイマイチだ。
だがこのヘッドライトを新品で購入するとなると大いに高価な場合が多い。
最近のLEDのヘッドライトなら15万円くらいはざらにある。
こうした場合はヘッドライト磨きでひたすら磨くしか無いかもしれない…。

精神衛生を最優先で考えるのが良いと思う

管理人は今までこうした「ヤレ」が出ると一気にそのクルマへの情熱が冷めてしまうことが多かった。
だから短期間で乗り換えを繰り返してきたという事がある。

一方、最近のクルマは設計の適正化や組み立て精度が高いこともあり短期間で「ヤレ」を感じることは少なくなったのは事実だ。
だが機械モノであるだけに完全に「ヤレ」を防ぐことはできない。

最近、管理人はクルマと付き合う上で、こうした「ヤレ」を修正しつつ気長に接していくことを重視している。
一般的な車だと様々なアフターパーツが販売されている中から適材適所で選択していけば良いだろう。
自分で気になる箇所を観察して、どのようにしたら「ヤレ」を感じなくなるかということを考えるのも楽しい。
対策が功を奏した時は大いに満足感があるし、精神衛生的にも満足できると思う。
やはり「ヤレ」があっても、クルマを弄るのは楽しい。

今回はこのへんで
では