言い古された言葉「クルマと対話する」ということ

最近クルマについてイロイロ考えることがある。
それはクルマ好きにとってクルマってなんだろう、ということだ。
長年趣味のクルマとして様々なクルマと付き合ってきて思ったのは自分の趣味趣向ってなかなか変わらないんだなぁと感じている。
年寄りの独り言として受け止めていただければ幸いだ。
そんなことを書いてみた。

生活習慣病のようなクルマ習慣病

仕事ではない領域に関して。
人間好きなこと、没頭できること、ハイになれることってそうそう変わるものではないとつくづく感じている。
思うに若い頃、特に30歳くらいまでにその傾向は、ほぼ固まってしまうような印象だ。
これは何もクルマに対する趣味趣向だけではなく、音楽の好みだったり、アートのような領域だったり、様々だ。

管理人の場合は、音楽の趣向、アート的な趣向は20歳台の頃の延長線上にあるのを今痛切に感じている。
クルマの世界においても同じことが言えている。

管理人の場合は20歳台の頃はラリーに没頭していた。
週末ごとにひと晩かけ練習と称して舗装やダート問わず山の中を走り回っていた。
クルマに乗っていない時もステアリングを回す練習してみたり、その頃出始めたインカービデオを見ながら超一流のドライバーのシフトタイミングやブレーキタイミングを盗もうと自分では日々努力していたつもりだ。

これが現在でも山奥の狭い林道好きとして続いている。
スピードが出たりコーナリングが楽しいクルマなら、どのくらいの進入スピードなのか、ブレーキはどこまで我慢できるのか、アクセルを早く開くにはどうすれば良いのかなんて考えてドライビングしていた。
4WDでのダート走行も大好きだ、路面状況により行けるのか、それとも引き返すのかギリギリの選択をしなければならない。
こういう時の判断がキリキリした緊張感を持ってある種の快感だったりする。
これがやめれない、明らかにクルマ習慣病だと思う。

JB74ジムニーシエラで行った兵庫県氷ノ山のダート林道。
JB74ジムニーシエラで行った兵庫県氷ノ山のダート林道。

パワーとトルクの誘惑

何度か書いたことがあるが、クルマのパワーやトルクの魅力も抗し難い魅力を感じる。
管理人は基本的に小さくて軽いクルマが好みなので大パワーのクルマには乗らない。
が、大パワーや高トルクのクルマに乗れば、アクセルペダルを踏んだ時の加速力や自分で速いと感じるスピード域へ達した時にも体の内側でアドレナリンが吹き出るような感覚がある。

そういう領域に入り込むと前を走るクルマのスピードやドライビングスタイルに我慢ができなくなる。
いつでもどこでも抜いて前へ出たくなる。
ここまで来るともう十分危険な領域に踏み込んでしまっていると思う。

ブレーキングの誘惑

管理人のような小さくて軽いクルマ好きであってもコーナリングの前は必ずブレーキングをする。
逆に小さくて軽いクルマではブレーキングが華、ということも思っていたりする。
平地や登りでは大パワーのクルマにかなわない、しかし下りのダウンヒルこそ自分の花道!的な妙な考えも持っている。

そんなことだからブレーキングに関しては詰める詰める。
どのくらいのスピードでコーナーに進入するのか、ブレーキング区間をどれだけ短くできるか、コーナリングにつなげるブレーキングはどのようにすれば良いのか、ブレーキングは実に奥が深い。

結局、こうしたことを考えてみると公道上ではどう見ても危険なことなのだ。
きっとこうしたことを詰めていくとサーキットでそれを試すしか無いと思っている。

S660で行った兵庫県の氷ノ山あたりの舗装林道。
S660で行った兵庫県の氷ノ山あたりの舗装林道。

輸入車の誘惑

管理人もご多分に漏れず輸入車に何台か乗ってみた。
中にはBMWのブレーキに惚れたということもあったが、怖いもの見たさや見栄の部分が大きかったと思う。

今、こうしたことを思い返してみると自分の趣味趣向には輸入車は合わなかった(現代ではなく随分前のことだ)。
管理人が選択した輸入車は、管理人の使い方では体格や体力に合わないコントロール類だったり、反応が大味だったりした。
もちろん、もっと乗ってみたい輸入車もある、当たり前だが全ては乗れていない。

最近の日本車も非常にレベルが上ったと思う。
一時期はテイストの部分でヨーロッパ車にどうしても追いつかない部分が目立った。
だが最近の日本のクルマは、ある意味ええとこ取りしているような印象がある。
日本人の感性の取り込み、技術的なレベルの向上、感性性能の向上、巧みな演出等々で日本車が良いと思える部分が多くなった。

クルマで見栄を張るということもある

クルマに乗る人の環境、例えば仕事上の地位だとか、勢いだとか、収入面だとかに応じて心理は変わる。
管理人自身もそういった時期があり、周りから良いように見えるクルマに乗りたい時期もあった。
高価なクルマに乗っていると自分が少しだけ偉くなったような気がした。

だけど実際には、転がしているクルマとドライバーは関係はない。
いかにもクルマ好きが憧れるクルマでもドライバーが下手くそだったり、下品な運転だったりすると傍から見ててガッカリする。
良い車に乗るなら自分のドライビングスキルをもっと磨いてほしいと思うことが多々ある。
また高級車で下品な運転なら、クルマがもったいないって勝手に思っていたりする。

それに、普通の人は高価な車に乗ると余分な気を使う。
駐車場所を選びまくったり、縁石に寄せれなかったり、きちゃない路面の場所には行きたくないとか。
でもこれってクルマの使い方としては本末転倒だと思う。
管理人の考えではクルマって床の間に飾るモノではないと思っている。

シンプルに考えるのがベストかしら

最近、クルマで自分にとって何が楽しいのかと考えると、管理人の場合は比較的長距離を走りクルマとの対話をするのが好きみたいだ。
ここは人それぞれだろうと思う。
クルマ弄りが楽しいという人もいるだろうし、クルマの中で聞く音楽が最高という人もいるだろう。

クルマとの対話って言葉にすれば非常に短いセンテンスだが内容は様々だ。
ダイレクトでピュアという表現が適切かどうかは分からないが、雑味を挟まないクルマとのインプットとアウトプットを楽しむという感じだろうか。
そこにはたぶんソフトウェア的な制御はあまり必要ないと思う。
だから年寄は、クラシックやネオクラシックというシンプルな走るマシンとしてのクルマが好きなのかもしれない(若い人も好きな人いるだろうが)。

ステアリングを切ると、ラックとピニオンの噛合が動き、タイロッドを介してホイールを動かす。
路面との摩擦やコーナリングフォース、路面状況などのフィードバックがステアリングホイールに戻ってくる。
切りすぎるとフロントタイヤはコーナリングフォースを失いアンダーになったりする。
リアタイヤはラフなアクセルワークをするとズルっと一瞬グリップを失うといった感じ(FRをイメージ)。
こういった濃密なやりとりをクルマと行うのだ。

最近少し古いクルマがほしいと思う

こんなことを考えていると最近は少し古い車がほしいと思っている。
できるだけ電子制御の類が少なくて、小さくて軽くて、速くなくても良いが、慣れれば手足のように操れるクルマが良い。
できれば、よりダイレクトなNAエンジンが好みだ、ガシガシと普段使いできるコンディションなら最高に幸せだろう。
価格やタマ数等の諸条件は無視して、管理人が欲しいと思う少し古いクルマを上げてみると次のような感じ。

・FR
AE86の2ドアでトランクの付いたやつ(やはり永遠の名車だ)。
シルビアのオーテックバージョンなんて最高だ(NAで6速、ボディラインが大好きだ)。

・FF
K3-VE2型エンジンを搭載したストーリア/デュエット(超軽量でよく回るエンジン)。

デュエットS、toyota.co.jp
デュエットS、toyota.co.jp


AE101カローラGTの4ドアセダン(オッサンセダンが渋い)。

カローラGTセダン、toyota.co.jp
カローラGTセダン、toyota.co.jp

インテグラType-RのDC2も良いが、4ドアセダンのDB8のほうが好みだ(この時代のType-Rは貴重だ)。

DB8、honda.co.jp
DB8、honda.co.jp


・ミッドシップ
ロータス、素のエリーゼ(1.6LのNAトヨタエンジン、ひらひらできそう)。

EliseSport、lotuscars.com
EliseSport、lotuscars.com


トヨタMR-S(意外と軽いボディ)。

MR-S、toyota.co.jp
MR-S、toyota.co.jp

・変わり種
ホンダインサイト初代のMTも乗ってみたいクルマの1台(アルミフレームのハイブリッド車をMTで)。

初代インサイト、honda.co.jp
初代インサイト、honda.co.jp

こんなクルマなら濃密なクルマとの対話を実現できそうな感じ。
ほかにも少し古い輸入車で欲しいクルマがあるのだがここでは割愛。

しかし、ほしいと思うクルマが年々減っていくのは寂しいことだ。
体が動かなくなる前になんとか実現してみたいと思っている。

今回はこのへんで
では