EK9メンテナンス:サーキット走行準備開始その3:ハーネスの取付け

友人のEK9のサーキットデビューの準備を進めている。やっと作業時間を取ることができたのでハーネスの取り付け作業を行った。
段取りとしてはハーネス用のフロントのアンカーを金具を用いてシートレール後ろ側のボルトと共締め、リアはリアシート用のベルトキャッチを外してアイボルト取り付け、そこにハーネスを固定する。
またこのEK9は友人が手に入れてから思いっきり走ったことが無い、それだけに限界域の車の挙動が心配なようだ。そこでハーネスを取り付けた後に2人で近場を走ってみることにした。

EK9へハーネス取つけ、難関はリアシートの外し方

ハーネスの取付けの段取りを整理してみよう。

  • ハーネスのフロントアンカーの確保方法
  • ハーネスのリアアンカーの確保方法
  • ハーネス自体の取付け方法
  • ハーネスのドライバーへのフィッティング方法

ハーネスのフロントアンカーの確保方法

ハーネス用のフロントのアンカーを取る方法はいくつかある。
今回はシートレール後部のフロアへの取付けボルトにアンカー金具を共締めする方法を取った。
この方法は比較的作業が簡単だ。

これ以外にノーマルのシートベルトのアンカー部にアイボルトを入れる方法もある。最近の車はシートとセンタートンネルの間隔が狭くなっているのでこうしたスペースの必要な方法が取れない場合も多い。

ハーネスのリアアンカーの確保方法

実はココが今回の難関だった。
実はEK9のリアシートの取り外し方法が少々難しいのだ。最初はどうなっているか良く分からなかったが縦や横へ動かしているとだんだんと分かってきた。
ミソはリアシートの座面を止めているボルトを外す。それからリアシート座面は金具でボディーに引っ掛けて固定されているので前後に動かせば外れる。
リアシートが外せればリアのアンカーを取るのは楽な車だ。
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↑ EK9レースベース車にハーネス装着作業、ハーネス用のリアアンカーを確保するためにリアシートの座面部分だけを外す、慣れると問題無いレベルだがパズルみたいで少々難しい、外してしまえば後は簡単だ

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↑ EK9レースベース車にハーネス装着作業、ここで一番難しいのはリアシート座面の取り外し方なのだ、リアシートを外すと元々付いていたリアシートベルトの取り付けアンカー(右側)とその左に予め設けてあるネジ穴を利用してアイボルトを取り付ける、最近の車はこうしたハーネス用のアンカーを取ることが難しい車が多い、ZC31スイフトスポーツもリアのアンカーが取れなかったので非常に難儀した記憶がある

ハーネス自体の取付け方法

これは腰部分のパーツをフロントのアンカーへ引っかけて外れ止めをしっかりすれば完了だ。その際にシートの腰部分の穴へ通してから取り付けないとバックルが通らないので注意する。
肩部分はリアのアンカーに引っかけて同じく外れ止めをキチンとしておく。

ハーネスのドライバーへのフィッティング方法

これが面倒な作業となる事が多い。
まずシートポジションをドライバーに合わせる。

その次に腰部分のハーネスの長さを調整しバックルが中央に来るようにセットする。ハーネスの調整部分は安易に緩まないようにしっかり作ってあるので気長に少しづつ調整しよう。
最後には腰部分についてはキチキチまで締めこんで完全に腰がシートに固定できるようにセッティングする。
腰が決まらないとあかんのだ。

次に肩部分だがリアアンカーからシートまでに長さの調整バックルが付いているのでこれをドライバーの体に合わせた長さに合わせる。
ここが根気の必要な作業になる。肩ハーネスのロゴがちょうどドライバーの肩の上に来るようにする。
これが出来たらドライバーが座って肩部分のバックルで実際に締めこんでみる。
この時にドライバーの体が動いても肩がシートから離れない程度に締めこむようにする。
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↑ EK9レースベース車にハーネス装着作業、肩のハーネスは昔を懐かしんでリアでクロスさせて取り付け(ストレートでも良い)、難しいのは長さの調整でコツコツと少しづつ合わしていくしかない、地道な長さ調整が長時間続く、使用しているハーネスはサベルトの3インチタイプ

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↑ EK9レースベース車にハーネス装着作業、長さの調整はまずシートのポジションをドライバーに合わせて決定、次に腰のハーネスの長さを決定、それから肩のハーネスの長さ調整をする、根気の必要な作業だがなんとか完成

EK9の走行フィーリング

何か車を弄った際には必ず試走に出かけることにしている。
それは弄った個所の機能や走行時の問題等の確認を行うためだ。
また初めて利用するような機器の場合は操作方法も勉強するのもこの時にやってしまう。

という事でさっそく試走に出かける、実は作業後のこれが楽しみだったりするのだ。新しいアイテムやセッティングを変更すると試したくなるのだ。
そして少しだけ運転を代わってもらいEK9をドライブしてみた。そのフィーリングを書いておこう。

エンジン

車体が軽く感じる車だ。
エンジンのフィーリングだが加速とパワー感はそこそこだが(エンジンノーマル)しっかりしている。
高回転域でのパンチは思ったほどではないが8,500回転までスッキリ回るし、VTECの高回転側に切り替わるとさらに伸びていくのが良く分かる。

実はFF車で重要なのはエンジンマウントなのだ、エンジンマウントがヘタっているとアクセルのON-OFF時にスナッチ(エンジンが揺れる)が出てトラクションが確保できないので路面へエンジンパワーが伝わらない。ドライビングフィールも悪くなってしまう。
今回は全くエンジンのスナッチも出ずアクセルに対する付きも十分なものだった(無限エンジンマウントに交換済み)。
FF車のエンジンのスナッチが出る場合はエンジンマウントをチェックしてみよう。

ミッション

シフトレバーのゲートは比較的ハッキリしていて節度感もある、素早いシフトには少しだけシンクロが付いて行っていないような感触がある(特に2速と3速)。しかし丁寧に操作するとギア鳴りも無く良好だ。

ブレーキ

パットを替えただけのセッティングなのだが、踏んだ感触は剛性感がありしっかりしている。
制動屋のパットを入れているがまだ熱が入っていないらしく、今回熱を入れたことで制動力も立ちあがってきた。
制動時に音は出るが効きとそのリニアさはバッチリだ。
聞くとキャリパーはオーバーホール等していないようだがこのままで十分使えそうな感触だ。

ステアリング

足回りのブッシュは無限の強化ゴムタイプに交換済なのでしっかりしている、これなら特に問題無いだろう。
雨だったので上りのミューの低いコーナーで目一杯踏んでみても修正は容易だ。
キックバックもそれほど無く、ドライビングは楽だ。
トルセンLSDが非常にマイルドに効いている印象(ややへたり気味か)。

サスペンション

足回りは最近オーリンズを入れたばかりだ(と言っても交換後1万km走行)。
このオーリンズ、町乗りレベルのスピード域では大変乗り心地が良いのだが、攻め込んでみるとかなり固く感じるのは不思議な印象。ギャップを乗り越えた時の大入力時にはガツンと衝撃が来る。
ただし伸び側と縮み側ともストロークは長くないので路面の荒れた場所では跳ねたりするのは仕方がないところか。

今回はLSDの効きを確かめてみることが大きな目的だったのだが、前述したように非常にマイルドな効きでビックリするような反応や挙動は見られなかった。
LSDが過激だと非常に気を使うし、雨の日は特に危険ですらある。
逆に効きが甘いとLSDを入れている意味が無くトラクションが掛からない。
今回はLSDとしてはミニマムな働きのセッティングだと感じた。FFに慣れていない人には良いかもしれない。

ボディー

ボディーは年式や使われ方を思うと、ある程度しようがない部分だと思う。
普通に走っていて感じる剛性感はそれほど低いモノでは無くしっかり感がある。攻め込んでいくと腕に応じて補強を考えないといけないだろう。

ということで友人のEK9を走らせてみて感じたことを書いた。
これはTomTomの個人的な感想だし、友人のEK9に対しての感想である。
16年前の古い車ではあるが当時の作りが今に生きていて、まだまだしっかり乗れそうな印象だ。

欲を言えばボディーは要所要所に補強を入れたほうが良いかもしれない。
するとより足回りの性能を発揮させることができるようになると思う。
総合的にはバランスの取れた良い車で非常に楽しく走ることができた。
これならサーキットへ持って行っても特に問題は無いと思う。

現在のEK9仕様

エンジン:ノーマル
エンジンマウント:無限
ミッション:ノーマル
デフ:ノーマルトルセンLSD
吸気系:ノーマル
排気系:マフラー5ZIGEN
ブレーキ:ノーマルキャリパー+ディクセルスリットローター前後
ブレーキパッド:前-制動屋RM551+、後-制動屋SP300
足回り:オーリンズDFVラバーアッパーマウント
無限強化ゴムブッシュ
タイヤ:ダンロップ ディレッツァ Z2 スタースペック205/45R16
ホイール:7J16インチホイール
ステアリング:モモ モデル08 レザー/ブラックスポーク
シート:ナニワヤバケットシート×2
ハーネス:サベルト3インチ4点式
所有者:TomTomの友人

今回はこのへんで
では