ホンダCR-Zがマイナーチェンジ、スポーツカーになれるのか?

ホンダのCR-Zがマイナーチェンジを行い2015年10月19日より販売開始される。
このCR-Zが最初に発表された際には急いで試乗に出かけてみたのを思い出した。当時試乗して感じたのはCR-Zの立ち位置がユーザーにとっては不明瞭で中途半端感があった事だ。
ホンダ新型CR-Zサイド画像
↑ ホンダ新型CR-Zサイド画像、CR-Zが出た時はバラードスポーツCRXの再来か?と思ったモノだ、乗ってみると全くスポーツカーでは無かった、画像はメーカーサイトより拝借

80年代のホンダバラードスポーツCR-X
↑ 1983年に発売開始されたホンダバラードスポーツCRX、シビックファミリーという位置付けだった、かなり小気味よい操縦性のホイールベースが短い車、この形状でも2+2だったので実用性は結構あった、当時職場の同僚が乗っていたので乗せてもらったものだ、画像はメーカーサイトより拝借

ホンダはスポーツカーとしてCR-Zを扱うのだが

ホンダはレーシングスクールの教習車としてCR-Zを使ったりGT300で走らせたりしてCR-Zのスポーツカーイメージを作ろうとしてきた。
発売当初は管理人TomTomもハイブリッドスポーツカーの新しい時代を切り開くのか?という期待をしていた。しかしながらユーザー目線で言うと残念ながら最初に試乗した時からスポーツカーと言う感じは受けなかったのだ。
そういう意味では非常に残念だがCR-Zは今となっては少し中途半端な立ち位置になっていると思う。つまりスポーツカーでもなく、外観が奇抜なせいで普通に使える車でもなく中途半端なのだ。

CR-Zの2トーン仕様車
↑ CR-Zの2トーン仕様車、最近流行のルーフを塗り分けたモデルもある、こういう配色ならかなりスポーティーに見える、今回のマイナーチェンジでは地味だがリアトレッドを広げているところがミソだ、画像はメーカーサイトより拝借

CR-Zのボディー形状が中途半端な印象を与えるのか?

CR-Zのこういった印象はどこから来るのか?と考えてみると、ボディー形状にあると思う。
一見スポーティーそうな形状だが、実は86と成り立ちとしては変わらない2+2のクーペ形状となっている。CR-Zと86を比較するとスポーツカーイメージとしてコンサバな86のほうがよりスポーツカーらしいのだ。CR-Zはスポーティーイメージのホンダ的解釈だろう。
これが一般ユーザーのスポーティーカーとしてのイメージに合わなかったという事だ。
CR-Zのリア画像
↑ CR-Zのリア画像、このリアの形状がスポーティーさを欠いていると思う、冷静に見てみればかなり実用的なボディー形状をしている、画像はメーカーサイトより拝借

CR-Zのコックピット
↑ CR-Zのコックピット、室内はスポーティーな雰囲気が良く出ている、ただクラシックなのかモダーンなのかちょっと中途半端な印象もある、画像はメーカーサイトより拝借

CR-Zは革新的であるのは確かだ

CR-Zはこうしたスポーティーイメージの車にハイブリッド機構を導入した事。それにハイブリッドのパワートレーンに6MTを持ち込んだことは大変革新的な事だと思うのだ。
発売当初としてもそうだが、未だにこうした車は現れていないからだ。

しかしこのハイブリッドのパワートレーンはスポーティーカーとしてはかなり弱い。
当時のホンダのハイブリッドシステムであるIMAシステムを積むのはインサイトやシビックセダンだった。そのパワートレーンをCR-Zにそのまま持ってきたという即席なイメージが強い。

ハイブリッドスポーツカーとして成り立たせるならばこのハイブリッドシステムについてももっとスポーティーな性能とイメージが必要だろうと思う。
CR-Zのリアシート
CR-Zのリアシートを倒したところ
CR-Zのラゲッジスペース
↑ CR-Zのリアシートとラゲッジスペース、ボディー形状からは想像できないほど実用的な車だ、リアシートそのままでもかなり荷物が積める、リアシートを折りたたむと大きなラゲッジスペースが確保できるので実用的、画像はメーカーサイトより拝借

CR-Zは現代版S800クーペのようになったら良いと思う

かつてホンダにはS800というライトウェイトスポーツを地で行くスポーツカーがあった(さすがにこの車が走り回っている時代は知らない)。
軽くて小さくて良く回るエンジン、そのエンジンが凝りに凝った機構を持っていた。実際には速くなくてもスポーツカーと言う雰囲気がプンプンしていたのだ。
ホンダにはこうした歴史がありながらどうして現在のようなイメージになるのかちょっと不思議な気がする。

次世代のCR-Z(出るかどうか分からないが)を企画するなら、もっと不便でも良いから尖がった車にすべきだ。
軽く小さくしてちょっとひねったハイブリッドエンジンを積めばスポーティーカーになる。

いっそのこと2シーターのクーペでも良いのではないだろうか。
S660では荷物が載らなくて手が出せない人も多い事だろうから、屋根が付いて少しは荷物の載せれるスポーツカーで楽しいハイブリッドならその気になる人も多いと思う。
ホンダS800クーペとオープンがあった
↑ ホンダS800クーペとオープンがあった、なんとこの資料には100mph(約160km/h)70hpで4キャブ4気筒DOHCとアピールしている、最近のホンダはこうした原点を忘れているのではないだろうか、思い出してほしいモノだ、画像はメーカーサイトより拝借

今回はこのへんで
では