常々プラグインハイブリッド(PHV)は全ての車が完全にEV化されるまでの主流になる車だと思っている。
その理由は充電インフラの普及にある。
現在では街中ではコンビニやパーキングにも充電設備が設置されるようになりインフラとして頻繁に見かけるようになってきている。しかしながら日本の隅々への普及を考えるとまだまだ先の事になりそうだ。
FCVも今のところ都市部ではなんとか実用になりそうな雰囲気ではあるが日本の隅々で利用されるといったステージには時間がかかる。
いずれにしても現在の内燃機関にとって代わるのはしばらく先の事なのだ。
↑ ゴルフGTEのリア画像、GTIとはマフラーの出し方が異なるがそれほど違わない印象だ、バッチを見ないとプラグインハイブリッド車と分からない、画像はメーカーサイトより拝借
ゴルフGTEのコンセプト
ゴルフGTEのキャッチコピーは「退屈なハイブリッドに、終わりを告げる。」である。
燃費だけの退屈なハイブリッドではなく動力性能をも含めた走りの実力を備えたハイブリッドという事らしい。これはメルセデスやBMWの高級ハイブリッド車のコンセプトと通じるところでもある。だからネーミングもGTIならぬGTEなのだ。
そのパワートレインは1.4L直噴ターボエンジン150PSに加えて109PSを発揮するモーターが組み合わされる。単純に合計すると259PSという出力になる。
VWではライバル視していないと思うが日本でのPHVの先駆者のプリウスPHVと比較してみると次のようになる。
パワートレーン出力:ゴルフGTE→150PS+109PS(259PS)、プリウスPHV→99PS+82PS(181PS)
ハイブリッド燃費:ゴルフGTE→23.8km/L、プリウス→PHV31.6km/L
これからも目指すところが少々異なるという事が分かる。
↑ ゴルフGTEのフロント画像、GTIに比較して少し大人し目のフロントとなっている、画像はメーカーサイトより拝借
↑ ゴルフGTEの室内画像、GTIの定番であるチェックのシートが採用されている、ステアリングは下が切れたD形状、パッと見はGTIとそれほど変わらない、画像はメーカーサイトより拝借
EVモードでの走行距離はどうだ?
ゴルフGTEのEVモードでの航続距離は約50kmある。プラグインハイブリッド車では長い方だろう。
ちなみに三菱のアウトランダーPHEVでは60.8km、プリウスPHVでは26.4kmとなっていてプリウスPHVよりは良いがゴルフGTEの数値が特別良いという訳ではない。日常の利用に関して不都合を感じさせない距離だろう。
これを実現するリチウムイオン電池の容量はゴルフGTEが8.7kWh、プリウスPHVが4.4kWh、アウトランダーPHEVが12kWhとなっている。電池容量相応と言う所だ。
また総合的なハイブリッド燃料消費率はゴルフGTEが23.8km/L、プリウスPHVが31.5km/L、アウトランダーPHEVが20.2km/Lとなっている。
動力性能としては最高速度215km/h、0-100km/h加速が7.6秒、ちなみにゴルフGTEは130km/hまでEVモードで走行可能となっていてこれは素晴らしい性能だ。
↑ ゴルフGTEの充電ポート、充電ポートはフロントグリルのVWマークを開けるとある、VWはこのマークを使うのが好きだ、画像はメーカーサイトより拝借
↑ ゴルフGTEのスマホ用アプリ、もちろんスマホ用のアプリも供給される、ちゃんと日本語化されているのだろうか、これで何ができるのかはまだ不明、セールスマンもこうしたITの知識が必要な時代になって大変だろう、画像はメーカーサイトより拝借
ゴルフGTEの価格設定
ゴルフGTEの価格は499万円となっており内容からすれば妥当な価格設定だと思う。
ちなみにプリウスPHVは2,945,314円~、アウトランダーPHEVは3,596,400円~となっている。装備差があるので単純比較とは行かないがPHVとしてみれば少々お高い。
しかしGTIのプラグインハイブリッド版と考えれば相応な価格かもしれない。ちなみにゴルフGTIの価格は399万円なので100万円高いという事になる。
↑ ゴルフGTEの充電シーン、VWが考えているのは家庭でこうした感じでのチャージシーンを想定しているようだ、室内で照明付きガレージだ、ここから顧客層のイメージが読み取れる、画像はメーカーサイトより拝借
次に控えるのはパサートGTE
同じ手法でプラグインハイブリッド化がされているのはパサートGTEである。
ゴルフとは車格や顧客層が異なるが動力性能を我慢する事無く(元々パサートにはGTIは無いが)ある程度速いプラグインハイブリッド車として登場するだろう。
こちらはメルセデスやBMWのハイブリッド車と競合する事になるが日本に来るかどうかは今のところ不明だ。
↑ パサートGTEの充電シーン、VWのプラグインハイブリッドの性格からしてパサートのほうがしっくりくると思う、日本にはいつ来るのだろうか?、画像はメーカーサイトより拝借
VWはパワートレーンとしてガソリン(TSI)、ディーゼルエンジン(TDI)、今回のプラグインハイブリッドと続々と環境性能/燃費性能と動力性能を両立してきている。
それぞれの自動車メーカーによるアプローチの仕方がこれから目が離せない。
今回はこのへんで
では