ホンダ新型「オデッセイ」に思う

つい先日11月1日から発売になったホンダの新型「オデッセイ」だが、既にイロイロと報道されているので皆さんも目にしていることだと思う。
そこでの話題の中心は、ホンダにしてみれば大変な路線変更のようだということだ。しかし、それをユーザー側はどのように見ているのだろうか?気になるところだ。

車は時代の鏡なのだ

根っからのホンダファンなら、ホンダ車はこうあるべきというモノがあるのだろうが、そんなもんは極々一部のユーザだけの反応だろう。
ましてミニバンというジャンルなら、しっかり実用性が問われた上で個性が発揮されるべきだ。それを先代オデッセイは怠っていたという事なのだろうと思う。
確かに初代のオデッセイはこのミニバンというジャンルに新しい価値を提案して受け入れられたのだが、こういった価値は時代と技術と共に変わっていくものだ。もっとホンダとしての個性を発揮できるジャンルでホンダらしさを発揮してほしいものだ。それはやはりスポーティーな車だと思うのだ。

ミニバンに求めるモノ

さて、個人的なことだが趣味の自転車のために今まで様々なミニバンに乗ってきた。
その中で重要な選択のポイントとなったのが次のような項目である(あくまで個人的な選択肢だ)。

  1. パッセンジャーの快適性(走行中と行った先の両方)
  2. 積載性
  3. 燃費
  4. 走行性能

という順番での評価を行い、その時々での最適な車を選択してきた。これは人によって異なることがあるだろうが、概ね同じではないかと思う。

例えばキャンプに行くことを考えてみると、一家4人(大人2名子供2名として)分の荷物はかなりの量となる。たぶん3列目を畳んで荷室を広げてギリギリな感覚ではないだろうか。こうした年に何回かあるイベントをもこなす積載性はミニバンならではの特徴なので、これをないがしろにしては一般家庭では受けないのは当たり前だろう。

加えて普段は一家4人なのだが、これまた年に何回か実家の親と出かけることも考慮すると、7人から8人乗りが必要になる。その際にはパッセンジャー各人ができるだけ快適に過ごせることが重要だ。
でもこうしたシュチエーションは本当に年に何回あるんだろうと思うが、その度にレンタカーを借りようなんて考えはこれっぽっちも無いのが実情だ。

ミニバンの肥大化

そして最近の傾向だがミニバンが拡大化していて普段使いではかなり乗りにくくなっている。
全幅1,800mmを超えるミニバンで買い物に行けば分る事だが駐車場での乗り降りにスライドドアは必須だ。特に1,900mmに近づくと、もうスライドドアからしか乗り降りできない現実がある。こうしたことは実際に買い物に行けばたやすく分ることだと思うのだ。

こうした条件をクリアした上で走行性能が高くデザインがカッコ良いのは非常に満足度が高いと思う。世の中のほとんどの人はミニバン1台で全ての事をこなしている。それだからこそ様々な条件が優先順位が付いて選択の基準となっていると思うのだ。そこにメーカーの独りよがりのこだわりは不要だ。

新型オデッセイのスペック

ではさっそくスペックを見てみよう。

新型「オデッセイ」ABSOLUTE スペック

サイズ:全長4,830mm×全幅1,820mm×全高1,685mm(2WD)
エンジン:2.4L 直噴 DOHC i-VTEC+PGM-FI、レギュラー仕様
ミッション:CVT(7速モード付)
最高出力:190PS/6,400rpm
最高トルク:24.2kgm/4,000rpm
重量:7人乗り1810kg、8人乗り1750kg
燃費(JC08):7人乗り13.6km/L、8人乗り14.0km/L
駆動方式:FF
タイヤ:215/55R17、オプション215/45R18
サスペンション:前マクファーソン、後車軸式
価格:2,950,000円(税込)~

スペックを見るとサスペンション形式が残念だ、特に後輪は是非独立懸架を入れてほしかった。非常にコストダウンの匂いが濃厚だ。

ホンダ新型「オデッセイ」のフロント画像
↑ ホンダ新型「オデッセイ」のフロント画像、外観からはホンダ色が薄れてどこのメーカーの車だか分らない、なんとなくエリシオンの匂いをサイドに残しつつ全体的にはうまくまとめたデザインだと思う、サイドのすっきり感に比較してフロントグリルはかなりしつこいデザインだ、画像はメーカーサイトより拝借

ホンダ新型「オデッセイ」のリア画像
↑ ホンダ新型「オデッセイ」のリア画像、もう後ろから見るとひしゃげたヴェルファイアのようでもありエルグランドのようでもあり個性が全く感じられない、逆に言うと無難な仕上がりで失敗を極端に恐れたデザインのような印象を受ける、画像はメーカーサイトより拝借

ホンダ新型「オデッセイ」のサイド画像
↑ ホンダ新型「オデッセイ」のサイド画像、フロントガラスの傾斜が非常に強いことが分る、それ以外は実用性を重視した形状となっている、ルーフは後端までほとんどそのままの高さだ、3列目のヘッドクリアランスも確保できているのではないだろうか、実用性は高そうだがやはり個性は感じられないデザイン、ウィンドウ部分が少々大きく感じられキャビンが重たく感じる、画像はメーカーサイトより拝借

ホンダ新型「オデッセイ」のインパネ画像
↑ ホンダ新型「オデッセイ」のインパネ画像、センターコンソールの各コントロールがタッチパネル化している、ブラインドタッチができないので個人的には賛成できない、Aピラーの傾斜が強い、シフトレバーは従来からあるインパネから生えてるタイプ、もう少し何とかならないものかと思う、画像はメーカーサイトより拝借

ホンダ新型「オデッセイ」の室内画像
↑ ホンダ新型「オデッセイ」の室内画像、これはカットモデルだが3列でも各足元が広くかなり余裕がありそうだ、3列使用での荷室は全く機能しない広さだ、1列目2列目のシートは立派だが3列目は極端にショボい、きっと3列目を畳んでの利用をメインで考えているのだろう、このあたりが少し中途半端な気もする、画像はメーカーサイトより拝借

冒険の足りない新型オデッセイ

ミニバンとしては基本的なことを最低限押さえた印象で、これにホンダらしい走りの部分が加わった感じだ。だが後発としての画期的なモノはほとんど無く、現在のところライバルたちの後追いになっている。そういう意味ではこの新型「オデッセイ」ほとんど冒険をしていないのではないだろうか。そこがちょっと残念だ。

今日はこのへんで
では