管理人TomTomは無線とは長い付き合いなのだがこうした発想は全く無かった。世の中には悪い奴がいて悪知恵を働かせているのだ。
どういう仕組みかというと、車上荒らしをしようとする悪い奴は電波の中継器(レピーター)を使ってスマートキーからの電波を中継する。車両側は中継された強い電波を受信し、いかにも近くにスマートキーがあると錯覚してロックを解除するという仕組みなのだ。
前提にスマートキーからの電波が弱いが受信できるという条件があるので自宅近くで起こり得る事なのだ。
スマートキーとは?
簡単に説明すると一種の送信機で固有の番号を埋め込んだ電波を発している。
車両側では常に信号を受信していて、受信した信号の固有の番号が自車のモノかどうかを判定し操作を受け付けるかどうかを判断している。車上荒らしや車両盗難に対してはこの固有番号の埋め込みがあり十分対応できている訳だ。
電波の中継に使うレピーターという装置がある
無線の世界では随分と昔から電波を中継する仕組みがある。具体的には装置の事なのだが一般的にレピーターと呼ばれているモノだ。レピーターとは受信した電波を増幅して送信する。
実際の状況としては次のようなことが分かり易いと思う。
ビルの中の奥まった場所で電波が弱く携帯電話での通話ができないとする。この時にビルの中で電波が十分届いている場所にレピーターを設置する。このレピーターが電波を中継する。携帯電話は中継された電波を使用して通話が可能となるのだ。
最近では携帯電話や無線LANでもこうしたレピーターが登場しているので使っている方も多いと思う。
↑ AUのレピーターの仕組みの図、本来は電波が届きにくい場所の状況を改善するためのモノで中継装置である、画像はAUサイトより拝借
問題はなんなのか?
この問題の問題点はいくつかあると思うので書き出してみた。前提としては車のスマートキーの電波を扱うという事だ。
- モバイルで使用可能なレピーターであること:車上荒らしの犯人はモバイルだ
- スマートキーの電波を中継できること:変調方式等々技術的に難しい部分もある
- こうした機器が闇で流通している事:誰でも入手できるとなると大変
今回の車上荒らしは上記のような条件が揃わないように早急に対策する必要がある。そうでないとスマートキーの車はすぐに開錠できてしまう事になる、なんと恐ろしい事だ。
自衛対策としてはスマートキーが電波を出さないようにシールドケース(金属の箱)に入れることが必要だ。
スマートキーのあり方を根本的に変えてしまうかもしれない
確かにスマートキーは大変便利なものだ。一度使うと手放せなくなるのではなかろうか。
スマートキーのような電波を使う仕組みに対して反対するものでは無いが、バックアップの仕組みとこうした技術的な盲点を無くすべきだろう。スマートキー自体も日本では電波法の問題もあり赤外線方式からやっと現在の形になったという経緯もある。
これからの仕組みを考えていく上でよくよく考えて行かないとうまく行かないだろう。いっそのこと現在のおサイフケータイと同じような仕組みで良いのではないだろうか。ただしこれもレピーターで中継できない事が条件だが、これならセキュリティーが保たれているので車上荒らしや車両盗難に対しても現在の方式よりは安心ではないだろうか。
管理人TomTomは出先でスマートキーの電池が切れてしまい難儀したことがあるのでこういう場合のバックアップも十分考えてほしいものだ。
自衛手段としてはこういうのもある
管理人TomTomも昔付けていたのだが簡易型の盗難防止装置もある。例えばユピテルVE-S37RS(Amazon)だ。
警戒中に車に衝撃が加わった時、ドアが開かれたとき、車が傾斜した時に音と光で警告をしてくれる機器でリモコンにも通知してくれる。純正のキーで車を解錠しても盗難防止装置を解除しなければこの種の犯罪は検知できるのが簡易型の強みになった。今までは純正のキーで盗難防止装置も連動するのが良いとされてきたが、これでは対処出来ない時代になってしまった。
安価なので十分に検討する価値はあるだろうと思う。
↑ 管理人が使っていたユピテルのVE-S30、この画像は取説表紙、この機種はシガーライターから電源を取って充電するタイプ、振動と傾斜に加えて移動を検知するので車内や車外をウロウロすると反応する優れもの、専用リモコンでの操作とイグニッションに連動した設定も可能だった、簡易式だが非常に効果的、見てくれがイマイチなのが玉にキズだった
今回はこのへんで
では