思うに現行の車で楽しく走れる車は非常に限られモデルが少なくなってしまった感がある。
その原因はユーザーのスポーツカーに対する興味が失われてしまった事やメーカーのこだわりが無くなってしまった事等々様々な原因があると思う。
それに2ドアや3ドアハッチバックのようなドア数の少ない車も実用性が無く台数が出る状況ではない。
そこで管理人TomTomの独断で現代の車では持ち合わせていないスポーツスピリットを持ったコンパクトな車を2000年前後の絶版車からピックアップしてみた。
第1弾としてトヨタの過去の車を取り上げてみた。トヨタの場合ホンダのType-Rのように、なかしらのスピリットや主義主張がある訳ではない。
しかし良く見てみると結構過激な性能やコンセプトの車もあり大変面白いのだ。
古くて熱い絶版車の選択基準と内容
今回ピックアップした際の基準としては次のような感じだ。管理人TomTomの主観が大いに入っているのでご容赦を。
- 車格的には概ね小型から中型の車(1,000cc~2,000cc)
- ボディーサイズは5ナンバーが良い
- パーツを変えることによりサーキットへ持ち込んで走れそうな車
- パワーと車重のバランスがある程度取れている車
- ターボは除外、NAを対象とする
また記述の方法としては次のようになっている。
- エンジン形式、最高出力、最大トルク、ガソリン種類、タンク容量
- レイアウト、ミッション
- ボディーサイズ、車重、パワーウェイトレシオ(◎大変良い/○良い/△まずまず)
なお各モデルの掲載順序は順不同。
MR-S(TA-ZZW30、2002年~2007年)
1ZZ-FE、1,794cc、140ps/6,400rpm、17.4kgm/4,400rpm、レギュラー、48L
MR、6MT/6AT(シーケンシャル)
3,895mm×1,695mm×1,235mm、1,010kg、P/W:7.21kg/ps△
貴重なミッドシップ、2002年から6速化された、非常に貴重な2ペダルのシーケンシャルミッションがある。
サーキットへ持ち込むのならロールバーを装着しないと怖い。アンダーパワーだがミッドシップなので面白そうだ。
荷物を積むスペースが非常に少ないので要注意だ。
↑ トヨタMR-S、日本車としては貴重なミッドシップの1つ、意外と車重が軽いがエンジンが非力、これを腕でどう料理するかが面白そう、サーキットへ持ち込むのならロールバーが必要だろう、S660と同様に荷物の積載スペースが無い車なので割り切りが必要、画像はメーカーサイトの過去カタログより拝借
MR2 2.0 G(1997年12月~1999年10月最終型)
3S-GE、1,998cc、200ps/7,000rpm、21kgm/6,000rpm、ハイオク、54L
MR、5MT
4,170mm×1,695mm×1,235mm、1,210kg、P/W:6.05kg/ps○
こちらも国産車では貴重なミッドシップ。NAでは97年12月以降のモデルが200ps、それ以前は180psであった。MR-Sとは異なりキチンとトランクを装備するところが良い。
↑ MR2のGグレード、GTグレードはターボモデル、このGグレードは最終型のみ200psそれまでのモデルはは180psだった、これでミッションに6MTがあれば言う事なしなのだが、画像はメーカーサイトの過去カタログより拝借
カローラランクス1.8Z(CBA-ZZE122)/アレックスRS180(TA-ZZE123)(2001年~2006年)
2ZZ-GE、1,795cc、190ps/7,600rpm、18.4kgm/6,800rpm、ハイオク、50L
FF、6MT
4,175mm×1,695mm×1,460mm、1,170kg、P/W:6.16kg/ps○
↑ カローラランクス、カッコは良くないが実用的なハッチバックボディー、良好なパワーウェイトレシオなのでビックリな車、同じエンジンのセリカのほうが少し軽い、画像はメーカーサイトの過去カタログより拝借
カローラランクス1.8TRDスポーツM(TA-ZZE123、2001年1月~2006年9月)
2ZZ-GE、1,795cc、205PS/7,600rpm、19.7kgm/6,800rpm、ハイオク、50L
FF、6MT
4,175mm×1,695mm×1,435mm、1,150kg、5.61kg/PS
↑ カローラランクスTRDスポーツM、モデリスタの特別仕様車だ、ノーマルモデルよりもエンジンの出力が上がっているので要チェックな車なのだ、中古車では極端にタマが少ないので今となっては希少車だ、画像はネット上から拝借
WiLL VS 1.8VVTL-i(TA-ZZE128、2001年~2004年)
2ZZ-GE、1,795cc、190ps/7,600rpm、18.4kgm/6,800rpm、ハイオク、50L
FF、6MT
4,385mm×1,720mm×1,430mm、1,150kg、P/W:6.05kg/ps○
カローラランクスとアレックス、それにWiLL VSは兄弟車となる。
WiLL VSは外装が特徴的な車だが中身は同じだ。
同じエンジンを積むセリカのほうが車重が軽いがランクス系は実用性のあるハッチバック形状のボディー。
パーツが少ないのでその点は多少不安が残るが良好なパワーウェイトレシオの車。
↑ WILL VSちょっと変わったコンセプトの車だが実用性のあるハッチバック、ランクス/アレックスの兄弟だ、画像はメーカーサイトの過去カタログより拝借
アルテッツァ2.0RS200(GH-SXE10、1998年~2005年)
3S-GE、1,998cc、210ps/7,600rpm、22kgm/6,400rpm、ハイオク、60L
FR、6MT
4,400mm×1,720mm×1,410mm、1,350kg、P/W:6.43kg/ps○
ちょっと重めだがFRマシンとして未だに人気がある。レクサスISの原型となった車で均整のとれた4ドアセダン。
↑ アルテッツァ、端正な4ドアセダン、少しだけ5ナンバー枠をはみ出ているが十分コンパクト、少し車重が重いのが残念だ、画像はメーカーサイトの過去カタログより拝借
カローラアクシオ1.5GT(DBA-NZE141、2008年~2012年)
1NZ-FE、1,496ccターボ、150ps/6,000rpm、20kgm/4,800rpm、ハイオク、50L
FF、5MT
4,435mm×1,695mm×1,430mm、1,160kg、P/W:7.73kg/ps△
比較的新しいまったく普通のセダンであるカローラアクシオにターボを引っ付けたモデル。
あまり目立たないが隠れた面白そうな車。
もう少しパワーがあれば面白いかもしれない。中古車は非常に高い価格が付いている。
↑ カローラアクシオGT、こんな車があったのかと初めて知る人も多いかもしれない、見てくれは普通の営業車みたいなところが良い、もう少しパワーがあれば言う事なし、画像はメーカーサイトより拝借
カリーナ1.6GT(GF-AT210、1998年~2001年)
4A-GE、1,587cc、165ps/7,800rpm、16.5kgm/5,600rpm、ハイオク
FF、6MT
4,495mm×1,695mm×1,400mm、1,160kg、P/W:7.03kg/ps△
4A-GEを積むカローラと兄弟車だが車重が重いのでキャリパーが強化されている。ちょっとマニアックな選択肢で面白いかも。
↑ カリーナGT、エンジンは4A-GEでカローラ系と共通だが少し車格が上の設定、具体的には重量が重い分だけキャリパーが異なる、画像はメーカーサイトの過去カタログより拝借
カローラ1.6GT(AE111、セダン1997年~2000年)
4A-GE、1,587cc、165ps/7,800rpm、16.5kgm/5,600rpm、ハイオク、50L
FF、6MT
4,315mm×1,690mm×1,385mm、1,100kg、P/W:6.67kg/ps○
端正な外観のセダンボディーに6MTと4A-GEが積まれていてそのギャップが楽しい。
まだパーツもありそうなのでマニアックだが良い選択肢。スプリンター版もある。
↑ カローラGTセダン、もう普通のオッサンセダンなところが渋い、これで4A-GE+6速MTなので泣かせる、デザインも今見てもクリーンでシンプル、サイズもちょうど良いサイズだと思う、画像はメーカーサイトの過去カタログより拝借
カローラレビン1.6BZ-G(AE111、1997年~2000年)
4A-GE、1,587cc、165ps/7,800rpm、16.5kgm/5,600rpm、ハイオク、50L
FF、6MT(97年3月までは5MT)
4,305mm×1,695mm×1,305mm、1,060kg、P/W:6.42kg/ps○
この年代では定番の選択肢。
それだけにパーツも多く出ているのでまだしばらくは楽しめそうだ。こちらもスプリンター版がある。
セッティングの簡単なスーパーストラットではない普通の足回りのモデルがお勧め。
↑ カローラレビンBZ-G、この時代の走る車として定番の車、この上のグレードにBZ-Rがあるがフロントがスーパーストラットという形式でアフターパーツが限られるのでBZ-Gがお勧め、画像はメーカーサイトの過去カタログより拝借
セリカ 1.8 SS-II(TA-ZZT231、1999年~2006年)
2ZZ-GE、1,795cc、190ps/7,600rpm、18.4kgm/6,800rpm、ハイオク、55L
FF、6MT
4,340mm×1,735mm×1,305mm、1,120kg、P/W:5.89kg/ps◎
デザインの好き嫌いはあるだろうが今となっていは貴重なクーペボディー。
このエンジンは現行のロータスエリーゼにも積まれるエンジン。パワーウェイトレシオが素晴らしい。
セッティングの簡単なスーパーストラットではない普通の足回りのモデルがお勧め。
↑ セリカTA-ZZT231、デザインが非常に前衛的だ、意外と軽いボディーで良好なパワーウェイトレシオ、画像はメーカーサイトの過去カタログより拝借
セリカ 2.0SS-II(E-ST202、1997年~1999年)
3S-GE、1,998cc、200ps/7,000rpm、21kgm/6,000rpm、ハイオク、60L
FF、5MT
4,435mm×1,750mm×1,305mm、1200kg、P/W:6.00kg/ps○
上記セリカの1代前のモデル。
エンジンが異なり車重も重いが良好なパワーウェイトレシオ。
このモデルはWRCにトヨタが出ていた最後の時期となる。
セッティングの簡単なスーパーストラットではない普通の足回りのモデルがお勧め。
↑ セリカST205、WRCやサファリラリーで良く目にしたボディーで懐かしい、グレードにGT-Fourという4WDモデルもあるが非常にタマが少ない、画像はメーカーサイトの過去カタログより拝借
デュエット1.3V Sパッケージ(TA-M101A、2000年~2001年・前期)
デュエット1.3S(LA-M101A、2001年~2004年・後期)
K3-VE2、1,297cc、110ps/7,000rpm、12.8kgm/4,400rpm、ハイオク、40L
FF、5MT
3,690mm×1,600mm×1,435mm、850kg、P/W:7.73kg/ps△
かなりマニアックな選択肢だが1.3Lエンジンでは日産マーチ12SRと並んで最強エンジンだろう。
ボディーが非常に軽く仕上がっているのでパワーウェイトレシオがなんとか7kg/ps台に収まっている。
パーツはダイハツの軽自動車のパーツが使えるが豊富ではないのでかなりマニアックだ。
前期は宇宙船のようなデザインで味がある。
↑ デュエット前期、この時代のモデルは1.3Lエンジンは共通、つまりSパッケージが付いても付かなくてもK3-VE2を積む、どこかシュールなデザインが良い味を出している、画像はメーカーサイトの過去カタログより拝借
↑ デュエット後期、後期になってやっとまともな小型車になった、後期は1.3SだけがK3-VE2を積むので要注意、軽量コンパクトで隠れたマニア車なのだ、画像はメーカーサイトの過去カタログより拝借
トヨタのちょっと古くて熱い車の感想
この時代のトヨタはスポーツカーやスポーティーカーに対して脈絡が無い。
同じ時期ホンダならType-Rという旗印を掲げてコンセプトを統一して分かり易いが、トヨタはコンセプトなんか無いようだ。
ただ個々の車を見てみるとかなり試行錯誤し作り上げるのに苦労した後が垣間見える。
現代であればG’zのシリーズのようにコンセプトを打ち出した上でラインアップしているのでコンセプトが分かり易くなっている。
それだけに個々の車は見どころがあると思う。
現代の車では無く少し古い車で面白い車を探しているのであれば参考にしていただけると幸いである。
管理人はカーセンサーで中古車を探すんです
カーセンサーnetの良いところは中古車の詳細ページから該当車両のスペックがすぐに確認できる点。
管理人もいつも使ってるのでおすすめです。
今回はこのへんで
では