改めて「Clio CUP CAR」を見てみる、86/BRZワンメークとは違いスパルタン

日本ではClioという名前ではなくルーテシアというネーミングで発売されているルノーのコンパクトカーにはホットバージョンがある。
ベース車をルノースポール(RS)がチューニングしたバージョン「Clio RS 220 Trophy EDC」だ。元々はClioワンメークレース用の車両を市販車用に仕立て直した車なのだ。
今回はこのワンメークレース用車両「Clio CUP CAR」を見てみることにしよう。

「Clio CUP CAR」のスペック

公式に発表されている「Clio CUP CAR」のスペックは次の通りだ。

ボディー:Clio Renaultsport スチールボディー、溶接ロールゲージ
エンジン:Renault M5Mt、4cylinder、16valve、1,618cc、直噴ターボ
最大出力:220hp/6,000rpm
最大トルク:270Nm/2,500-5,500rpm
最高回転数:6,500rpm
エンジン制御:コスワース SQ7 Di-XAP
ミッション:Sadev ST82-17 6速シーケンシャル
ミッション制御:XAP electric control、セミAT、ステアリングパドル付き
デフ:Sadev 23/90 self-locking LSD
クラッチ:AP Racing クラッチディスク
サスペンション前:マクファーソンストラット、調整式ダンパー
サスペンション後:トーションビーム、調整式ダンパー
ブレーキ前:フローティング330mmベンチレーティッドディスク、ブレンボ4ピストンキャリパー
ブレーキ後:フローティング260mmソリッドディスク
タイヤ:ダンロップ 21-62×17インチ
ホイール:スピードライン8J×17インチ、アルミワンピース
サイズ:全長4,090mm×全幅1,945mm×全高1,429mm
ホイールベース:2,576mm
トレッド:前1,550mm、後1,520mm
タンク容量:40L
車両重量:1,080kg
P/Wレシオ:4.91kg/hp
「Clio CUP CAR」のフロント画像
↑ 「Clio CUP CAR」のフロント画像、見れくれはノーマルのClioとそれほど変わらない、外見から分かるのはリアに巨大なウィングが付いている事だけだ、ヨーロッパのこうしたワンメークレース車両はほぼコンプリート状態で市販される、「Clio CUP CAR」はナンバー付き車両では無くレース専用車だ、画像はネット上から拝借

「Clio CUP CAR」のフロント画像その2
↑ 「Clio CUP CAR」のフロント画像その2、良く見ると牽引フック表示やボンネットピンが付いているのが分かる、ルーフには走行風の取り込み口がある、タイヤはダンロップのスリックタイヤでワンメークだ、画像はネット上から拝借

ワンメークレースと言えば日本では86/BRZがある

ワンメークレースと言えば日本では86/BRZがあり、そのための車両として「86 Racing」や「BRZ RA Racing」がある。これらと「Clio CUP CAR」が大きく異なるのはミッションだ。「Clio CUP CAR」のミッションはシーケンシャルになっていて電子制御式となっている。
ワンメークレースと言ってもその趣旨が異なるので車両価格を安くしようとする86/BRZのほうがより市販車に近い。現実に86/BRZワンメークレースはナンバー付き車両となる。ナンバーが付いて公道を走れるかどうかが決定的な違いだろう。
日本の86/BRZワンメークレース用車両
↑ 日本の86/BRZワンメークレース用車両の86Racing、こちらは普段でも乗れる車両だ、通常の86と異なるのはロールバーが入っているくらい、オイルクーラー等も追加されているが見えない場所だ、そのままワンメークレースに出場できるわけではなく足回りやタイヤホイールやシート等をさらに調達しなければならない、画像はメーカーサイトより拝借

「Clio CUP CAR」の画像

ネット上を徘徊して「Clio CUP CAR」の画像を集めてみた。Clio CUP自体はヨーロッパの様々な国で開催されているらしく盛んなようだ。
「Clio CUP CAR」走行画像その1
↑ 「Clio CUP CAR」走行画像その1、なんでもリアのウィングがかなりのダウンフォースを発生するらしい、17インチのタイヤホイールを履くタイヤはスリックタイヤだ、フロントに強いネガティブキャンバーが付いているのが見て取れる、画像はネット上から拝借

「Clio CUP CAR」走行画像その2
↑ 「Clio CUP CAR」走行画像その2、ボディー自体は市販車そのまま、ルーフの上にインプレッサでも一時期あった走行風の取り込み口が付いているのが楽しい、当然エアコンレスなのでコックピットは非常に暑いのだろう、車高はそれほど下がってなくてサスペンションストロークを十分生かせるセッティングのようだ、画像はネット上から拝借

「Clio CUP CAR」コックピット
↑ 「Clio CUP CAR」コックピット、内部はどんがらのレーシングカーそのもの、不要なモノはすべて排除されている、ステアリングホイールの右にあるレバーがシーケンシャルミッションのレバー、画像はネット上から拝借

「Clio CUP CAR」コックピットその2
↑ 「Clio CUP CAR」コックピットその2、スペック表に記述は無いがたぶんパワステアリングなのだろう小径ステアリングホイールが付く、なぜか助手席も付いているのはレギュレーションなのだろう、画像はネット上から拝借

 

ヨーロッパでのClio CUPは参加台数も多く非常に盛んなようだ。モータースポーツのエントリーレベルのレースだろうが車両もかなり本格的なモノとなっている。
片や、日本でもトヨタが力を入れている86/BRZワンメークレースだが一般の人には情報が届いていない。せっかくプロとアマが分離して面白くなってきているのでもう少しテレビや雑誌それにWebで露出しないといけないだろう。
こうしたモータースポーツの底辺をもっともっと育成していく必要があるだろう。

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今回はこのへんで
では