レクサス「RC F」に回転バランス取りエンジンを搭載、昔ながらの手法だがスムーズなエンジンには必須

現代の自動車は非常に高精度だ。
特にエンジンは時代が求めるパワー、フィーリング、燃費性能、環境性能の全てを満たす必要がありそのために精度が必要なのだ。
ただ回転バランスとなると話は別だ。
RCFのリア画像
↑ RCFのリア画像、アグレッシブな外観のRCFだ、エンジンの回転バランスを取るようになるとさらに動力性能というよりもそのドライビングフィールがさらに良いモノになる事だろう、価格からするとリーズナブルなのでは無いかと思う、画像はメーカーサイトより拝借

エンジンのバランス取りって?

エンジンは沢山のパーツで組まれている。
もちろんエンジンを構成する個々のパーツの公差は許容範囲内に収められて重量差が出ないようになっている。
特にエンジン内部で動く部品、クランクシャフト、ピストン、コンロッド、吸排気バルブ等々の事だ。ただしこれは静止状態での事だ。

これに対して回転している時のバランスを取ることもある。これはタイヤホイールのバランスを取るのを想像すると分かり易い。タイヤホイールを組んだ状態でバランサーと呼ばれる機械にかけてウェイトを貼り回転している状態でバランスを取る。
これと同じことをエンジンで行う訳だ。

エンジンのチューニングって色々ある

またまた大昔の事で恐縮だが、ターボが今みたいに一般的では無い時代の事だ。
NAエンジンのチューニングでパワーを上げようとすると排気量アップをするしかなかった。

そういう時代でもファインチューニングというやり方もあってスムーズに高回転まで回るエンジンにするという目的で今回の話題のような回転バランスをとるというやり方もあった。特に競技等でエンジンのレギュレーションが決まっている場合はこうした手法を取ることが多いだろう。

エンジン内部のチューニングって手間が掛かる

このようなエンジンのチューニングは現代のようにECUを交換したりサブコンを取り付けたりしてチューニングする訳ではない。
エンジン内部の各パーツを削ったり加工したり組み付けたり人間が行わないといけない。それだけにコストと時間が掛かるのだ。

特にバランス取りをするのであればクランクシャフトのダイナミックバランスを取ったり、動くときのことを考慮したチューニングが必要なのだ。これにはさらに手間が掛かる。
RCFのV8エンジン2UR-GSE
↑ レクサスRCFの2UR-GSEエンジン、V8の4.968ccから477PS/7,100rpmを発揮する、最近にしては高回転型のエンジンで回して楽しむタイプだ、画像はメーカーサイトより拝借

そんな「RC F」のエンジンは手間が掛かっている

今回の発表は「RC F」の生産ラインに回転バランスを調整する工程を追加したという事だ。
そこで何をしているのかは詳細が分からないが、ひと手間掛けてNAのV8らしいスムーズな回転フィールを実現しているのだろう。
古いコンサバな手法で仕上げられた「RC F」のV8のNAエンジンだ。
4.968ccから477PS/7,100rpmという高回転型のエンジンだからよりフィールが良くなっている事だろう。
良いモノには手間暇を掛けるという姿勢の表れだ。まるで職人集団のようだと思う。

今回はこのへんで
では