山深い場所で困らないために山岳路の安全な走り方、ポイントは対向車と動物

管理人は車で出かけるツーリングが大好きだ。
イメージとしては旅先の食べ物とかを味わうのとその過程の走りを楽しむのと半々くらいだと思う。
長年様々な形で車でのツーリングを楽しんできたが、走るのは山の中が圧倒的に多い。
何故かと言うと高速道路を走るのが極端に嫌いなのだ。
そういった険しい山岳路を安全に走るにはどうしたら良いか?という事をまとめてみた。
読者の皆さんの参考になると大変うれしい。

NCロードスター篠山にて
↑ NCロードスター篠山にて、山岳路と言ってもイロイロある、こうした非常に気持ちの良い道もある、しかし峠もあるし山の中の道には違いない、こうした山岳路を安全に走るにはどうしたら良いかまとめてみた

そもそも山岳路とはなんだ?

山岳路と言ってもイロイロあると思う。
ココで言う山岳路とはまさに山の中の道路という事なのだ。管理人TomTomは具体的には紀伊半島の山岳地帯をイメージしている。
狭いところは道路幅が車1台分で所々に離合できる待避所のようなスペースが確保してあるような林道に近い道だ。
ただダートでは無くて舗装はしてあるという道を想像してほしい。

こうした山岳路は危険が一杯だ。片側には山が迫り一方には谷へ斜面が落ち込んでいる。紀伊半島の山中ではそれこそ底が見えないような深い谷も珍しくない。

しかも木々が生い茂り昼間でも薄暗く細くくねくねと曲がっている道というイメージだ。

プリウスPHV谷瀬のつり橋
↑ プリウスPHVで行った奈良県の十津川村その2、奈良県十津川村の中央に位置する谷瀬の吊り橋、この吊り橋は非常に高くて怖い、風が吹いて揺れでもしたら足がすくむのだ、覚悟して行かれたし、この辺りは2011年の台風12号で甚大な被害を受けたところ

山岳路の最大のポイントは対向車なのだ

こうした狭い山岳路の走行で一番気を使う事は何か?

それは対向車なのだ。特に昼間は先読みできないために非常に気を使う。

ブラインドコーナーの向こうから突然姿を現す対向車、備えが無いとパニックになる事がある。
このためコーナーに入る際には対向車が来ることを前提としたドライビングが必要になるのだ。

さらにすぐに減速できるようにブレーキへのレスポンスが要求される。
なんせ1車線しか無く見通しのきかない山岳路ではすぐに減速できる準備が一番重要だ。
こういった時ブレーキペダルに足を掛けてから制動力が素早く立ち上がる車やセッティングが理想だ。

プリウスPHV奈良県の十津川村
↑ プリウスPHVで行った奈良県の十津川村、熊野の奥の院と言われている奈良県十津川村の玉置神社へ行った時のもの、十津川村の中心からかなり登らなければならない、こうした1車線の道はイン-イン-インで走るのが良い、間違ってもブライドコーナー前でアウト側に膨らんではいけない

山岳路の心構え

こうした山岳路を走る際の常識と言うか心構えがいくつかある。

登りと下り、どちらが優先?

もちろん登りの車が優先なのだ。
最近はこれを知らないのか通用しないドライバーが多い。山岳路に関わらずこれは守りたいポイントである。

何故、登りが優先なのか?

これは積雪や凍結した時のことを考えれば分かる。
路面のミューが低い時に登りこう配での発進が大変難しいのだ。だからこう配のある道路では登りの車が優先なのだ。
仮に登りこう配の道路で止まってしまったら再発進が出来ない時もある。滑って道路をふさいでしまうかもしれない。
そうなると離合が出来なくなり通過するのに余計に時間が掛かってしまう。

でかい車と小さい車

山岳路では工事用のでかい車両や路線バスと出くわす事もある。
そうした時にどちらがよけるかは小さい車の役割だ。それでなくても狭い道で大きな車を操作するのは大変難しい。
ここは動きやすい小さな車が動いてよけるようにする。

昼間でもライト点灯

昼間でも薄暗い山岳路では早めにヘッドライトを点灯する。
そうすれば早期に対向車が発見してくれるし、自分でも見やすくなる。
ここはカッコなんてかまっている場合ではない。

山に入る前はガソリン満タン

山岳路に入ることが分かっている場合は早めの給油を行う。
勾配がきつく燃費が悪くなることがあるためだ。
ガス欠になると走れないだけではなく命に係わる事もある。
例えば路肩を踏み外して走行不能な状態に陥った時、車内でそのまま一晩過ごさなければならない時もあるかもしれない。
こうした時にガス欠だと本当に命に係わるのだ。

スイフトスポーツ兵庫県銀山湖
↑ スイフトスポーツで行った兵庫県生野の銀山湖、この時は兵庫県から岡山県と鳥取県を経由し島根県の出雲まで山の中を繋いで走った際の復路だ、山岳路で怖いのは対向車と動物なのだ

山の天気や季節に注意する

管理人TomTomもこれには難儀した事がある。
出掛ける前であれば情報収集がモノを言う。
現地ではその場の状況判断がモノを言うので冷静に判断しなければならない。

雪で難儀した

3月の末に紀伊半島に入った時の事だ。
山岳路を進むとなんと積雪があるではないか。
もちろん他の場所では雪は降っていないし積もってもいない。しかし山岳路の峠では雪があったのだ。

この時はどうにもこうにも峠を登れなかったので引き返した。
早めにあきらめて引き返す勇気も必要だ。

雨で難儀した

雨でも大変なことになった事がある。
2011年の台風12号がやってくるというまさにその日、たまたま紀伊半島へ行く計画を立てていた。
出発前にニュースを見ていると紀伊半島の河川の水位が上昇し溢れそうになっているという事だった。
これを見て管理人TomTomは紀伊半島に行くのを中止したのだが正解だった。

後ほど再度ニュースを見てみると通る予定だったルートがことごとく水没し大きな被害が出ていた。
この復旧には何年も要したほどの大きな被害だった。
もし悪天候を押して紀伊半島へ出かけていたならどうなっていたか想像もつかない。

スイフトスポーツで行った戸倉峠
↑ スイフトスポーツで行った雪の残る兵庫県養父市の戸倉峠、この時は3月の終わりだったが兵庫県中央部の養父市の戸倉峠の旧道には雪が残っていて引き返してきたところ、この先には足首くらいの積雪があり到底通過できない、もう4月になろうとしているのに山ではこんなことが起こる、素直に引き返すのが得策だ

夜の山岳路は危険が一杯、夜行性の動物たち

管理人TomTomは元々ラリーをしていたので夜間の暗い時に林道を走る事が習慣になっていた。
ところが最近はこれが怖くなってしまった。

夜の山岳路は走りやすい

夜の山岳路はある意味走りやすいのだ。
何故かと言うと、対向車がヘッドライトでかなり手前から分かるからだ。

対向車の心配をしなくても良いのなら夜の山岳路は天国なのだ。それこそリズムよく走る事ができる。
さらに谷底が暗くて見えないので恐怖心が湧かないというメリットもある!?

しかし動物さんがたくさん

ここ10年程で感じたり実際に遭遇した事だが動物が出てくることが非常に多くなった。
管理人TomTomはこうした山岳路とまではいかないが山の中の道路で夜間に鹿と2回も衝突している。
いずれも県道で広い道だったが自走不可となりレスキューを要請したのだった。

これはラリー現役の時代(20年くらい前)では感じなかったし衝突する事も無かったので最近の傾向なのだ。
衝突した時はいずれも全開で走っている時では無かったので車が壊れた以外は被害は無い。
もしも全開で走っている時に動物が飛び出てきたらと思うと考えるだけでも背筋が寒くなる。

野生の山の動物はほとんどが夜行性だ。従って夜間に山岳路や山の中の道を通る際には十分注意する必要がある。
こうした理由から今では管理人TomTomは夜間に山岳路にはできるだけ入らないようにしている。
もし入ってもかなりペースを落として走るようにしている。

ここでポイント!
鹿と山の中で出くわすとクラクションを鳴らす事だ。
ハイビームは全く効果が無い、逆に光に向かって近づいてくるので注意が必要だ。
なんせ車に取り付ける鹿除けの笛が市販されているのだ。山に行く時にはこれを装備して行っても良いだろう。
大きな鹿は100kgを超えるので衝突すると自走はまず無理と考えた方が良い。

 

 

スイフトスポーツで行った多紀連山
↑ スイフトスポーツで行った兵庫県篠山市の多紀連山、秋になると山はきれいに色付くなかなか気持ちの良いモノだ、走りも楽しいが心も癒される、こうした山岳路を走るのであれば小型で反応の良い車そして燃費の良く航続距離が長いに越したことは無い

山岳路でのライン取りとかブレーキングとか

ではそんな山岳路を走るにはどのようなドライビングが必要なのだろうか。

ライン取りはイン-イン-イン、つまりインべた

ブラインドコーナーなら基本的に自分の車線をキープなのだ。それにはイン-イン-インで走る事だ。
見通しの良いところだとアウト-イン-アウトが使える。

ただし、ここで重要なのは2車線ある道路でも自分の車線内での事だと考えてほしい。
自分の車線の中でのアウト-イン-アウトをするのだ。

山岳路では車両感覚がモノを言う

なんせ道幅が狭いから自分の車線の中でのライン取りとなる。
有視界走行(当たり前だが)では対向車が現れてからの操作では間に合わない事があるのだ。

従って自分の車線内でシビアに車を寄せてラインを作り出す。それにはかなり繊細な車両感覚が必要だ。
この車両感覚をキチンと身に付けないうちは山岳路は走らない方が良い。他人に迷惑を掛けてしまう事になる。

ブレーキングはコーナー中でも引きずる事が前提

本当に細い山岳路では直線部分がほとんど無い事が多い。
従ってコーナー手前のブレーキングも曲がりながらのブレーキングが必要となる。
曲がりながらだから微妙に調整しながらブレーキングする必要もある。あまり強く踏むとアンダーステアが出てしまうからだ。
山岳路を走るなら曲がりながらのブレーキングに慣れておいた方が良い。

NCロードスターで行った篠山
↑ NCロードスターで行った兵庫県篠山、山を走っていると時々素晴らしい風景に出くわすことがある、山岳路の一つの楽しみなのだ

山岳路に備えた車の装備

山岳路を走るからと言ってそれほど特別な装備は無いが次のモノは用意したい。

スペアタイヤ

最近の車はパンク修理材対応でスペアタイヤが無い事が多い。
山岳路では路面が悪かったり岩が付き出たりしていてタイヤがバーストする可能性もある。
もしバーストすればパンク修理材では対応が出来ない事は知っておいた方が良い。
その時はスペアタイヤに交換してとりあえず山岳路から出てしまう事だ。

地図とナビ

こうした山岳路を走っていると、どこを走っているのか分からなくなる時がある。
つまり迷子となっているという事だ。この時に重要なのがナビだ。
何故ナビが重要なのかは現在位置が分かるからだ。
ただし行き先設定は山岳路がナビの地図に載っていないという事もあるので地図を併用する事をお勧めする。

山の中でも使えそうな電話

もし山岳路で何かあった時のために連絡手段を確保しておきたい。
もちろん現実的には携帯電話という事になるだろうが、目的のエリアで圏内であるキャリアを選択すべきだ。
管理人TomTomはこれで難儀した事が何度かある。
携帯電話が通じないとレスキューを呼ぶことが出来ないのだ。

TomTomのNCロードスター、ATだけど車高調とLSD入り
↑ NCロードスターで行った京都府亀岡市、車高の下がったNCロードスターでもガシガシ山岳路を走った、ダートでもない限りほとんどの道は走れるが極端にベタベタの車高はNGだ

 

走る事が好きな人はもちろん、山が好きな人やアウトドアが趣味な人にはこうした事を参考に山岳路を安全に走ってほしい。

安全な走行方法シリーズ記事

2015/09/07
疲れない高速道路の安全な走り方、ポイントは後方と死角の確認

 

今回はこのへんで
では