VWのEA189エンジン排ガス不正問題に思う:その10、ディーゼルだけでは無くガソリンエンジンも!この影響はデカい!!

前回2015年10月31日現在で各国の当局がVWに対して動き始めた事を書いた。
それが今週になって急展開を見せている。
正直言ってやばい事態だ。
VWロゴ

アメリカでは3.0LのV6ディーゼルエンジンでも不正?

EPAが3.0LのV6ディーゼルエンジンでも不正ソフトが見つかったと発表している(2015年11月2日)。
この3.0LのV6ディーゼルエンジンはVW排ガス不正事件の初期から怪しいと言われていたが、ここにきてそれが正式に指摘されたことになる。
これを受けて北米ではポルシェのカイエンの販売がストップしている。
同エンジンはアウディの車両にも搭載されているので波及するのは時間の問題だ。

ヨーロッパではガソリンエンジンも不正!?

ヨーロッパではVWが次の事を明らかにした(2015年11月4日)。

  • 二酸化炭素排出水準や燃料消費を過少表示した
  • ヨーロッパで対象の80万台のうち9万8千台がガソリンエンジンだった

ドイツ政府はこれを受けてVWに対して強い不満を表明している。

これは詳細な情報を待つ必要があるがガソリンエンジンまで不正をしないと規制に合致しなかったのだろうか。
訳が分からない状態になってしまっている。

VWの格付けも引き下げ

格付け会社のムーディーズはこうした動きを受けてVWの格付けを引き下げている。

VWがステートメントを発表

VWがステートメントを3種発表している(2015年11月4日)。

・CO2 排出量の不正に関する監査役会のステートメント

・排ガス問題解明作業の過程で、フォルクスワーゲンの内部調査で CO2 排出量の不正を確認

・米国環境保護庁 (EPA) の発表に関するステートメント

CO2 排出量の不正に関する監査役会のステートメント

監査役会は今回の事を深刻に受け止めている。
監査役会と特別委員会は近いうちに会議を行うという事だ。
※近いうちにと日本語になっているが非常に悠長な事を言っていると思う。

排ガス問題解明作業の過程で、フォルクスワーゲンの内部調査でCO2排出量の不正を確認

VWの内部調査で不正が確認したという内容だ。
VWはここで対象が80万台と言う点と「ほとんど」がディーゼルエンジンであると言及している。
また初期対策費が約20億ユーロになるという試算であるという事だ。
※ガソリンエンジンに対しても不正があったという事をシレっと書いているがこれは大問題だ。

米国環境保護庁 (EPA) の発表に関するステートメント

前述の3.0LのV6ディーゼルエンジンにおいては不正は無いという事だ。
※EPAが嘘をついているという事なのだろうか?見解の相違という事なのだろうか?

管理人のここまでの感想

ステートメントの日本語訳が適切なのかどうか分からないが管理人TomTomが感じた事をそのまま書く。

3.0LのV6ディーゼルエンジン

これについてはVWがEPAに対して反論をしているが2.0Lディーゼルエンジンと同じことは起こり得ると考えるのが自然だ。
よってVWはキチンとしたデータを示して反論すべきだ。
そうした材料が無い中で反論してもどうにも信じられないというのが正直なところだ。

ヨーロッパでのガソリンエンジンの問題

これは本当に根が深いというのが正直な感想だ。
それはEA189の2.0Lディーゼルエンジンに限らず排ガス不正をしていたという可能性が出てきたことだ。
これだけ広範囲での不正となると担当者とか担当部署の問題では無いのは明らかだ。
ということは会社ぐるみでの不正という事になる。
以前から指摘していたがこれで組織的な仕業だという事が明らかになった。
またディーゼルエンジンに限らないという事になればVWグループが絡む全てのエンジンは問題ありという事になる。
これはVW自体が存続するのが難しくなってくるのではないだろうか。

監査役会や特別委員会の温度が低く他人事だ

日本語訳に問題があるのかもしれないが今回の監査役会のステートメントは悠長過ぎる。
いつに何の対策をするのか?という事をハッキリと示さないとユーザーは納得しないだろう。

今回問題が大きくなったことで直接的な影響はVWのみならずアウディとポルシェに拡大している。
間接的にはガソリンとディーゼルエンジンを持つ全てのVWグループ全体に影響する。
これはえらい事になってきたというのが正直な感想だ。
VWの存続が危ういかもしれない。

VWのEA189エンジン排ガス不正問題シリーズ記事

VW排ガス不正」というカテゴリーを作ったので見て下さい。

今回はこのへんで
では