前回の記事では日本国内での動きを書いた。
ドイツのVWではこれまた何と言ったらよいのか凄い事態になっているのだった。
それはVWの内部で不正に関して知っている人は情報提供を11月末までにしないと解雇や損害賠償の対象となるという事だ。
魔女狩りのような内部告発
VWの本社から遠く離れた日本でニュースを読む限りVWの排ガス不正問題の歩みは遅々として進んでいない。
しかも今回ニュースとして流れているのは内部告発をしないとその人に解雇や損害賠償のリスクが伴うという件だ。
今回の不正の事を少しでも知っている人はキチンと話してくださいという趣旨だと思う。
確かに自分に不利な事は誰も言いたくないだろう。それには大きなリスクが伴うのは言うまでもない。
結局内部告発をしたとしても立場や役職により責任を問われる事もあるだろう。
今回は言わなくても後でこの事を知っていたと知れると責任を問われるという事だ。
もう魔女狩りのような事になっている。他のやり方はできないのであろうか?
自浄作用の無いVW
こうしたやり方をしないと情報が出てこないという事になると真相を知るのは非常に難しいと思う。
通常の会社なら株主が黙っていないのは明白だ。
管理人TomTomは株式には詳しくないがVWの一般株主は議決権が無いそうだ。
これは全く異常な事だと言わざるおえないだろう。
最近日本では少なくても株主総会において一般株主により経営陣の不祥事がつるし上げられるという事は良くある。
新たな減損の発覚した東芝なんかはその最たるものだろう。
ではVWで議決権を持つのは誰なのか? それは
- ピエヒ一族(52%)
- ニーダーザクセン州(20%)
- 労働組合(?)
なんだそうだ。
こうした株式の議決権の配分であれば今のVWの動きの遅さというのが少しは理解できるかもしれない。
これでは会社の自浄作用を期待しても無理な事だし、VWはかなり特異な成り立ちをしている会社であることが分かる。
これでは一般の株主が株主総会で経営陣を追求するなんてことは出来ない。
ドイツ政府はVWを潰すことはできない?
確かにドイツ経済ではVWは巨大企業の1つだ。
ドイツ政府も潰れてしまうのを希望するわけでは決してないだろう。
しかしこれほど問題が大きくなり過ぎた事から来る様々な弊害は決して小さくない。
例えば他のドイツ自動車メーカーへの影響もそうだ。
メルセデスやBMWは今回のVW排ガス不正問題でとばっちりを受けているのは確実だろう。
世界中でドイツ製自動車全体へのイメージがダウンしているのは間違いない。
ドイツ政府はこのあたりをどう解決するのか?というポイントはまだ見えてこない。
ただドイツ政府の対応が遅いとVWを潰す意思が無くても世界中のユーザーにとって信頼のおけないブランドとして定着し放っておいても潰れてしまう。
これを食い止める策がドイツ政府やVW自体に必要なのだ。
アメリカではTDIエンジン社オーナーに対して金券配り
報道によるとアメリカではVWのTDIエンジン車のオーナーに対して金券を配るようだ。
VWにしか使えない金券と汎用で使える金券があり、それぞれ500ドル(約6万円)くらいと言われている。
これがどういう性格のものか分からないがもらった方も扱いに困りそうな印象もある。
それよりも手っ取り早く問題発覚前の適正価格で車を買い取ってもらった方が後々スッキリするのではないだろうか。
いずれにしても世界中の一般ユーザーがVWに対して持つイメージは下がり続けている。
早く食い止めないと後戻りできないところまで来そうだ。
VW車に乗っている人が恥ずかしい思いをしなければならない事にならないように祈る。
今回はこのへんで
では