軽自動車の販売動向を見ていてビックリした。
2015年12月の数値では前年同月比でマイナス34.8%となって12か月連続のマイナスという事だ。
この極端な販売台数の落ち込みには何があるのだろうか。
全国軽自動車協会連合会の2015年12月の速報数値
一般社団法人全国軽自動車協会連合会によると2015年12月の軽自動車の販売動向は次のようになっている。
全国軽自動車協会連合会 (会長:松村一、略称:全軽自協) の調べによる平成27(2015)年12月の軽自動車新車販売台数 (新車新規検査台数、トレーラー等を除くナンバーベース) は、全体で130,376台、前年同月比34.8%減となり12ヵ月連続のマイナスとなりました。
車種別では、乗用車は103,532台で前年同月比36.1%減(12ヵ月連続減)、貨物車は26,844台で同29.4%減(4ヵ月連続減)。貨物車の内訳は、ボンネットバン1,066台で前年同月比54.2%減(8ヵ月連続減)、キャブオーバーバン12,411台で同21.4%減(4ヵ月連続減)、トラック13,367台で同32.8%減(4ヵ月連続減)となっています。
この結果、平成27年の年間新車販売台数は1,896,201台、前年比16.6%減となり、4年ぶりのマイナスとなりました。
年間販売台数の内訳は、乗用車が1,511,404台、前年比17.8%減(4年ぶり減)、貨物車は384,797台で同11.3%減(4年ぶり減)。貨物車の内訳は、ボンネットバン18,536台で同19.2%減(10年連続減)、キャブオーバーバン184,127台で同5.3%減(3年連続減)、トラック182,134台で同15.8%減(4年ぶり減)となっています。
なんと前年同月比で34.8%のマイナスとなっていて非常に大きな落ち込みとなっているのだ。
管理人TomTomがユーザーとして周りを見回してみると一昨年よりは軽自動車を購入したという人は明らかに減っているがそれでも何人かは購入している。
普段の足として趣味の車として軽自動車も定着したような印象なのだ。
これは逆に言うと軽自動車が行き渡ってしまいマーケットとして飽和してしまったという見方もできるかもしれない。
軽自動車は庶民の味方
車体価格と維持費が安い軽自動車は全く庶民の味方なのだ。
それだけに軽自動車税の値上げも逆風にはなったと思う。
それでも普通自動車に比較して優位を保っているのは確かだと思う。
普段の足として見てみればこうした維持費の安い軽自動車は大変助かる。
特に経済が沈滞している時期にはまったくもって庶民の味方なのだ。
それは今でも変わらない。
だが実態はどうだろう。
ハイトワゴンの中には普通自動車よりも高価なモデルも散見される。
車両価格だけ見ると軽自動車という感覚を外れているのだ。
これは軽自動車としての成り立ちを考えてみれば本末転倒のような気もする。
だがこれも軽自動車に求められる多様性のひとつなのかもしれない。
多様性を求められ始めた軽自動車
一昨年あたりから軽自動車も多様性を求められ始めたと思っている。
ハイトワゴン一辺倒のモデル構成から用途別にユーザーの志向が変わってきたのだ。
そんな中からコペン、S660、アルトワークスのような個性的なスポーティーな軽自動車も登場してきた。
惜しいのは軽自動車の出力が自主規制されてしまっている事だ。
税制等の優遇措置と引き換えにこうした事になっているのだが、個々のモデルを見ればパワーさえ上がれば品質やコンセプト、それにフィーリングも含めてただボディーが小さいだけという成熟した車になりつつある。
これからは軽自動車のメリットを生かし切る車が求められる事だろう。
さらに軽自動車の殻を破るような試みもされるかもしれない。
そうなると面白いと思うのだ。
こんな車は日本にしかないし実用車として稀有なジャンルなのだ。
普通自動車と軽自動車の関係
軽自動車が販売台数を大きく落とす中、普通自動車は前年同月比で微増となった。
この現象は前述のように軽自動車が高価になり過ぎ普通自動車とバッティングしている事を示しているのではないだろうか。
そうも安くて便利なら良いという時代は終わったようだ。
管理人TomTomが好きなコンパクトカーのジャンルでも面白い現象が出ている。
個人的に次期コンパクトスポーツ導入を考えた場合、マツダDJデミオ15MBとスズキ新型アルトワークスが競合してしまうのだ。
普通自動車と軽自動車という競合だ。
管理人TomTomの場合は今までならこうした事は全く考えられなかった。
この原因はいくつかあるが次の点が重要だと思う。
- 軽自動車のスポーティー度が上がってきた
- 普通自動車の価格が下がってきた
確かにパワーや車の成り立ちは全く異なるが管理人TomTomの心中では甲乙つけがたいのだった。
面白い事に車両価格では軽自動車である新型アルトワークスのほうがDJデミオ15MBよりも高価なのだ。
両車とも軽量を武器にしてMTでFFという成り立ちは同じだ。
どちらがドライビングして楽しいか?という事で決着が付くのだと思う。
試乗記事を拝見すると両車とも非常に評判が良いので後は実際に乗ってみて自分の感覚を信じるしかないだろう。
なんとも面白い時代になったものだが軽自動車にはもう少し頑張ってほしいと思う。
今回はこのへんで
では