ご存じのようにプリウスは昨年末に新型の4代目になった。
すでに街でも良く見かけるようになり登場時は奇抜に思えた外観も違和感なく溶け込んでいるように思えるのだった。
遅ればせながら管理人も新型プリウスに試乗しその出来にうなったものだ。
次に控えるのはプリウスPHVだが少しづつ情報が公開され始めているので見てみよう。
プリウスPHVの北米でのネーミング「Prius Prime」が意味するもの
北米での新型プリウスPHVの名称は「Prius Prime」なのだ。
今までは普通にプリウスPHV(またはPlug-in Hybrid 仕向地による)だったのが「Prius Prime」に変わったようだ。
Primeという単語自体は「主な」という意味だ。
IT系ではプライマリー(主)に対してセカンダリー(従)とかという風に使う。
このプリウスでのPrimeという意味は何だろうか?
トヨタとしては通常のハイブリッドのプリウスよりもこちらが将来主となるべき車なんですよという意味を込めているのだろう。
管理人TomTomが考えるにこの動きは当然の事だろうと思う。
同じハイブリッド車でも家や充電ステーションで充電できる方が良いに決まっている。
どちらかというと充電できないハイブリッド車の方が出来損ないのような存在なのではないだろうか。
だからこちらのプリウスがPrimeなのだ。
4代目プリウスと新型プリウスPHVは別物の車
3代目プリウスはハイブリッドでもPHVでも外観と機構上はそれほど大きな相違点は無かった。
当然PHVだけに電池容量を確保しているために重量が重いとかバッテリーの搭載位置だとかで異なる点はある。
だが先代プリウスPHVの決定的な欠点はEV時の航続距離の少なさだった。
ではプリウスが新型になった現在4代目プリウスと新型プリウスPHVの違いはなんだろうか。
サイズ比較
まずはサイズから見てみよう。
[4代目プリウス]
全長4,540mm×全幅1,760mm×全高1,470mm
ホイールベース:2,700mm
システム最高出力:122PS
車両重量:1,360kg
乗車定員:5名
[新型プリウスPHV]
サイズ:全長4,645mm(+105)×全幅1,760mm(±0)×全高1,470mm(±0)
ホイールベース:2,700mm
システム最高出力:122PS
車両重量:1,510kg
乗車定員:4名
4代目プリウスと新型プリウスPHVとを比較してみると全長が伸びているのが分かる。
画像を見る限り前半分は同じだしホイールベースも同じなのでリアオーバーハングが伸びている事になる。
これはPHVで使用する電池の積載スペースをリアオーバーハングを延長して確保したという事だろう。
上が今回発表された新型プリウスPHV、下が4代目プリウス。
真横から見てもリアオーバーハングが延長されているが全く目立たない。
真横以外では全く気付かないだろう。
リアの座席辺りにバッテリーを搭載しているのが下の透視図でも分かる。
航続距離が伸びた
先代のプリウスPHVの不満はそのEV航続距離だったのは確かだ。
バッテリ容量の拡張によりEV航続距離が26.4kmから倍以上の60km以上を狙って開発が続いている。
一般ユーザーで60kmの航続距離なら毎日の通勤や買い物や送迎でも対応可能だろう。
これでやっとPHVとしての役割を十分果たすことができると思うのだ。
2モーターになった
2モーターになったと言っても従来のジェネレーターを走行用に使えるようになったという内容となっている。
この事でより強力なEV走行が可能となりEV時の最高速度も135kmと35kmもアップしている。
先代のプリウスPHVのEVモードでもそれほど力不足は感じなかったがより強力なEV性能を持つことになる。
ただスペック上のパワーは4代目プリウスと同じだ。
急速充電対応
先代プリウスPHVでは対応していなかった急速充電に対応した事も大きい。
CHAdeMo規格の急速充電により20分で80%容量まで充電できるようになった。
もちろんガソリンでも走る事が出来るので外出時の充電が危急という訳ではないが充電時間は短いほど良い。
ヒーターはヒートポンプ式
EVで問題となるのはいつも暖房の事だ。
従来の車ではエンジンの排熱で暖を取れたがEVでは全くこれが出来ないのだ。
だから別途電気ヒーターを付けたりするのだが効率が悪くEV時の航続距離の低下に繋がっていたのだった。
EVでは電費を伸ばすために室内のヒーターを我慢して乗っている方も多くいるようだ。
現代の道具としての車として見るとこれは欠陥と言っても過言ではない事態だったのだ。
今回の新型プリウスPHVではヒートポンプ式のヒーターが導入された。
ヒートポンプ式は家庭では良く使われている方式だが車に利用されるなんて面白いものだ。
ルーフには太陽電池で車の住宅化が進む
もう一般家庭のような事に車がなってきている。
新型プリウスPHVのルーフには太陽電池が装備できるようになっていてこれで充電ができるようなのだ。
これは価格次第だが良い仕組みだと思う。
前述のヒートポンプを利用した暖房やルーフ上の太陽電池による充電といい一般の住宅のようになって来ているのが可笑しい。
完全にEV化する前のハイブリッドの究極の形のような気がする。
ちなみに管理人TomTomが住んでいる家はオール電化住宅なのでガスは来ていない。
しかし管理人TomTomが住んでいる関西の関西電力ではオール電化住宅向けの「はぴeタイム」という深夜電力を使用するプランは例の原子力発電所問題の影響だろうか新規加入が停止している。
こうした事とは直接関係はないがリスクを考えればエネルギー源は複数確保すべきだと思うのでプリウスPHVのような電気とガソリンが両方使える車はしばらくの間は主流となるべき車だと思う。
個人的には上の画像のリアガラスが複雑な形をしているのが気になる。
もちろん個性的だしデザインとしては画期的なのだがこれによるコスト増の方が心配だ。
それにこんなガラス形状ならリアワイパーが付けれないのはあかんだろう本末転倒だ。
日本のプリウスPHVから世界の「Prius Prime」へ
先代のプリウスPHVは国内での実験車両のような位置付けだった。
管理人も10日間モニターをさせていただいたが全く普通の車として運転できる万能車だったのを思い出す。
だが航続距離が短い事をはじめ世界のライバルPHVと戦うには少々力不足だったことは間違いない。
今回の新型「Prius Prime」では十分互角に戦えるだけの内容を備えたと思う。
新型プリウスPHVにはちょっと残念なところもある
新型プリウスPHVの外観は良く見ないと4代目プリウスと違いが良く分からないが室内は大型のディスプレーが目立つ。
11.6インチの大型ディスプレーが採用されてまるでテスラのようなインパネになっている。
管理人TomTomが心配しているのは操作系がブラインドタッチが出来ない事だ。
ディスプレーの横にスイッチが若干残ってはいるがこれではすべてが操作できないだろう。
とするとディスプレーに触って操作する必要もありそうだ。
車のインターフェースとしての大型ディスプレーはソフトウェアで実装できるので自動車メーカーとしては楽な構築方法だ。
逆に実際のボタンやつまみやスライドレバー等を形作るのはコストも手間もかかるし人間工学的な研究も必要だ。
だがこうした部分が人と車との重要なインターフェースであることを忘れてはいけない。
きちんとブラインドタッチできるインターフェースを構築すべきだ。
安直な方向へ進むべきではない。
先代でタッチトレーサーをリリースしたのとは全く逆に新型プリウスPHVのこうした部分は先進的に見えて車のマンマシンインターフェース的には退化しているのではないだろうか。
見た目の派手さだけでは安全性を確保できないのでどういう形で出てくるか注目ポイントだろうと思う。
今回はこのへんで
では