アウディが面白い技術を発表している。
それはサスペンションの機械的な動きを発電に利用するというものだ。
こんな発想は今までなかったのではなかろうか。
考えてみれば車が走っていると常にサスペンションは多少なりとも動いている。
それだけ発電する機会が多いということだ。
回転部分の発電は数多いが
車の走行エネルギーや熱エネルギーを利用して発電する仕組みは数々ある。
だが往復運動でもって発電する仕組みはそう多くはないだろう。
しかもこれがサスペンションの動きを利用して発電するとなると前代未聞のシステムではなかろうか。
非常に良い着目点だと思うのだ。
「eROT」と呼ばれるダンパー
アウディは「eROT」とネーミングしたリプレースダンパーをリリースしている。
つまり現在乗っている車に発電するダンパーを装着できるということだ。
これは素晴らしい発想だと思う。
しかし「eROT」で発電した電気を貯める仕組みが必要なのでダンパーだけではシステムとして動かない。
これは以前紹介したアウディーが提唱する48Vのシステムを前提としている。
アウディによるとこの「eROT」は路面状況にもよるが平均100~150wの発電をするそうだ。
さらに「eROT」はバウンド・リバウンドの両ストロークのソフトウェアでのコントロールを可能とし、いわば電子制御ダンパーという側面も持っているのだ。
アウディの48Vシステムとしての一環
もちろんサスペンション自体はサスペンションアームが動くことで発電を行う。
つまり「eROT」自体でも発電を行い、さらにサスペンション自体でも発電を行うというものだ。
今回紹介した「eROT」を含めたアウディの48V対応サスペンションは48Vシステムの1つのサブシステムを構成する1つなのだ。
アウディの48Vシステムは自動車の補器類を大きく変える可能性のあるものと思う。
以前紹介したように過給機が48Vの電動となって精緻な制御が可能となる。
走っても過給機がついているかどうか分からないような自然な感じのターボモデルが登場し、走るとサスペンションの動きで電力を回収するといった具合なのだ。
画像で見るアウディの発電サスペンション
では画像でこのシステムを見てみよう。
絵で見るとこのアウディの48V対応発電サスペンションがたいそうなモノであることが分かる。
サスペンションユニットは横置きされてホイールの上下運動をアームにより伝えられる。
アームが動くことにより金色の部分のオルタネーターが動作し発電を行う。
発電された電気は真ん中にあるバッテリーに充電されるという仕組みだ。
今回のシステムには次の2つの要素が含まれる。
「eROT」は発電するリプレースダンパー。
それとは別に発電する48V対応のサスペンションシステムという構成だ。
こうした自動車各部のきめ細かいエネルギー回収が進むとさらに燃費は伸びるだろう。
その際に電気を回収するだけではなくより細かな制御を与えることにより乗り心地やスポーツ的なテイストも自由自在に作れる。
すでにそうなっているが現代の自動車ではソフトウェアが重要な役割を果たしている。
さらにこの傾向が進むだろう。
すでに機械で動いている車が懐かしいという時代にはいりつつある。
なんでもかんでもソフトウェアというのはなんだか複雑だ。
それだから純粋に機械として走る旧車やヒストリックカーが人気なのではなかろうか。
今回はこのへんで
では