輸入コンパクト車を吟味してみる 条件は200万円未満2ペダルだとルノーの圧勝

久しぶりに輸入コンパクトを取り上げてみたい。
前回取り上げたのは2016年6月だったので実に7ヶ月ぶりとなる。
というのは日本で発売されている輸入コンパクトカーに全く興味がわかなかったからだ。
価格もそこそこ高いしコレと言った魅力にかけた。
それは日本で販売しているコンパクトカー全体に言えたことだ。
今回改めて輸入コンパクトカーを見てみると価格が200万円を切っているモデルが多数ある。
輸入コンパクトカーではこの200万円切りというのが一つのボーダーラインのようだ。
そのあたりの事情を調べてみた。

新型Twingoのフロント画像

200万円未満の輸入車はそもそもあるのか?

まず最初に今回のコンパクトカーの条件を設定してみよう。
輸入車でコンパクトカー、価格は新車で200万円未満、そして2ペダルだ。
ドアの数は特にこだわらないという感じだ。

×メルセデス・ベンツ

メルセデスで一番に思い浮かぶのがスマートだろう。
調べてみると「smart fortwo」が一番お安いのだが2,010,000円で残念ながら漏れた。
他にはAクラスも範疇に入らないのでメルセデスは該当なしだ。

×アウディ

アウディもA1なんかは良い感じなのだが価格は2,490,000円スタートでで範疇に入らない。
アウディは該当なしだ。

○フォルクスワーゲン

VWは日本では営業的にまだまだ復活に程遠いが車自体はしっかりできていると思う。
管理人TomTomもゴルフ5GTIピレリという車に乗っていたがカッチリとして面白みはないが安心できる車だった。
価格を調べてみると「Polo TSI Trendline」が1,990,000円、UP!は通常モデル4種がすべて1,548,000円スタートの200万円未満となる。

×BMW

BMWは1シリーズが3,100,000円スタートなので該当なし。

×ミニ

ミニはぜひとも選択に入ってもらいたかったがブランドコンセプトが効いて本来のミニの役割から逸脱している。
クラシックミニはコンパクトカーのお手本のような車だったがBMWミニは全くコンセプトが異なるのが残念だ。
MINI ONEでも2,260,000円スタートなので該当なしだ。

×アルファロメオ

アルファのラインアップは現在4Cとジュリエッタそれにミトしかない。
少々寂しいものがあるが管理人TomTom的にはミトはかなり好きな車だ。
何度も見に行って試乗をしたが結局購入には至らなかった。
そのミトは3,294,000円スタートとなっていて高級車だ。
アルファロメオは該当なしだ。

×フィアット

フィアットはコンパクトカー専業のブランドだが日本での展開はこれまた寂しいラインアップとなっている。
500X、500、500C、Pandaと実質3種しか無い。
その中でも唯一200万円未満なのは500 1.2 POPというモデルだけだ。

○シトロエン

シトロエンのラインアップはちょっとややこしい。
車名ではC3とC4のみだがC4にはバリエーションが有るので実質4種となる。
加えてC4は先代モデルも併売されているのでよけいにややこしい。
ラインアップの中では「C3 FEEL」というモデルが唯一200万円未満となっていて1,990,000円の設定だ。

×プジョー

プジョーとシトロエンは同じPSAグループで兄弟ブランドとなる。
だが車は全く異なる雰囲気に作られているのがなかなかうまい。
ラインアップの中では「208 Style 5MT」が唯一200万円未満だが惜しいことにMTなのだ。
よってプジョーは該当なしだ。

○ルノー

ルーテシアのエントリーモデルは「ルーテシア ACTIF」は受注生産で1,990,000円となっている。
このモデルのミッションは6速のEDC(ダブルクラッチ)となっていてライバルに比較してお買い得感がある。
トゥインゴは小さいだけにエントリー価格も安く設定されている。
「トゥインゴ ZEN EDC」が2ペダルではエントリーモデルとなり1,800,000円の設定だ。
トゥインゴは全てのモデルが200万円未満となっている。

フォルクスワーゲン「Polo TSI Trendline」1,990,000円

VWは日本ではまだまだディーゼルゲート事件の余波で販売が低迷している。
こうした事情はあるが車自体はしっかりと作ってありこれぞドイツ車というような存在だ。

フォルクスワーゲン車の印象

管理人TomTom的にはもう少し遊びがあっても良いと思う。
質実剛健で大変実用的だが遊び心が足りない。
最近のTSIエンジン(ガソリン)についても中速のトルクは太いのだが全く回らないエンジンで喜びはない。
こうした具合だからフォルクスワーゲンの車は実用車として割り切るなら非常に良い選択だと思う。

「Polo TSI Trendline」

「Polo TSI Trendline」はポロのラインアップの中でも200万円を切る価格設定で割安感のあるモデルだ。
そして最大の特徴は安全装備に抜かりがないことなのだ。
「Polo TSI Trendline」よりも上位のグレードと変わらない安全装備となっていて安心感がある。
一方コストを下げるためにヘッドライトはハロゲン、マニュアルエアコン、鉄ホイールとなっているが装備自体は全く不足はない。
日常の足として使い倒すならこのモデルは要注目だろう。
だたこうした廉価版モデルに良くあることだがボディーカラーが赤/白/黒の3色しか選べないのが残念だ。
ここは要改善ポイントだろう。
動力性能も上位モデルと全く遜色はない。
1.2Lターボから90PS/16.3kgmを発揮し7速のDSGを装備する、燃費は22.2km/Lなので標準的だろう。
実用車として選択するのにはベストチョイスだと思う。

フォルクスワーゲン「UP!」1,548,000円

管理人TomTomはVWのラインアップで「UP!」が昔から気になっている。
何度も試乗もしたが結局購入には至っていない。

日常利用でミニマムなサイズの「UP!」

というのは「UP!」のサイズがミニマムだからだ。
思うにドイツでは軽自動車はないのでこの「UP!」が最小の車だろう。
とすると日本での軽自動車のような使われ方が多いと容易に想像できる。
日本では軽自動車という強力なライバルがあるのだ。
実用性を重視するのなら日本ではランニングコストが安い軽自動車という選択になるのは必然なのだ。

「UP!」の付加価値

だが軽自動車にはない付加価値を「UP!」が持っているのも事実だ。
ドイツの車だけに高速道路での走行は楽だろうしボディー剛性も確保されている。
ドイツ車のしっかり感を持つ車なのだ。
それに国産車にはない3ドアがラインアップされているのもエンスーとしては見逃せない。
それに3ドアの「move up!」は1,548,000円の価格となっていて安いのだが受注生産だ。
国産車にはないテイストを3ドアに求め2名乗車での実用車として使用するならもってこいの車だ。

シトロエン「C3 FEEL」1,990,000円

管理人TomTomはシトロエンC2という車に乗っていたことがある

以前乗っていたシトロエンC2で気になったところ

このC2を購入する時にはマスターバックが左についているのを確認した上で覚悟して購入した。
だがやはりブレーキのフィールは悪くてイマイチだった。
現在のシトロエンのマスターバックがどうなっているかは確認していないが少数しか輸入されない車種ではこうしたことも起きる。
事前に確認して試乗をお勧めする。

「C3」はどんな車?

管理人TomTomはハッキリ言って現行のシトロエン「C3」はどんな車なのかはっきりと知らないのだった。
C2に乗っていた頃は兄弟車だったのでよく知っているのだがそれからはモデルチェンジされ全く別の車となっている。
という事で「C3」のお勉強を少ししてみよう。
サイズは全長3,955mm×全幅1,730mm×全高1,530mmとなっていて日本で言うとノートより少し短いくらいの車だ。
最大の特徴はハゲオヤジのようなフロントガラスでドライバーの頭上までガラスとなっていて前方に開放感がある。
こうしたデザインは非常に珍しい。
パワートレインはプジョーと共通の1.2Lターボで82PSと12kgmを発揮し燃費は19km/Lとなっている。
ミッションは5速のビジオドライブと呼ばれるシングルクラッチとなっていて現在としては少し古い感じがする(スズキのAGSと同じ方式)。
丸っこい車が好きな人には良いかもしれないが見るべきポイントが少ないのも事実だ。

ルノー「ルーテシア ACTIF」1,990,000円

最近管理人TomTomはルノーが大変気になっている。
元々はルノー・スポールのモデルが気になっていたのだが実用的な通常モデルも良い出来なのだ。
それにラインアップに新しくトゥインゴを加えて拡充しているのだ。
ルノーはこれまでは日本でルノースポールモデルしか売れてなかったのだが通常モデルについても力を入れているのが最近の動きに出ている。

日本名ルーテシア本名はクリオ

商標の関係で日本ではルーテシアと名乗っているが本国ではクリオという名前のモデルだ。
クリオ自体は長い歴史のあるモデルでルノー5(サンク)が先祖となる。
ルーテシアの最大の特徴はそのデザインだと思う。
コンパクトカーのくせにメリハリの効いた曲線で構成されたボディーが秀悦だ。
ボンネットあたりは少々分厚い感じがするが良くできたデザインだと思う。
フォルクスワーゲンのカクカクとしたデザインとは全く異なったアプローチなのだ。

内容はピカイチのルーテシア

スペック的にはこのクラスのコンパクトカーでも非常に良いと思う。
エンジンは1.2Lターボから118PSと20.9kgmを発揮するのでポロよりも遥かに強力だ。
一方燃費は17.4km/Lとなっていてポロに比較しても少々見劣りがする、195/55R16なんて太いタイヤを履いているのが一因だろう。
ミッションはポロの7速に対して6速となるが同じダブルクラッチのEDCが装備される。
サイズはポロよりも少し大きいが今時では十分コンパクトなサイズだ。
受注生産ではあるが1,990,000円でアルミホイールまで装備している。
管理人TomTomはルーテシアに以前試乗したことがあるが大変しっとりとした感触でクラス以上だと思ったものだ。
外観のデザインが気に入ればこのクラスのベストチョイスだと思う。

ルノー「トゥインゴ」1,800,000円

新型の「トゥインゴ」の発表前には大変話題になったものだ。
というのは正体不明な「TwinRun」という車が発表されて「トゥインゴ」との関係がイロイロと噂されたからだ
結局「TwinRun」はこれから出てくるであろう「トゥインゴ GT」のイメージ車ということらしい。
小さくてスポーティーそれも後輪駆動ときたらちょっと気になるのだった。

「トゥインゴ」ってどんな車?

先代の「トゥインゴ」は普通のFF車だった。
管理人TomTomも「トゥインゴ」のルノースポールモデルを何度も見に行ったものだ。
小さいがルノースポールの手が入っていてこだわりの車だった。
日本ではルノースポールモデルしか売れなかったらしい。

今回日本に入ってきた新型「トゥインゴ」はRRレイアウトとなっていてプラットフォーム自体をスマートと共用している。
だから今までの「トゥインゴ」とは正反対の路線を進みだしたわけなのだ。
なぜRRレイアウトなのか?というのはハッキリ分からないが皆同じではつまらないから個性的と言っておこう。
サイズは全長3,620mm×全幅1,650mm×全高1,545mmとなっていて非常にコンパクト。
パワートレインは0.9Lターボから90PS/13.8kgmを発揮し6速EDC(ダブルクラッチ)というなんとも贅沢なものだ。
燃費は21.7km/Lとなっていて日本者には見劣りするがまずまずだろう。

意外な伏兵「トゥインゴ」が面白いかも

「トゥインゴ」は少々クセがあるので日本では万人向けではないかもしれない。
万人向けではないということは個性的ということだ。
RRレイアウトで珍しい丸っこいボディー、特徴的なリアハッチ、外観と同じく丸っこいインテリアが好みなら選択肢としてありかもしれない。
それにまだ珍しい車なので目立つと思う。

意外なのは「トゥインゴ」の操縦性がなかなか楽しいらしいことだ。
RRのために鼻先が軽くてコーナリングやステアリングの感触が良いとメディアは書いている。
管理人TomTomはまだ「トゥインゴ」に試乗したことはないがこれは実際に確かめなくてはならないだろう。

管理人的200万円未満2ペダル輸入コンパクトカーの感想

こうして調べてみてあらためて輸入車って個性的だと思った。
日本車だって最近はデザインも良くなったし性能も上がった。
燃費だけ見れば国産コンパクトカーにはかなわない。

だが個性というか独自路線というか自動車メーカーの主張がすごく現れているような印象がある。
これってなかかできることではないと思う。
やはり車の背景にはその自動車メーカーの思想なり思いなりが見えるのがベストだろう。
そしてその思いに共感するかどうかだろうと思う。

最後に今回のベストチョイスは圧倒的にルノーである。
モデルとしては安全パイを目指すなら「ルーテシア」、個性で勝負するなら「トゥインゴ」だろう。

管理人TomTomが個人的に気になるのは「トゥインゴ」である。
そのうちに試乗してみたい。

今回はこのへんで
では