今年は管理人の住んでいる兵庫県でもまだまだ寒い日が続いているが少しだけ春めいてきて桜を見たいと思った。
管理人は2008年のこの時期に大屋町の樽見の大桜を訪れたことがある。
そこで再び樽見の大桜を見てみようと弾丸ツアーを企てたのだった。
春の丹後半島をぐるっと回ってみることにした。
但馬と丹後を回る弾丸ツアーの目的
今回は春めいた雰囲気をゆったりと感じたかった。
いつもの時間に追われる弾丸ツアーではなく比較的時間に余裕のあるツアーとした。
今回訪ねてみたかったのは2つある。
ひとつは兵庫県養父市大屋町にある樽見の大桜という国の天然記念物に指定されている樹齢1000年以上とも言われる大きな桜に会いに行くこと。
もうひとつは最近凝っている古代と鉄というテーマから丹後半島を訪ねてみたかった。
時間があれば丹後半島の海沿いを走ってみたかった。
今年はまだ早かった樽見の大桜
管理人TomTomの住む兵庫県の東南の端っこからはいつものように峠を超えて柏原まで抜けてから北近畿豊岡自動車道の春日和田山道路、さらに和田山八鹿道路を経由して養父ICまで一気に走った。
この北近畿豊岡自動車道ができてからは但馬地域へのアクセスは大変良くなった。
養父ICを降りると15分ほどで到着する。
今年は寒いので樽見の大桜はまだつぼみ
今年は寒さもあって2017年4月1日に訪れた時にはつぼみの状況だった。
兵庫県の北にある但馬地方はスキー場もあり寒い地域だ。
樽見の大桜から見える氷ノ山の山頂には雪がかぶった状態だった。
大昔から有名な樽見の大桜
この樽見の大桜は昔から(江戸時代やそれ以前)大変有名で花が咲く頃になると全国から見物客が押し寄せる。
これは昔も今も変わらない。
この樽見の大桜は山のかなり上の方にあって昔は麓から徒歩で上っていたのだろう。
現代はすぐ下まで車で行ってそこから徒歩で10分ほどで樽見の大桜に到着だ。
不思議な雰囲気の樽見の大桜へのアプローチ
車を停めてから樽見の大桜までのアプローチが何度行っても不思議な雰囲気のある場所だ。
登る途中には石組みがあり、いつも不思議に思っていた。
解説によるとこれは桑畑の跡らしく養蚕のために栽培していたようだ。
この石組みが苔むして林立する杉の木とあいまって不思議な雰囲気がある。
管理人TomTomが行く時期はいつも見頃から少し外れてしまうので人が少なく余計にそう思う。
このアプローチはそれほど距離はないが急峻で滑りやすいので行かれる方は気をつけたほうが良い。
樽見の大桜から元気をもらう
樽見の大桜は樹齢1000年とも言われる老木だ。
つねに樽見の大桜の健康状態を見る方が居て世話を焼いているのが印象的だ。
それだけ地域の方に大切にされてきているのがよく分かる。
樽見の大桜は我々がよく見かける桜の木の形とは少し異なるが非常に生命力にあふれている。
毎回訪れると元気をもらう。
古代の香りがプンプンする丹後半島
但馬からは国道312、426、482を経由して京丹後市へ入った。
距離は意外と近くて下道で小一時間程度なので昔は交流が盛んだったと想像できる。
この丹後は古代好き鉄好きには外せない地域だ。
古代遺跡が数多く存在する、さらに遺跡と神社が同じ場所にあるのが大きな特徴だ。
また丹後は奈良の桜井あたりと同じく現在の皇祖神との関わりが深く天橋立近くに丹後の一宮の籠神社(このじんじゃ)がある。
籠神社は元伊勢籠神社とも言われていて、皇祖神が伊勢へ鎮座する前にこの場所に鎮座したと言われているのだ。
古代に栄えた地域は間違いなく砂鉄が産出し、その鉄を製鉄するのが盛んだった地域だ。
そうしてできた鉄を使って武具を作り、農具を作って国を栄えさせてきたわけだ。
丹後半島はそういう場所なのだ。
京丹後市の大宮売神社を訪ねる
京丹後市の大宮売神社(おおみやめじんじゃ)は神社が成立する以前からこの地域の重要な場所だったようだ。
丹後では神社と古代遺跡が同じ場所にあるということが多い。
大宮売神社は創建が不明で古代遺跡が同じ場所にある。
大宮売神社の参道が長く(300mくらいか)街と一体となっているのが印象的だ。
海のきれいな竹野で竹野神社を訪ねる
竹野神社は文字通り日本海側の竹野に鎮座している。
この地域も遺跡や古墳が数多くあり、竹野神社のすぐ横にも神明山古墳があって規模の大きな前方後円墳となっている。
海をわたってきた有力な豪族がこの地域を治め力を持っていたのだろう。
そんなことを想像しているとスケールが大きいと思う、後世にこうした形(古墳や神社)で残せるというのは凄いことだ。
今の自分のスケールの小ささに愕然とする。
古代の里資料館
かなり規模の大きな神明山古墳がある事で資料館が市によって運営されている。
室内と屋外があるようで室内では資料展示、屋外では竪穴式住居等が展示されている。
古代の人々の生活がある程度分かるようになっている。
竹野神社は地元密着で微笑ましい
先に訪れた大宮売神社もそうだったが、竹野神社も参道が非常に長い(こちらも200m位ある)。
創建当初は長い参道を有していた神社も時代と共に長い参道を失ってしまう事が多いのだがこの地域は残っている。
竹野神社の創建も不明だが神明山古墳があることから古代遺跡と神社のセットとなっている。
丹後半島にはこの形が多く特徴的だ。
竹野神社ではお堂の座布団が干されていたり、入り口に近所の学生さんの寄せ書きがあったりして地元の人に大事にされているのがよく分かる。
経ヶ岬分屯基地は厳戒態勢だった
竹野神社を後にして伊根町へ向かって丹後半島を海沿いに一周回ることに決めた。
そうなると海沿いの景色とワインディングを俄然楽しめる。
通りかかった経ヶ岬の航空自衛隊経ヶ岬分屯基地のところにお寺があり立ち寄ってみた。
このお寺は基地の間にあり、航空自衛隊の基地と米軍の通信基地の間にある。
航空自衛隊は大掛かりな工事の最中でひっきりなしに車両が出たり入ったりしていた。
お寺側の裏門では出入りの厳しいチェックが行われていた。
一方、米軍基地は銃を構えた歩哨が見回りをしており臨戦状態だったのだ。
朝鮮半島の緊張が高まっている現在ここは日本国内の最前線という場所なのだ。
撃たれるのが怖いので早々に引き上げたが平和のありがたみを感じたのだった。
国道を外れてもなるべく海沿いを走った
経ヶ岬を出てから本庄の浦嶋神社に寄ってからは国道を外れても出来る限り海沿いの道を走ってみた。
どんな道なのだろうと心配するほどのことはなく、いたって普通の道だった。
少し狭い部分もあるがキチンと舗装されていて全く問題ない。
こんな時はS660のコンパクトさが大変便利に思う。
でも奇抜な外観のために地元の人にマジマジと見られるのが少し気恥ずかしいところもある。
泊の防波堤でうみねこがS660と遊んでくれた。
のんびり走るとこんなこともあって楽しい。
丹後半島の徐福伝説がある新井崎神社
これは管理人TomTomの勉強不足だった。
まさか丹後半島で徐福伝説と出会うとは思わなかったのだ。
徐福伝説といえば全国にたくさんの伝説がある(なんと青森から鹿児島まである)。
管理人TomTomがよく弾丸ツアーを行う熊野周辺でも熊野市や新宮市に徐福上陸の伝説がある。
新井の集落を走っていると新井崎神社(にいざきじんじゃ)の看板が見えたのでたまたま行ってみたのだった(実はこういう気まぐれが楽しい)。
すると岬の突端にいかにも古そうな神社が鎮座しているのだった。
S660を停めて参拝させていただくと大変珍しい神社だった。
お社は鳥居を介して海へ向かっているので海から参拝する想定なのかもしれない。
下の画像は断崖絶壁になっている海側の手すりにもたれかかって撮ったものだ。
新井崎神社にあった説明書きを読んでみるとなんと徐福伝説があり上陸した岩場が神社の海側にあるということらしい。
新井崎神社の徐福伝説によると秦から日本へたどり着いた徐福は新井崎へ上陸した。
そして不老不死の薬を探し「九節の菖蒲と黒茎の蓬」を手に入れたのだが帰る機会を失いこの地で亡くなったということだ。
そして新井崎神社の主祭神は事代主命、宇迦之御魂神、徐福となっているのだ。
その徐福の上陸地が下の画像の手すりの付いた岩のあたりという事だ。
なんと凄い場所なのだろうか、溶岩のような大きな岩がゴロゴロしていて断崖絶壁となっている。
舟屋で有名な伊根町を散策してみる
最近、丹後半島と言えば舟屋のある伊根町が非常に有名だ。
町おこしや宣伝の効果もあって舟屋の伊根町が定着しているし観光に訪れる人も大変多い。
管理人TomTomが伊根町に到着したのは16時くらいだったがかなりの人出だった。
伊根町自体は大きな街ではなく車で10分も走ると集落の端から端まで行けてしまうくらいだ。
道路側から見ると舟屋の特徴は見ることはできないが道路や建物は整備されているのがよく分かる。
少し中途半端なところもあるがこれくらいがちょうどよいのかもしれない。
下の画像は伊根町で有名な向井酒造とS660。
酒蔵の板壁が良い感じ、ちょうど春向けの清酒を売り出し中だ。
最後の仕上げはやっぱり天橋立と籠神社に意外なお土産
記憶が曖昧だがたぶん小さい頃に山の上から天橋立をまた覗きしたことはあるような記憶がある。
でも実は管理人TomTomは天橋立をしっかりと見たことはなかったのだ。
そこで天橋立に行ってみることにした。
実は天橋立にはあまり興味がなくて知識もなかった。
だから天橋立はつながってなくて途中で切れていると思っていた(実際には橋でつながっている)。
だが実際には徒歩や自転車で向こう側まで行けるのだ、これは初めて知った。
やはり現地へ行ってみると色んな発見があって面白い。
天橋立まで来たら丹後の一宮、籠神社(このじんじゃ)に行かねばらならない。
籠神社へ行くといつも立派な神社だと感じる、やはり伊勢の神宮と同じ雰囲気があるのだ。
なんだか背筋がピシっと伸びさなければならないように感じるのだった。
籠神社を後にして何かお土産を買おうと思ったので国道沿いの海産物屋さんに入った。
持って帰るのに日持ちのする干物を中心にいくつかピックアップしていると面白いものが目に入った。
十六島(うっぷるい)の海苔の佃煮だ。
十六島といえば2016年11月の弾丸ツアーで現地まで行きながら肝心の海苔を食べることができなかったあの十六島だ。
迷わず十六島の海苔は購入したのだった。
しかしなぜ十六島の海苔がここ宮津で販売されているのか不思議だ。
裏を見てみると十六島の海苔を宮津で加工して販売しているということのようだ。
こうした事は事情を知らない他人は全くわからないだろうが当の本人は探していたものをやっと見つけたので文字通り飛びついたのだった(自分のことながら可笑しい)。
復路はいつものように峠ざんまいだが高速にも少し乗った
季節の節目というのは体調管理も大変だ。
管理人TomTomはここのところ昼間は暖かいが朝晩は結構寒かったりして体調が良くない。
今回どうしても春を探して樽見の大桜と丹後半島の海まで足を伸ばしたが本調子ではなかった。
そこで復路は少しだけ高速を使って時間短縮をしたのだった。
宮津天橋立ICから綾部宮津道路に乗り綾部までワープした。
いつもなら高速道路は出来る限り使わないのだが今回は少し楽をしたのだった。
その後は国道173で峠をいくつか超えて帰ってきた。
S660に不満なのは流れの早い国道の峠の上りで非力なことだ。
国道とは言えこうした国道は勾配がきつい場合が多くてモロにパワーが必要になる。
それでもS660はかなり早く走れる車の部類なのだがもう一息という部分が足りない。
もう少しトップエンドが回ってトルクがあれば言うことなしだ。
このあたりは何度か弾丸ツアーを重ねていると見えてくるものがある。
今後のS660の改善計画には入れておかねばなるまい。
総走行距離:397.4km
平均燃費 :22.2km/L
出発07:00~帰着19:30
今回は大変充実した春を満喫した弾丸ツアーだった。
体調はイマイチだったがS660は大変調子が良かったし地方の狭い道でも持て余すことがない。
今回のような国道から外れた最も海沿いの道を走るような場合はS660のサイズが本当に助かった。
やはりこうした使い方にはS660はピッタリの車だ。
今回はこのへんで
では