ロータス「エキシージ」という車はフェラーリ化したのか?

ロータスと言えばどのようなイメージをだろうか?
英国のF1コンストラクターとして一世風靡した非常にユニークなエンジニアリング会社というイメージがある。

昔のロータスは非常にユニークだった

コーリンチャップマンが率いてF1に出場していた時は本当にユニークな車を出していた記憶がある。 近年は経営が安定せず一時期フェラーリの幹部がCEOになったことでエリーゼが現在の形になった時に車がフェラーリみたいになったと噂されたものだ。
しかし蓋を開けてみると新型になったエリーゼはライトウェイト路線を貫きファンから見れば正常進化しているように見える。
そのエリーゼの兄貴にあたる「エキシージ」が昨年新しくなった。

 「エキシージ」の立ち位置

元々「エキシージ」はエリーゼとシャーシを共用してパワートレインを強力にしたような車だった。それが新しい「エキシージ」はサイズが大きくなっってしまったが、大型化した内容は主に強力になったパワーをうまく路面に伝えるために変更されたようなのだ。と言っても前幅は1,800mmなので世の中にあるスーパーカーと比較してもまだ幅が狭い。

「エキシージ」のハイライトはなんといってもその強力なエンジンだろう。V6の3.5L+スーパーチャージャーという組み合わせから350psを絞り出す。そのパワーウェイトレシオは3.37kg/psとなり、0-100kmを4.0秒で加速する。
このパフォーマンスと引き換えに1,180kgという車重まで増えてしまってはいるが未だにノンパワーのステアリングが装備されている。 個人的にはライトウェイトスポーツカーの代表として「エリーゼ」が大変気になる存在なのだ。
その「エリーゼ」も今回の「エキシージ」同様、ロータスのコンセプトが貫いている。ライトウェイトでダイレクトなのだ。ロータスの車達への入門が「エリーゼ」だとしたら、「エキシージ」はそれに満足できない人にモアパワーを与えた兄貴分だと言える。

この車達に乗ろうという時には自分の体調管理をしっかり行い、さらに気合を入れて乗り込むことが必要になるのかもしれない。これぞスポーツカーだと思うのだ。

「エキシージ」のスペック

では「エキシージ」のスペックを見てみよう。

サイズ:全長4,080mm×全幅1,800mm×全高1,130mm
ホイールベース:2,370mm 車両重量:1,180kg
エンジン:トヨタ2GR-FE 3,456cc DOHC6気筒VVT-i+スーパーチャージャー
最高出力:257kw(350ps)/7,000rpm
最大トルク:400Nm(40.79kgm)/4,500rpm
最高速度:271km/h
燃料タンク容量:40L
ミッション:6速MT
サスペンション:前/後 ダブルウィッシュボーン
ブレーキ:前/後 APレーシング製 4ポッドアルミ合金製キャリパー ベンチレーテッドクロスドリルドブレーキディスク前350mm/後332mm
タイヤ:Pirelli P Zero Corsa/Prelli P Zero Trofeo(オプション) 前205/45ZR17 後265/35ZR18
ホイール:前7.5J×17 後9.5J×18
シャーシ:ロータス製オールアルミモノコック ボディ:オールグラスファイバーボディ(FRP製)
モード切替:DPM(ダイナミック・パフォーマンス・マネージメント・システム)により2段階、オプションで3段階切替可能

↑ ロータス「エキシージ」フロント画像、こうしてボディーにゼッケンが付いた状態だとそのまんまレーシングカーのような外観だ、フロントの開口部がすっきり整理されてこのデザインに変更された当初はフェラーリになっちゃったと噂されたものだ、フェンダーとタイヤホイールの関係が素晴らしくバランスが取れている、ミッドシップらしくボディーサイドに吸気口がある、ホイールのデザインはなんだかロータスらしくない、画像はメーカーサイトより拝借


↑ ロータス「エキシージ」フロント画像その2、上から見たフロント部分、フロントカウル上部にも開口部がある、V6の3.5Lをミッドシップに搭載するので冷却にはかなり気を使っているようだ、このモデルはハードトップだがタルガトップのモデルもありロードスターという名前だ、ハードトップモデルは正確にはエキシージSという、画像はメーカーサイトより拝借


↑ ロータス「エキシージ」リア画像、パッと見たところアメ車のコルベットなんかと近似性がある、メチャメチャ効きそうなデフューザーが装備されてセンター1本出しのマフラーを装備する、リアに装備されたウィングも最高速度が高いだけにいかにも効きそうなデザイン、リアのタイヤはかなり太くて安定感がある265/35ZR18というサイズ、ちなみにフロントは205/45ZR17、画像はメーカーサイトより拝借


↑ ロータス「エキシージ」サイド画像、横から見るとかなりスッキリしたデザイン、前後でタイヤの直径がかなり異なる、意外とミッドシップのエンジン部分が大きいのが分かる、前後のオーバーハングが短くてある意味スポーツカーの理想形状ではなかろうか、ちなみに全長は4,080mmでかなり短い、ロータスの車両はボディーカラーが豊富なので選ぶ際にはかなり迷うことになりそうだ、画像はメーカーサイトより拝借


↑ ロータス「エキシージ」車内画像、色使いは選択できるので様々な組み合わせができるようだ、こうして見るとかなり豪華に見える、バケットシートの後ろにはほぼ空間が無いので非常にタイトな室内であることが想像できる、サイドシルが幅広くて乗り込む際には少しアクロバティックな体制を取らなければならないので慣れとストレッチが必要、デートの際には苦労しそうだ(苦笑)、画像はメーカーサイトより拝借

↑ ロータス「エキシージ」各部画像、左からスーパーチャージャー・リアウィング・リアのデフューザー・ブレーキの各画像、細部の仕上げも満足できるものだ、画像はメーカーサイトより拝借

ライバルはケイマンSあたり

個人的にはここまでのパワーは不要だが、このサイズと重量でストイックに走ることを求める人にはうってつけの車だろう。この性能で850万円~のプライスが付くが、内容からするとコストパフォーマンスは高いと思う。3.5Lエンジンを積むことからポルシェのケイマンSあたりが直接のライバルとなるだろう。英国流か?ドイツ流か?の選択かもしれない。

いずれにしてもこういった車はその背景をよく理解しておく必要がありそうだ。

今回はこのへんで
では