2014年10月の自動車販売実績が発表になっている。
自動車販売の実態はどうなのだ?
まず自動車全体として普通自動車と軽自動車を含む国内販売台数は39万6508台、前年同期比-6.0%となっていて4か月連続の前年同期比割れとなっている。
先日消費税率がらみでGDPの発表があったことを覚えている方も多いだろう。景気の実体は決して上向きが定着している訳では無く、どうも一過性のモノのようだ。少し良くなりかけたがまた停滞している感が強い。
そんな感覚を庶民は敏感に感じた上で車を買い替えるかを迷っている事と思う。そんなことが顕著に反映した数値となっている。
また年末商戦前の息継ぎともいえる。個人的にも早く景気が良くなり消費マインドが盛り上がることを期待したい。
ジャンル別の販売実績
次にジャンル別に分けた集計として次の部門がある。
車のジャンル別に見てみるとユーザーの趣向がどのようになってきているか傾向がある程度つかめるのではないだろうか。
ハッチバック
一番数を稼ぐジャンルで1位はアクア(18,031台)、以下フィット(12,308台)、ノート(8,036台)、プリウス(7,930台)、デミオ(6,102台)が続く。
デミオだけが前月比+の数値となっていて新車効果が出ている。ちなみにTop4は前月と順位が変わらずである。
このジャンルでは新規参入車がなかなか割って入りこめないほど評価が決定的になっているということだ。これはコンパクトカーではゆゆしき事態ではないだろうか。
セダン
セダンはトヨタの一人勝ち状態である。1位はクラウン(4,093台)、2位カローラアクシオ(3,140台)、3位カムリ(1,102台)、4位プレミオ(923台)、5位SAI(918台)と続く。カムリとプレミオのみが前月比+の数値となっていて両車とも9月のモデルチェンジの効果が端的に表れている。
ここではセダンのジャンルにおけるトヨタの強さとモデルチェンジの効果が絶大という事だ。
ステーションワゴン
1位プリウスα(5,250台)、2位カローラフィールダー(5,070台)、3位レヴォーグ(4,059台)、4位フィットシャトル(1,198台)、5位レガシーアウトバック(580台)となり、前月比+なのはアウトバックのみだ。
ちょっと驚きなのだがフィットシャトルが意外と健闘しているのが目立つ、それに新型アウトバックの立ち上がりが好調なようだ。
ミニバン(ワンボックス含む)
コンパクトサイズのミニバンの常連が名を連ねるのは変わりがない。
1位ヴォクシー(10,735台)、2位ノア(6,550台)、3位セレナ(4,628台)、4位フリード(4,423台)、5位ステップワゴン(2,595台)となっている。いずれも前月比はマイナスに落ち込んでいるが、ヴォクシー/ノアのボリュームが凄い。ここもトヨタの販売力に巻かれていて他社のつけ入るすきがないような雰囲気になっている。
5ナンバーのミニバンでも新風が吹くようなことには当分ならないだろう。
SUV(クロスカントリー車含む)
このジャンルは比較的価格帯が高いモデルも入ってくるのが特徴だ。1位ヴェゼル(7,663台)、2位ハリアー(6,665台)、3位エクストレイル(3,076台)、4位レクサスNX(2,026台)、5位CX-5(1,830台)となっている。レクサスNXが4位に入っているのが意外という印象、スタート価格が428万円もする車が売れている。
車の内容によってはユーザーがお買い得感を感じているのだろう。やはり内容で勝負しないといけない時代なのだ。
クーペおよびオープンカー
このジャンルも面白い。
元々このジャンルの車が少ないことで高額な車も入っているのだが新たにレクサスRCが割って入ったことが新しい。1位86(528台)、2位レクサスRC(439台)、3位BRZ(124台)、4位フェアレディーZ(86台)、5位CR-Z(86台)となっている。
2位に発売直後のレクサスRCが入っていることが凄い、565万円スタートな事を考えるとレクサスRCがスタートダッシュを決めて受け入れられていることが分かる。
軽乗用車
1位タント(16,237台)、2位N-BOX(13,988台)、3位ワゴンR(11,900台)、4位ハスラー(9,936台)、5位N-WGN(9,388台)となっており軽自動車全体としてはほぼ前月と同じ水準となった。
目立つのはダイハツタントの一人勝ちといった状況であることだ。
だがダイハツは1車種、スズキは2車種、ホンダは2車種が5位までに入っており今後がどうなるかは新車投入の効果次第と言ったところだろう。
一言で言うと
2014年10月の普通車と軽自動車の販売実績は一言でいうとトヨタが強いという事に尽きる。
日本国内では軽自動車以外の普通自動車では対抗しえるメーカーが無くなってきたのではないだろうか。 他の自動車メーカーはマスマーケティングでは無くニッチマーケティングで隙間を狙わないと生き残れないかもしれない、という程のトヨタの勢いだと思う。
そしてトヨタの車がもう少し面白い車が多くなれば良いと思う。
今回はこのへんで
では