以前から車のブラックボックス化が進みすぎで中身が分からないという感覚的な不安があると事ある度に書いている。そして機械的精度を究極に追求した高級車をなるべく電子デバイスを使わずに実現したら受けるのではないかとも思っている。
質実剛健VSレトロ趣味
ニュースによると2014年8月25日に販売開始された復活ランクル70は11月末時点での受注台数が約5,600台となったそうだ。これは月刊販売目標200台の約3倍の数値となっている。
オッサン的に昔の大衆車はパワーウィンドウが付いてない車が多かった。ウィンドウレギュレーター(窓を上げ下げするハンドル)を早回しする速度を友人と競ったものだ。今ではパワーウィンドウが付いていない車を探すほうが骨が折れる。これは部品が普及しパワーウィンドウのほうがコストが下がったためだろうと思っている。例えば営業車に使うようなコンパクトハッチバックの一番シンプルなグレードのリアドアのウィンドウがパワーウィンドウではない場合がたまにある。ただパワーウィンドウではないからと言って壊れないか、というとこれが壊れるのだ。機械式のウィンドウはたまに巻き上げ機構が壊れることがあるので、実はパワーウィンドウの壊れる確率よりも高いのではないだろうか。
本当の質実剛健
お話が脱線してしまったがこうした電子制御に毒されて!いない、ある意味究極のヘビーデューティーさに新鮮さを見出す人が多いのではないだろうか。そう思って復活ランクル70の内容を見てみると確かに必要最小限の電子化だろう。確信は無いがエンジンのECUのみだろうと思う。もちろんマニュアルエアコン、パワステ、パワーウィンドウは装備されているので実用上は全く問題がないというか十分だ。
ただ一過性のブームのような心配もある。昨今はSUVというかクロスオーバーが大変人気だ。その延長線上にあるランクルはクロカン4WDの世界の頂点の1つに君臨する車だ。世の中にはこの種のヘビーデューティーな車はまだまだある。そしてトヨタのランクルは日本人にとってその中でも一番買いやすい車だろう。こうした動きは一時期の4WDブームのような一過性のムーブメントに終わってほしくないと思うのだ。車の原点回帰現象とでも名付けるような動きなのだ。HVやらEVやらの先進の世界とは対極の世界である。
質実剛健と経済性は相反するのか?
最後に言いたいのはこうしたヘビーデューティー4WDのような世界にも燃費や環境保護の技術をもっともっと取り入れてほしい。燃費も良くしたいと思う。元々重くて頑丈な車達なのだから、こうしたことが非常に効果的な車には違いない。ただヘビーデューティーな部分とこうした技術をどこでバランスさせるかが問題だろう。この事で電子化が極端に進んでしまうと本末転倒だ。
今回はこのへんで
では