Yaris WRCは2017年から登場、TMGが現在開発中

トヨタは2015年のモータースポーツ活動について2015年1月30日に発表を行っている。
その中にはWRCへの復帰も含まれているのだ。
その復帰するための車両がYaris(日本ではヴィッツ)なのだ。

日本でヴィッツと言えば

コンパクトでかわいらしい車でそこらで走っているのを良く見ると思う。
現行ヴィッツの130系は2010年から販売されているが今となっては装備が少し古臭いのは免れない。
一番スポーティーなRSグレードでは1.5Lエンジンと5MTの組み合わせがあるが出力や燃費、それに安全装備でライバルのコンパクトカーに後れを取っている部分が多々ある。
ということはあるにしてもお買い物カーとして、元気の良いコンパクトハッチバックとしては存在感のあるモデルだ。

トヨタはヴィッツでのモータースポーツを非常に重要だと思っている

トヨタが公式にサポートするモータースポーツ活動ではヴィッツは一番露出が多いのではないだろうか。
サーキットでのワンメークレースやTRDラリーチャレンジ(以前はヴィッツの名前が入っていた)等がある。

最近では86がヴィッツの上のグレードというかカテゴリーを担ってきているのでヴィッツはモータースポーツ入門用という位置付けだ。
自動車メーカーはその会社イメージとしてスポーティーだとかレースで強いとかラリーで活躍しているとかといったイメージは大変大切でユーザーには非常に分かり易い。

ヨーロッパではWRCでの活躍具合でその自動車メーカーの車の売れ行きが多いいに左右されるということもある。
日本ではそこまでとは行かないが、モータースポーツでの活躍は昨今は以前よりも皆気にするようになったと思うのだ。

そんな自動車メーカーのイメージを決定するかもしれないモータースポーツ活動の入門としてヴィッツでの活動を非常に重視しているような雰囲気がある。
日本ではVitz Racingというワンメークレース用のベース車両が販売されていて、これは86なんかと同じパターンだ。
後付するならこのほうが安いし、ワンメークレースへエントリーするならこの車両を購入する必要がある。

TRD Vitz RS Racingきちんとレースベース車をラインアップしている
↑ TRD Vitz RS Racingきちんとレースベース車をラインアップしていて86なんかと同じだ、エンジンには手が入っていないが(封印されている)安全装備を中心にコンプリート車となっている、思うに近所にモータースポーツの得意な車屋さんはゴロゴロあったのだが最近ではあまり見かけなくなった、だからこういったメーカーコンプリートは参加する人にとっては大変価値があると思う、画像はメーカーサイトより拝借

WRCにはなぜYarisなのか

ここはハッキリとは分からないのだが他にベースとする車が無いのかもしれない。
WRCで現在活躍している車は年々小さくなっているのだ。
少し前まではインプレッサ、ランエボ、フォーカスあたりだったが今はポロだったり、ミニ等になっていて車が小さくなっているのだ。
トヨタの持ち駒としてはYaris(日本ではヴィッツ)あたりがこのサイズなのだ。

現在は現行Yaris(日本ではヴィッツ)のモデル中期に当たるだろうがそれでもこのクラスで後れを取っていることもあり活躍させたいということなのだろう。
それにWRCに復帰となればトヨタとして当然勝ちに行ける車でないとならない。
それにはYaris(日本ではヴィッツ)は結構豊富なモータースポーツの蓄積があるということも影響しているのだろう。
個人的に感心するのは豊田章男社長がマメにモータースポーツのイベントに出場するか顔を出すところだ。
これはいいことだと思う。

Yaris WRCのスペック

下記のスペックはトヨタのプレスリリースより引用した。
Chassis: Type Steel body shell Brakes 300mm discs on gravel, 355mm on tarmac Wheels Wheels 7 x 15″ gravel, 8 x 18″ tarmac Tyres Michelin
Dimensions Length: 3910mm Width: 1820mm
Powertrain: Engine capacity 1.6 litres Type In-line four-cylinder Direct injection Up to 200bar Fuel Petrol Turbo pressure 2.5 bar absolute (maximum) Air restrictor 33mm Power Around 300hp (at 6,000rpm) Torque 420Nm Max revs 8,500rpmTransmission Six-speed sequential Clutch ZF Sachs

Yaris WRCの画像

画像も何枚か公開されているので見てみよう。以前から南アフリカ等ではラリーで走っていたがTMGのカラーリングになるととたんに凛々しくなり頼もしい雰囲気がある。

トヨタが2017年から復帰するWRC用のYaris、日本ではヴィッツ、製作はTMGが担当する、いかにもラリー車らしい仕上がりだ
↑ トヨタのYaris WRCのサイド画像、これはグラベル仕様だと思うのだが車高が高くいかにもストローク量がありそうなサスペンションだ、ボディーはまんまYaris(日本ではヴィッツ)だ、画像はメーカーサイトより拝借

YarisWRCのフロント画像
↑ トヨタのYaris WRCのフロント画像、フェンダーの出っ張りが凄いことになっている、ノーマルのYarisが1,695mmなので片側60mm強の拡幅となっている、フロントバンパーとボンネット上には大きな開口部がありチューン度の高さを表すちなみに1.6Lターボで300hpの出力だ、画像はメーカーサイトより拝借

Yaris WRCのフロント画像その2
↑ トヨタのYaris WRCのフロント画像その2、この角度からだとリアフェンダーがエグい事になっているのが良く分かる、概ねWRCマシンの定石に沿っているように見受けられる、ルーフにはエアインテークがありリアには巨大なウィングが付いてラリー車なのだがダウンフォースを意識した作りだ、しかしこの画像はどこを走っているのだ、画像はメーカーサイトより拝借

Yaris WRCのフロント画像その3
↑ Yaris WRCのフロント画像その3、フロントはバンパー下に空力付加物の黒いフラップみたいなものが付くがサイドには全く付かない、駆動方式は当然4WDとなる装着されているのはグラベル用のタイヤホイールで15インチとなっている、それにしてもハイトのあるタイヤを履いている、画像はメーカーサイトより拝借

Yaris WRCのリア画像
↑ Yaris WRCのリア画像、リアフェンダーは拡幅されている上カットされていてWRCカー独特の眺めだ、実際にはマッドフラップが付いて見栄えは幾分マシになる、マフラーは右側1本出しで口径が太い、グラベル仕様ではリアウィング以外の空力付加物は見えない、バンパー下にはタンクガードが見えている、タイヤのメークはミシュランだ、画像はメーカーサイトより拝借

Yaris WRCのエンジン画像1
Yaris WRCのエンジン画像2
Yaris WRCのエンジン画像3
↑ Yaris WRCのエンジン画像、非常にコンパクトにまとめられたエンジンだ、エキゾーストマニーホールドがいかにも効率の高そうな形状をしていて素晴らしい、このエンジンはGRE(グローバルレースエンジン)という規格に準拠したエンジン、このエンジンを使うのはWRCやWTCC等のカテゴリーがある、画像はメーカーサイトより拝借

前回の記事の「The CS-R3 kit」もトヨタだし同じTMGの開発した車だ。
このTMGとトヨタは非常に密接な関係にあるみたいだ。
こうした競技への技術が少しでも市販車にフィードバックされて走って楽しめる車に仕上がることを期待しよう。

今回はこのへんで
では