お伊勢さん参りに行ってきた、この弾丸ツアーを実行したのは2/23(月)だ。
TomTomが今住んでいる場所は兵庫県の東の端だが車で1日でお伊勢さんと熊野まで足を伸ばしてお参りをしてきた。
昔の人には考えられないほどの行程だが、よほどの車の運転好きな人でないとこの工程はきついだろうと思う。
昔のお伊勢さん詣での事を思えば便利になったものだが、この現代の便利さが人間にとって本当に良いのかどうかは分からない。
前回の弾丸ツアーは2012年3月なので(しかも借り物のプリウスPHV)久しぶりのツアーとなる。
そこで今回の紀行記を書いてみた。
伊勢や熊野は歴史が深く大変興味深い所である、それに食べ物も旨い。
伊勢や熊野に興味のある人、そしてこうした車を利用したツアーに興味がある人向けに気が付いた事を書いてみたので参考にしてほしい。
今回のお伊勢さん参り弾丸ツアーの目的
思い立ったら吉日というがその通りである。
しばらくお伊勢さんに詣でてなかったので日頃のお礼をしようと思ったのであった。
お伊勢さんには内宮(ないくう)と外宮(げくう)の他に別宮という存在があって、これは内宮や外宮の中にある場合もあるが外にもある。
これを全て回らせていただこうと思ったのだが伊雜宮(いざわのみや)だけは遠く伊勢志摩にあり遠く離れているのだった。
従って今回は大変申し訳ないのだがパスさせていただいた。
欲張りなTomTomは、せっかくお伊勢さんに行くのだからと伊勢路(熊野へ詣でるルートの呼び名の一つ)を辿って熊野詣もしたいと考えたのであった。
しかしこれは1日で熊野なら熊野だけと決めていくのであれば可能な行程なのだが、今回のようにお伊勢さんから熊野も詣でるという非常に欲張りな行程は現実的に厳しいのである。
だが行程を確認していると紀勢自動車道が尾鷲まで延伸されているのを発見した。
これは自分のポリシーとして極力高速道路を使用しないというモノに反するのだが、この部分の距離と平均速度を考えると利用しない手は無いと思った訳だ。
しかも紀伊長島から尾鷲北まではお試し無料期間なのである。
ただ最近の体力の低下と車での遠出が少ない事からあまり無理をしないような形で考えた。
今回のお伊勢さん参り弾丸ツアー行程全体
全く欲張りな行程なのだがお伊勢さんと周辺の別宮を全て参拝させていただき、その後熊野三山へ詣でるという無茶な行程を組んだ。
Sはスタート、Pは目的地、Tは立寄った場所、Rはその間のルート、Gはゴール
S:自宅:宝塚
R:阪神高速池田IC、西名阪柏原IC、国道165、高田バイパス、国道166
[P:丹生川上神社中社:奈良県吉野郡東吉野村、残念ながらミスコースのためパス]R:高見峠 T:乳峰神社、三重県松阪市飯高町七日市
R:国道166→国道368、伊勢自動車道、勢和多気IC→伊勢西IC
T:猿田彦神社、三重県伊勢市宇治浦田
P:月讀宮(つきよみのみや)、内宮別宮、三重県伊勢市中村町 月讀荒御魂宮(つきよみのあらみたまのみや) 伊佐奈岐宮(いざなぎのみや) 伊佐奈弥宮(いざなみのみや)
P:倭姫宮(やまとのひめみや)、内宮別宮、三重県伊勢市楠部町
P:月夜見宮(つきよみのみや)、外宮別宮、三重県伊勢市宮後
P:豊受大神宮(外宮)、三重県伊勢市豊川町 多賀宮(たかのみや) 土宮(つちのみや) 風宮(かぜのみや)
P:皇大神宮(内宮)、三重県伊勢市宇治館町 荒祭宮 (あらまつりのみや) 風日祈宮 (かざひのみのみや)
[P:伊雑宮(いざわのみや)、三重県志摩市磯部町上之郷、今回パス]R:伊勢自動車道、伊勢西IC→紀勢自動車道、大宮大台IC
P:瀧原宮(たきはらのみや)、三重県度会郡大紀町滝原 瀧原竝宮(たきはらならびのみや)
R:伊勢自動車道、紀勢自動車道、大宮大台IC→尾鷲北IC、国道42
P:熊野速玉大社、和歌山県新宮市新宮
R:国道168
P:熊野本宮大社、和歌山県田辺市本宮町本宮
[P:熊野那智大社、和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山、残念ながら日没のためパス]R:国道168、国道165、西名阪柏原IC、阪神高速池田IC
G:自宅:宝塚
走行データ:2015年2月23日(月)出発05:00/帰着20:00、総走行距離526.5km、燃料37.58L、燃費14.01km/L、使用した車トヨタアイシス2.0Lプラタナ2005年式
お伊勢さん参り弾丸ツアー:自宅から伊勢までの行程
朝早く自宅を出発したため大阪市内や周辺の渋滞にはあわなかった。
奈良から三重にかけての山中は標高が結構高いし冬の季節は凍結や積雪の可能性もある。
だが日頃の行いが良いのか前日から気温が高くまったくその心配はなかった。
桜井から国道166に入り順調に距離を稼ぐが小雨が降ってキリも出て快適とは言えないコンディションだ。
鷲家という場所から国道166を離脱して東吉野村にある丹生川上神社中社に立ち寄ろうと思っていたのだが今回は分岐を見逃してしまいパスとなった。
丹生川上神社中社は雨に関係する神様で非常に古い神社で大好きな神社の1つだ。
高見峠をトンネルで通過し三重県に入る。
しばらく良い調子で走っていると左手に大きな杉の木と鳥居が見えるので立ち寄ってみた。
ここは乳峰神社と言い詳細な事は不明だが非常に立派な杉の木が幾本もあり手入れの行届いた境内で近所の方々に愛されている神社という印象であった。
ひたすら国道166から国道368を繋いで勢和多気ICを目指す。
伊勢自動車道に乗ってしまえば30分そこそこで9時前に伊勢に入ることができた。
下道を走ると通勤ラッシュに遭遇し、こうはいかないのだ。
今回気になったのは右足の太もも裏が痺れる症状が出たことだ。
これはシートと体型が合っていないと思われ、太ももの裏を圧迫していることから起きるのではないかと想像している。
このため2時間を超える連続運転は苦しいところが気がかりである。
お伊勢さん参り弾丸ツアー:伊勢市内での行程
伊勢市内に来ると猿田彦神社を何度も見かけてはいるのだが一度も参拝したことが無い。
さっそく猿田彦神社に行ってみることにした。
猿田彦というのは瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を道案内したことで有名な神なのだ。
月讀宮(つきよみのみや)を目指すがカーブの途中に唐突にあるのでビックリした。
小さいながらも駐車場をきちんと備えている。
この中にいくつか別宮があるのですべて参拝させていただいた。
月讀宮では式年遷宮は完了した状態だった。
お伊勢さんの別宮はどこも非常に荘厳な印象を受けるがこの月讀宮も例外ではない。
倭姫宮は式年遷宮記念神宮美術館あたりの一連の施設が集まった中に位置している。
こちらも駐車場があり式年遷宮は完了した状態だ。
時間があれば式年遷宮記念神宮美術館も見てみたかったが今回はパスすることにした。
月夜見宮は非常に街中にあり駐車場は無いが前面道路がパーキングスペースになっている。
こちらは式年遷宮の真っ最中で新しい社殿を工事の方が仕上げている最中で貴重な出来事だった。
外宮はいつもの通り前面に巨大な無料駐車場があるので車を止める。
混雑はそれほどでもないが人は少なくは無い。
こうした場所では橋と鳥居が結界となっている場合が多いが外宮は内宮ほど数は多くはない。
しばらく歩いていくと人が少ないと非常に荘厳というか神秘的な印象を受けるのだが、今回は人が思ったよりも多かったためざわざわしていたのが残念だった。
本宮はすでに遷宮は完了しているのだが別宮は現在工事中である場所もあり囲い越しに工事内容が見れて非常に興味深い。
外宮から内宮へは車で10分ほどだ。
今回は平日にもかかわらず内宮は大変混雑していて駐車場が近いところは満車の表示が出ている。
そこで空いている伊勢市営宇治第2駐車場へまわり車を駐車した(ここは有料だ)。
おはらい町の街並みを多くの参拝客と共にゆっくり15分ほど内宮へ歩く。
ここの街並みは保存されている歴史的な建物と現代の建物(昔風に作ってある)が混在し構成されている。
昔はもっと規模が大きかったのではないかと思われるが、江戸時代くらいまではお伊勢参りというと一大行事だったし、今のように一生に何度も行けなかったことだろう。
そのためにお伊勢参りをするとえらくハメを外した人もいたようだ。
駐車場からおかげ町へ行くための地下道に昔の伊勢参りの様子が描かれているので見てみると大変面白い。
お土産は定番の赤福餅を内宮に一番近い内宮前支店で買い込んだ。
お伊勢さん参り弾丸ツアー:伊勢から瀧原宮
再び伊勢西ICより伊勢自動車道に乗り瀧原宮を目指す。
ジャンクションより紀勢自動車道に乗り換え大宮大台ICで降りると5分ほどで到着だ。
瀧原宮を訪れたのは2回目であるがここはお伊勢さんの数ある別宮の中でも一番好きな場所である。
入口から参道を歩いていく途中には古代からここにあるのだろうと想像できる杉の巨木がたくさんあり特別な雰囲気なのだ。
ここに神様はいらっしゃるのだという気持ちになる場所だ。
是非皆さんも一度訪れてみることをお勧めする。
小1時間散策をして元気が出たのでさらにここから熊野三山を目指すことにした。
またまた伊勢自動車道を走っていると太ももの裏が痺れて大変だった。
時々ポジションを大幅に変えないと我慢できなくなってしまう。
お伊勢さん参り弾丸ツアー:瀧原宮から辿る伊勢路
古来から熊野詣には様々なルートが使われてきた。その種類は次のようなものがある。
- 中辺路(田辺~熊野本宮-新宮-那智)
- 小辺路(高野山~熊野本宮、約70km)
- 大辺路(田辺~那智の浜、約120km)
- 伊勢路(伊勢神宮~熊野新宮、約160km)
- 大峯奥駈道(吉野~熊野本宮、約140km)
TomTomは熊野へは数えきれないほど訪れているのだが一番多いのは中辺路と呼ばれる田辺から山に入るルートである。
これは現代では国道311を利用する。
今回は伊勢から紀伊半島の東側海岸沿いを辿り伊勢路と呼ばれるルートだ。
だが多少端折って紀勢自動車道を利用しての行程なのだ。
この紀勢自動車道は初めて走ったが片道1車線の対向になっている高速道路とは呼べない有料道路である。
こういった道路は遅い車に引っかかるとイライラするのだが、海岸沿いの国道を進むよりは遥かに流れが良いので気長にドライブすることにした。
事実、瀧原宮からは2時間弱で熊野速玉大社に到着することができた。
今までの一般道を海岸沿いに進むことを考えれば驚異的な時間短縮なのだ。
紀勢自動車道を降りてからは一般道を進むがここはいつでも流れがゆっくりとしている。
このあたりの人柄が出るのだろうか。
お伊勢さん参り弾丸ツアー:熊野速玉大社
熊野三山の中では一番行きやすいのが熊野速玉大社ではなかろうか、新宮市の町中にあり平地にある。
いつも熊野速玉大社を参拝すると熊野牛王宝印という烏文字をかたどった護符をいただく。
熊野速玉大社は社殿の鮮やかな朱塗りがいつ行っても新鮮だ。
いつもは新宮市内の漁師料理屋で魚の料理をいただくことにしているのだが(安い旨い)今回は時間も15時を過ぎたところなので熊野速玉大社だけにして次の熊野本宮大社を目指す。
お伊勢さん参り弾丸ツアー:熊野本宮大社
16時前に新宮市の熊野速玉大社をスタートし国道168を辿って熊野本宮大社に17時までの到着を目指す。
この道はいつでもそうなのだが道幅の割には非常にハイペースな道なのだ。
というのは川沿いの緩いコーナーの続く舗装の良い道路で、ここを走る人たちも慣れた人が多いからだろう流れがたいへんスムーズだ。
凄く緊張するほどの速度ではないがかなり速いペースを保って1時間もかからずに熊野本宮大社に到着した。
この時点ですでに16時30分になろうとしていたので参拝を急ぐ。
ここ熊野本宮大社は以前は大斎原(おおゆのはら)という川の中州に鎮座されていたのだが明治の大水害のため遷座され現在の場所にある。
その大斎原の旧社地には日本一高い鳥居があり現在でも何かを感じさせる場所だ。
熊野本宮大社でも熊野午王神符をいただき、檜皮葺屋根の修理寄進をさせていただいた。
さて時刻は17時を超えてしまい次の熊野那智大社へ向かっても日没で参拝もできない。
そこで今回は非常に残念だが熊野那智大社への参拝は断念し帰途に付くことにした。
ルートは考えた挙句にこのまま国道168を奈良の五條市まで突っ走るルートを選択したのだった。
お伊勢さん参り弾丸ツアー:熊野本宮大社から五條まで
国道168は先ほどハイペースで新宮から走ってきた道なのだが、ここから五條までは少し前までは大層な酷道であった。
道が狭く非常にタイトで片側は谷となっており落ちると命が無いような道だった。
最近では整備が進み特に4年前の大水害の後の整備が今でも続いている。
整備が済んだパートではさらにペースが速く、といっても走っている車が極端に少なく五條まではほとんど出くわさない。
疲れと眠気を覚ますために少し緊張を必要とするペースで走った。
おかげで意外と早く五條市に入ってあとはいつものルートで帰ることができた。
お伊勢さん参り弾丸ツアー:走っていて気が付いた事
行程の組み立てについてだが今回はいつもより高速道路や有料道路を走る事を積極的にやってみた。
その結果かなりの時間の節約ができた。
ただ振り返ってみるとゆっくり食事をとる時間が取れていないことに気が付いた。
これではせっかく出かけたのに残念な事だ。もっと時間的に余裕を持って食事を楽しまないといけないと思う。
今回のお伊勢さん参り弾丸ツアーでは内容を欲張り過ぎたようだ。
車についてはすでに6万キロを超えた2005年式のアイシスなのだが良く走ってくれた(10年選手なのだ)。
車自体は特に支障もなかったが舗装の悪い道だと今履いているタイヤTOYOのDRBは相性が悪くコツコツと振動を与えるので不快だった。
だがこのタイヤは燃費が良く、今回のような一般道で速い流れが多い場合は非常に燃費が良い。
今回のお伊勢さん参り弾丸ツアーでも通算燃費が14.01km/Lとなり過去最高を記録した。
しかし運転ポジションの合わない事からの太ももの痺れには参った、この症状の出るのはここ2年くらいなので自分の体が変化したものだと思われる(太った?)。
以前は今回と同じような日帰りで熊野三山を回る事を良く敢行していた(なるべく一般道で)。
最もよく走った時には1日で700kmを超えるた時もある(今回は526.5km)。
こんな時には走った後の体へのダメージが結構きつい。
これを緩和するためには次のような事が経験で必要だと分かってきているのだ。
- 乗り心地が良い事
- 静かな事
- 反応が過敏過ぎない事(ただしブレーキのレスポンスは必要だ)
- 周囲の視界が良い事(ミラーも含めて)
- ある程度のエンジンパワーが必要な事
- 燃費が良い事 ・航続距離が取れる事
- ある程度コンパクトな事
- 国産メーカーであること
この中でも車の乗り心地の事を考えてみた。
こうしたツーリングの際の足回りは柔らかすぎてもいけない。
走る道はコーナーが多く路面の悪い酷道もあり意外にも高速コーナーもこなさなければならないからだ。
しなやかなストロークのある足回りが必要なのだ。
ストロークが不足するとこのような路面の悪い場所ではバンプラバーにタッチしてしまい極端に乗り心地も悪くなるし、バンプアンダーが出て危険でもあるのだ。
これは結構難しい条件だとは思うのだが、良く考えてみるとラリー車のターマック寄りのセッティングで車高を下げないようにすると良いのではないかと思った。
こうしたツーリング用の車を用意するならこういった条件をクリアしないといけないだろうと思うのだ。
最後の国産メーカーであることというのは故障時に現地での対応を考えると好ましいのだが、故障しない車だとここまで心配しなくても良いと思うのだ。
今回はこのへんで
では