ホンダの軽スポーツS660の展示車があるディーラーさんを前もって調べて見学にお邪魔してきた。
S660の個人的に気になる所をチェック、特に荷物
S660で気になるポイントと言えば次の項目を上げてみたい。
一般的な見方とは異なるかもしれないがTomTom的には気になるポイントだ。
- 荷物の積載スペース
- ヘッドクリアランスと室内
- エンジン周り
- ブレーキ周り
↑ S660のエンジンフードのスリットからホンダの文字が見える、ここはリアカウルの谷間にあるスリットで開閉式のリアウィンドウのすぐ後部に当たる、このスリットの下にはプラスティックのエンジンカバーが付いておりスリットの間からHONDAのロゴがチラっと見える演出には参る、なかなか芸が細かいと思う
S660の荷物の積載スペースについて
もし自分がS660を買うならココが一番気になっているところなのだ。
荷物が載せれるのか載せれないのか、コレを見てみたかった。
ホンダディーラーの営業マンや周りの友人は軽スポーツカーではなく荷物の積めない2輪を買ったと思えば良い、と言っているがそれだけでは片づけれないと思う。
TomTomの車に対する最低要求事項として2人で1泊のツーリングに行けるか?という事がある。
それには2名分の荷物を積載できるスペースが必要だ。
これはあのエリーゼでさえリアにトランクスペースが小さいが荷物スペースが用意されているのでなんとかクリアできる。
今回のS660の荷物の積載についてはこの点は不合格なのだ。
荷物スペースとしては専用の部分は全く無い。
フロントにロールトップを格納するボックスが備わっているのだが、ここに少しだけ荷物を収納できるかもしれない。
ただしコンビニにお買い物に行ってコンビニ袋を持ち帰る程度の収納力しかないのだ。
男同士の1泊のツーリングだと削りに削りまくって荷物を少なくし、ここに荷物を収納するということは可能かもしれない。
女性(奥さんですよ)を連れての1泊ツーリングは荷物の観点から不可能だ。
あえて荷物を積むなら助手席の足元に柔らかいバッグを置くくらいだろうか。
この荷物を積むという点についてはS660はTomTom的に失格だ。
↑ S660のフロント荷物収納スペース、本来は外したロールトップ収納用、フロントボンネット内にはプラスティックの収納ケースがある、一応赤いノブをカチっと蓋をすると密閉されるようだがパッキンが付いていないため防水機能は完全とは言えない、この大きさはコンビニ袋が3つほど入る程度で1泊のツーリング2名分の荷物は乗りそうもないので残念、もう少し荷物積載スペースがあれば良いと思う
ヘッドクリアランスの問題と室内
ハッキリ言ってTomTomにとってオープン2シーターは鬼門である。
なぜかというとオープン2シーターの車は今までは例外なく!!ヘッドクリアランスが不足しシートポジションを取った状態で頭がルーフに触れるのだ(ポルシェボクスターはまだ試していない)。
今回のS660もシートポジションを出した上でチェックしみた。
すると頭がロールトップの骨に当たるのだ、これでは全くお話にならない。
NCロードスターもそうだったし新型コペンもそうだった、そして今回のS660もそうなのだ。
一気にS660への情熱が冷めた思いだった。
まぁこれは各人の体格の問題なのでご自身でS660のシートに座ってみて確かめてほしいと思う。
たぶんTomTomの座高が高過ぎるようなのだ。
一緒に行った友人(TomTomよりも背が高い)は全くその心配は無かったらしい。
対策としてはフルバケットシートに変更してさらにポジションを下げるとヘッドクリアランスが確保できそうではある。
オープン2シーターはどうせリクライニングは少ししかできないのでフルバケットシートに換えてしまうのが良いかもしれない。
次は気を取り直してシートポジションを見てみる。
シートは軽自動車のスポーツカーとしては非常に立派で重厚だ。
思っていたよりも座面の厚みがあり快適なクッション性を備えているのだ。
横方向のサイズについても全く問題ないレベル。
残念なのは前後方向のスライド量が足りず、うまくポジションが取れない事だった。
あとワンノッチかツーノッチあればポジションが取れるのにというところ。
シートに座った状態での各コントロール類は軽自動車と言うよりも普通車のレベルとなっていて全く違和感が無い。
TomTom的に気になったのはステアリングホイール形状が下が切れたD型のシェイプになっている事だ。
クルクル回すと違和感があるだろう。
しかし乗り降りの際にこの形状のほうが有利なのは間違いない。
乗り降りの際にはスポーツカーらしくかなりアクロバティックな姿勢を要求される。
S660を買うならストレッチをしておいた方が良い。
国産車には珍しくサイドシルが高さ幅ともかなりあるのだ。
まず左足を入れて、次にお尻を落とし込んで、最後に右足を引き込む動作が必要だが右足を引き込む際にドア開口部が少し小さくて窮屈なのだ。
この時に体の柔軟性が要求される(ちなみにTomTomの身長は177cm)。
この部分はロータスエリーゼに良く似ているが、エリーゼよりもドア開口部がもっと狭いという印象だ。
エンジン回りの印象
S660のエンジンルームを覗いてみると通常のミッドシップの雰囲気とはかなり異なる。
エンジンの搭載位置が高くてS660のエンジンカウルのあの形状はこれをクリアするためで、見てくれ重視のモノではない事が良く分かる。
エンジン周りの補機類はNシリーズと同じだと思われS660用に補機類の位置を調整したようではなさそうだ。
したがってエンジンの搭載位置が高くて特に吸気系は上からのレイアウトのためサイドウィンドウの後ろに吸気口がある。
進行方向右側がエアクリーナーへの吸気、左側が空冷インタークーラーへの吸気となっているのだ。
エンジンベイ自体は非常に小さいのだが比較的スカスカしているのでスポーツカーとしてはメンテナンスはやりやすい方だろう。
後方にはマフラーのためのスペースがあり、この上部はスペースが空いているので何かに使えそうな感じだ。
ここに荷物の積載スペースを作るとか、工具を収めるようにするとか有効活用したい。
ただしマフラーの真上になるので熱くなる。
↑ S660のエンジンルームとシートの位置関係、ガラス越しに見えているのは助手席のヘッドレスト、真後ろにラジエターのリザーブタンクがあり非常に高い位置にユニットがマウントされているのが分かる、このためスパイダーのようなエンジンカウルの形状は飾りではなく内部のエンジンをクリアするためのモノだと分かる
↑ S660のエンジンルーム内の様子、エンジンベイ内を車両進行方向左側から見下ろした様子、左のリアウィンドウが無ければ右側が進行方向のFF車のようだ、それだけ元のユニットをそのまま流用して詰め込んだという感じ、エンジンの搭載位置が高いのが分かるだろうか、手前のダクトはウィンドウ後部からのインタークーラー冷却用のダクト、反対側にはエンジン自体の吸気ダクトがある、エンジンベイ自体は比較的隙間がありメンテ性は高そうだ
↑ S660のエンジン後部のマフラーの様子、画像下側がエンジンの後端、その後ろにマフラーが鎮座している、排気パイプの取り回しが短いだけに排気効率は高そうな印象、このマフラーの上部に積載スペースが確保できないものだろうか、熱くなってしまう事は避けれないと思うのだが無いよりはマシだ
ブレーキ周りの印象
S660のブレーキ周りは一言で言うとプアな外見だ。
機能的には車重が軽くて必要十分な機能を持っていると思うのだが見てくれが寂しい。
フロントはソリッドディスクと通常のフローティング方式のキャリパーの組み合わせとなっている。
リアはこのクラスでは珍しくディスクだがフロント同様ソリッドディスクとなっている。
フロントは15インチホイールに165/55R15タイヤだがキャリパーはホイールギリギリだ。
リアは16インチホイールに195/45/R16タイヤの組み合わせとなっており、こちらはキャリパーとホイールの間隔には多少余裕がある。
ブレーキは見てくれではないので乗ってみてブレーキを踏んでみないとその性能は窺い知れないが、軽スポーツカーとしてのS660ならもう少し見てくれの良いブレーキを奢っても良かったのではないかと思っている。
↑ S660のフロントブレーキディスク、残念な事にフロントディスクはソリッドだ、カッコだけでもベンチレーティッドが欲しかったところ、機能面では十分だとは分かっているのだけれど
↑ S660のフロントブレーキその2、フロントのキャリパーはごく普通のフローティングタイプ、車重を考えるとこれで十分なのだろう、15インチホイールに対してキャリパーがギリギリでクリアランスが一杯一杯だ
↑ S660のリアブレーキ、キャリパーがうまく映っていないが後輪は16インチを履く、こちらもキャリパー自体は普通のフローティングタイプにソリッドディスクとなる、後輪のディスクブレーキ装備はスポーツカーとしては安心だ
↑ S660のリアサスペンション周り、なんだかレーシングカーの足回りを見ているようだ、形式自体はストラットだがロアアームが2本のアームとなっているのがマニアック、マウントされているサブフレームがアルミ製なのが分かるだろうか、ここはリアオーバーハングにあるだけに軽量化が効いてくるポイントだ
今回S660を間近で見学させていただいたディーラさんには感謝したい。
まだ試乗できる個体が無い状態だがそのうちに試乗車も用意される事だろう。
昨日2015年4月24日に営業マンに聞いたところでは納期は今注文して年末になるという事だ。
しかしS660思った以上に良く売れているものだ。
こういうプチ贅沢できる車を皆さん待っていたのだろうか。
今回はこのへんで
では