元来、凝り性なたちなのでスポーツカーは非常に気になる存在だ。
車で走る事自体は時代と共に意味が異なってきて、今となっては罪悪感を持ってしまうような段階まで来ているのではないだろうか。
しかし技術開発やブレークスルーにはモータースポーツで競い合う中での技術フィードバックが必要不可欠なのは間違いない。
そこでメーカーをはじめモータースポーツの主催者も創意工夫を重ねて様々な見せ方や技術要素を取り込んできているのが現状だ。
スポーツカーと時代背景
スポーツカーとしてはこういった動きを受けての小型化やハイブリッド化の動きがある反面、反動なのか大排気量大パワーでの昔ながらの車も数が多くリリースされてきた。
これはこれで面白い動きだと思うのだが、経済がそうであるように両極端な文化を創り上げているのではないだろうか。この行く先が少し気になるところではある。
またスポーツカーを受け止めるユーザーの動きも近年様変わりをしてしまっていると思うのだ。
かってこういったスポーツカーの受け皿は血気に溢れた若者と決まっていたものだが、若者がスポーツカーに興味を示さないというなんだか寂しいことになっているのは事実だ。
かくいう私も20代の頃はラリーというモータースポーツに没頭して様々な車を壊しては腕を下げたのか上げたのか分らない状況ではあった。
スポーツカーの定義は時代によって移り変わる
こうしたスポーツカーを取り巻く全体の動きはイロイロあるが、TomTom個人的にグラっときたスポーツカーはやはり軽量でコンパクトな車なのは基本的に変わりがない。
中でも自分では手が届かないスーパースポーツ級の車だと一人で早合点していたアルファロメオの「4C」が現在では一番気になる存在だ。
というのはその価格を知ってしまったからなのだ。
内容と言えばダウンサイジングされたそこそこパワフルなエンジン。そしてカーボンを使った車の骨格。全体のパッケージングは文字通りスーパースポーツと異なるところが無い。
こうしたコンセプトのスポーツカーって実はなかなか無いものだ。
あえて言えばロータス「エリーゼ」、この車はロータスのコンセプト通り軽量コンパクトを地で行く車でいつかは乗りたいと思っている。
そしてケータハムのシリーズ、こちらは最近スズキの軽エンジンを搭載して日本でも売りに出されたばかりだが新たなマーケットの新境地を切り開いている。
やはりスポーツカーはカッコ良くないとあかん。
そして技術的なハイライトがなければあかんと思うのだ。
そのルックスや技術ハイライトに惚れて、不便な所には目をつむるのが本来のあり方だろうと思う。
極端に言えば快適なスポーツカーなんてスポーツカーとは言えないのではないだろうか。きっとそれはスポーティーなラグジュアリーカーだと思うのだ。
グラリと来たスポーツカー
なぜこうしたことを考えるのかというと、スキーでも自転車でも道具を使うスポーツを想像してみたら良い。
長年自転車競技に携わってきたが、競技用自転車で非常に高価な戦闘力の高いロードレーサーを快適だと思ったことが無い。
フレームはエネルギー効率を考え固く、ポジションは凄く前傾していて空気抵抗を低くする苦しいものだし、パーツも剛性が高く操作する際の当たりが非常に堅い、タイヤなんて転がり抵抗しか考えていない7気圧(乗用車の比ではない)も入る細いタイヤなのだ。
また競技用のスキーの板やブーツもそうだ。堅くて反発の鋭い板に足をガッチリと固定するブーツ、カリカリまで締め上げるビンディング。
TomTomはこれらを快適だなんて思ったことは一度も無いのだ。これが快適なんて誰が言うのだと思う。
そういう意味ではアルファロメオ「4C」は久々に骨のある奴が出てきよったという印象なのだ。
しかもちょっと頑張れば手に入れることができる価格帯というのが素晴らしい。
大げさに言えば人生に新たな目標ができたという感じである。