実はちょうど現行K13マーチにスペシャルチューンが出ないかと思っていたところだ。
先代のK12マーチの12SRはNISMOではないがオーテックの手により1.2Lのエンジンをチューニングして108馬力を絞り出していた。試乗すると通常のマーチとは異なるフィーリングがあらゆる部分から感じられ、小さいながらもピリリと辛いという印象だった。
やっと出てきたマーチのホットバージョン
そんなマーチからMTでかつチューニングされたモデルが消えてから久しい。出るかも?と噂はあったがやっとここにきて「マーチ NISMO S」が登場したわけである。
なんだか最近のマーチは存在感が薄くて、あまり話題にもならないし売れているというお話も聞かないのは寂しい限りだがNISMOについては動きが激しい。特にヨーロッパではスポーティーイメージを高めるために積極的にNISMOブランドを前に出している。最近ではデュークNISMOもその一例だ。
「マーチ NISMO S」のスペック
エンジン:1.5L 4気筒NA
最高出力:116馬力/6000回転
最高トルク:15.9kgf/m/3600回転
燃料:無鉛プレミアム
サイズ:3,870×1,690×1,495mm
ホイールベース:2450mm
総重量:1,010kg
乗車定員:5名
駆動方式:FF
サスペンション:前ストラット、後トーションビーム
ブレーキ:前ベンチレーテッドディスク、後ドラム
タイヤ:205/45R16
専用装備:エギゾースト、ブレーキ、ECU、足回り+スタビ、ボディー補強(ボルトオン)、専用エアロ
まずエンジンだがスペックからすると全く物足りない。
直接のライバルであるスイフトスポーツやフィットRSと比較してみる。スイフトスポーツZC32Sが1.6Lから136馬力/6,900回転を絞り出しているのと比較すると馬力もだが発生回転数もチューンドNA?にしては低く平凡だ。ちなみにフィットRSは120馬力/6,600回転だ。
またライバルが6速MTを搭載するところ5速MTというのも手を抜いているとしか思えない。まして一番後から出ているにもかかわらずだ。
確かにミッションは新たに開発すると莫大な開発費がかかるというのは良く分るが、ここはやはりライバル達に追随するべきではないのか。安直な表面の化粧でお茶を濁しているような気がする。
ということで「マーチ NISMO S」の内容には少し期待外れであったが、実際には乗って走ってみないとなんとも言えない。機会があれば試乗してみたいと思う。
「マーチ NISMO S」の画像
↑ 「マーチ NISMO S」のリア画像、こちらもディティールは非常に凝っている、バンパーからディフューザーあたりはコンパクトカーと思えない作り込みだ、個人的にはこんなところにお金を掛けるならエンジンや足回りにもっと回してほしかった、画像はメーカーサイトより拝借
↑ 「マーチ NISMO S」の室内画像、室内の作りは非常に良いと思う、とてもマーチの室内には見えないと思う、シートも重厚でホールドが良さそう、ステアリングの赤いセンターマーキングが憎い演出だ日本車では珍しい、しかし相変わらず日産のステアリング形状は特にセンター部分が野暮ったい、画像はメーカーサイトより拝借
↑ 「マーチ NISMO S」の室内画像2、シートは非常にホールド良さそうな形状でタップリと厚みがある、悲しいかなインパネでスポーティーなのはステアリングの赤いセンターマークだけ、画像はメーカーサイトより拝借
↑ 「マーチ NISMO S」のカラーバリエーション、渋チンのスズキより色数が少なく地味~、ウキウキするような明るい色を揃えられないものか、コンパクトカーでは色で印象が全く異なるし乗る側も小さいだけにそういった要素も求めるのだと思う、画像はメーカーサイトより拝借
結構ボロカス書いてしまったが、こうしたMTのモデルを出してきただけでもマシなのかもしれない。
ヨーロッパではもっとシビアにこうしたコンパクトカーを評価すると思うのでこのままではイカンと思うのだ。キチンと走りを煮詰めて、なおかつそのアピアランスを主張するようなものでないと戦っていけないと思う。プジョー208GTIを見習ってほしいと思うのである。
もう少し煮詰めが必要だろう。
今日はこのへんで
では